人狼さんの封印といた

ぼたにかる

文字の大きさ
14 / 24

14・よく馴染む

しおりを挟む



朝日にふと目を覚ます。
身体中があまくてくてんくてんで動かせなかった。
お腹の底にもったりと大量の魔力を感じる。最初の口付けで貰った魔力とは比べものにならない位の、大量の魔力で満たされている。
なら大丈夫。
私は浮遊魔法でふわりと身を起こす。
ん……秘部の入り口がまだ開かれたままみたいな感覚がする。
何本も指を挿入されていたからかな。
でももっと、大きいモノが挿入っていたような、もっと熱いモノが収められていたような気がするけれど、指を挿入れて治療して貰っていたところまでしか覚えていない。
あの後、別のナニかで治療してくれたのかも知れない。
何となく、秘部に触れる。
ぬちゅ。
指先が白い。
ねと、と私のナカから零れているみたい。
……私がナカから零してたのって白いモノだったんだ。
こんな色の、零してたんだ。
ファンタジー世界の治療だとこうなるのかな? 人狼さんの治療だから? 現代日本にはない治療だ。
うん、でもこの治療のお陰で魔力たぷたぷ。
身体は甘ったるいけど、魔力が満ち満ちに満ちているから浮遊魔法で軽やかに爽快に飛び回れる。
お股からとろ、と白いの零れたけれど、浮遊魔法の応用でナカに押し戻す。何だろう、こぼれ落ちるのが勿体ないように思えてしまう。
この白いべとべとは私にとって大切な、いとおしいモノだったはず。
ああ、これ。私から出た粘液じゃない。
びしゃびしゃ、どぷどぷ。びゅるる。
この胎に、何度も何度も熱い飛沫をまき散らされた感触を思い出す。
その瞬間の悦びが、じゅんと私を支配する。
私の身体に生々しく残る感覚が現実にあった事だと深く知らしめる。
眠っている間のコトかな。
なんだか、勿体ない事、したのかも。


私は微塵も、恐怖や嫌悪を覚えなかった。むしろ恥ずかしくも喜ばしい事だとしか思えなかった。
いっそ不自然なまでに。


ほぅ、と零れる熱い吐息。
私は一つ頷いた。
うん。ナカに貯めておいた方が良い気がする。
だってこれ、治療の為に注がれたモノだろうからね。この粘液のお陰でお腹が魔力でひたひたで常にうっすら気持ちいいし。
どんどんと私の細胞一つ一つに染み渡っていって、良く馴染んでいくみたいだし。彼に注がれたモノが私の肉体に浸透していくのはいいコト。だってもっと彼に近しいいきものにならないといけないのだから。これに馴染んでなじみきって、そして。

「馴染む……なじむ。馴染まないと。もっとどうしゅに」

私は無意識に言葉を紡いだ。


この時、辿る思考の異常さに気づけたならば、間に合ったのかも知れないけれど。正気であるという事、正しいという事、それに何の価値があるだろう。私を壊したのは人間なのだから。壊れた私に人間であるという状態が壊されるのは仕方がないと諦めて欲しい。
……もう、嫌じゃないでしょう? 人間じゃなくなるの。
後に誰が何と言おうと、こうすべきだったと糾弾しようと、この分岐で私が正気になる事はなかった。


「はら……って、あれ。何言ってんだろ私。」

それにしても治療の途中で寝ちゃうなんて失礼だったよね。
エントさんは底抜けの善狼で、私の身を案じて完全なる厚意で治療してくれているのに。謝らないと。

私はふわんと台所まで飛んでいって、エントさんの肩に手を回して宿り木にする。

「おはようございますエントさん。昨日は治療の途中で寝ちゃってごめんなさい」
「おはようございますフーカ。体調はどうですか? どこか痛いところはありませんか?」
「エントさんの治療のお陰で痛みはちっともありません。何か身体がくたっとして、ふやけた感じで本当は動けないみたいだけど、魔法があるからへっちゃらです。エントさん、魔力補充してくれてありがとう!」
「いいえ、いいえ。こちらこそ」

エントさんはにこ~っと微笑みながら、何故か微妙に噛み合わない返事をしつつ、ベーコンカリカリ目玉焼きを完成させていた。
私は一瞬だけ首を傾げつつも、お皿持ってきますねと、また浮遊した。


そうやって、特になんて事のない異世界の1日が始まり。
そして夜な夜な私は、治療と魔力補充をして貰う。
とろとろ。とろとろ。
甘くて蜂蜜のような何かをひたすら注いで貰えて、ひたひたに優しく満たされるばかりの日々。彼に深くなじむ日々。

そんな日々が、少し流れた。





しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

狼隊長さんは、私のやわはだのトリコになりました。

汐瀬うに
恋愛
目が覚めたら、そこは獣人たちの国だった。 元看護師の百合は、この世界では珍しい“ヒト”として、狐の婆さんが仕切る風呂屋で働くことになる。 与えられた仕事は、獣人のお客を湯に通し、その体を洗ってもてなすこと。 本来ならこの先にあるはずの行為まで求められてもおかしくないのに、百合の素肌で背中を撫でられた獣人たちは、皆ふわふわの毛皮を揺らして眠りに落ちてしまうのだった。 人間の肌は、獣人にとって子犬の毛並みのようなもの――そう気づいた時には、百合は「眠りを売る“やわはだ嬢”」として静かな人気者になっていた。 そんな百合の元へある日、一つの依頼が舞い込む。 「眠れない狼隊長を、あんたの手で眠らせてやってほしい」 戦場の静けさに怯え、目を閉じれば仲間の最期がよみがえる狼隊長ライガ。 誰よりも強くあろうとする男の震えに触れた百合は、自分もまた失った人を忘れられずにいることを思い出す。 やわらかな人肌と、眠れない心。 静けさを怖がるふたりが、湯気の向こうで少しずつ寄り添っていく、獣人×ヒトの異世界恋愛譚。 [こちらは以前あげていた「やわはだの、お風呂やさん」の改稿ver.になります]

【短編】淫紋を付けられたただのモブです~なぜか魔王に溺愛されて~

双真満月
恋愛
不憫なメイドと、彼女を溺愛する魔王の話(短編)。 なんちゃってファンタジー、タイトルに反してシリアスです。 ※小説家になろうでも掲載中。 ※一万文字ちょっとの短編、メイド視点と魔王視点両方あり。

借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる

しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。 いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに…… しかしそこに現れたのは幼馴染で……?

日常的に罠にかかるうさぎが、とうとう逃げられない罠に絡め取られるお話

下菊みこと
恋愛
ヤンデレっていうほど病んでないけど、機を見て主人公を捕獲する彼。 そんな彼に見事に捕まる主人公。 そんなお話です。 ムーンライトノベルズ様でも投稿しています。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

【魔法少女の性事情・1】恥ずかしがり屋の魔法少女16歳が肉欲に溺れる話

TEKKON
恋愛
きっとルンルンに怒られちゃうけど、頑張って大幹部を倒したんだもん。今日は変身したままHしても、良いよね?

淫紋付きランジェリーパーティーへようこそ~麗人辺境伯、婿殿の逆襲の罠にハメられる

柿崎まつる
恋愛
ローテ辺境伯領から最重要機密を盗んだ男が潜んだ先は、ある紳士社交倶楽部の夜会会場。女辺境伯とその夫は夜会に潜入するが、なんとそこはランジェリーパーティーだった! ※辺境伯は女です ムーンライトノベルズに掲載済みです。

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。 **2026.01.02start~2026.01.17end**

処理中です...