花声

トゲ蔵

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人見知りでしょうか…

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結局昨日はパーティーするとか言っていたけど2人でお話をして終わっていた。
紅不二さんのまた明日ねと言う言葉はまだ生まれたてで不安な私の気持ちをかき消してくれた。
鉢と呼ばれる家が私たち一人一人にあってそこで暮しているらしい。一人部屋はとても寂しい、紅不二さんの明るさを部屋の冷たさがどんどん奪っていくようで不安に駆られながら独りベッドに横になった。

朝になると日差しが窓から差してきて、部屋に温かさが戻る。私の寝起きはいい方らしい。清々しい気分になっている。
おっはよ~!朝だよ~!起きるよ~!
紅不二さんの明るい声がドア越しに聞こえる。あの人はインターホンというものを知らないのだろうか。
起きてますよ~今開けますね~
流石に寝起きがいいとは言えあのテンションについていくのは至難の業だと思う。
バタンと大きい音を立ててドアが開けられる。
おっはよー!
元気だなぁと感心しながらも挨拶をする。
おはようございます。一体どうしたんです?
あれ?昨日言わなかったっけ?また明日ねって。
覚えがある。そうゆうことか。
思い出したようだねっ!紹介したい子がいるんだ!来てよ!
戸惑いながらついて行くことにした私はとりあえず顔を洗うことにした。初めて会う人に会いに行くのだ。初対面の印象はとても大事だと思う。

そして、連れて行かれたのは紅不二 黄不二と書かれた表札のある鉢だった。見るからに紅不二さんの家だ。
そして、家のドアを開ける。
お姉様ぁー!何処にいらしてたんですのぉー!
甲高い声と走ってくる足音が聞こえる。ドアが完全に開ききった瞬間、その黄色い花は紅不二さんに抱きついていた。
一瞬私の思考が停止した。
お姉様、一体誰ですの?その方は。
さっきの甲高い声と打って変わって低く冷たい声。
私は内心怯えながらも自己紹介をしようとした。
この子は、青空ちゃん!昨日新しく花の庭園に来た子だよ!
紅不二さんに遮られた。何故だか助かった気がした。
あぁ、そうですの、よろしくお願いしますわ。
握手を求められた。そして近づき握手をする。
耳元で小さな声で
私のお姉様に手を出したら殺しますわよ。
と囁かれた。
怖い。
黄不二はね!私の血の繋がった妹なんだ!とってもかわいいでしょ!でも、黄不二は人見知りだから、仲良くなるには時間がかかるかもねぇ~、、
紅不二さん、人見知りとは少しばかり違う様な気がします。
紅不二さんのお家にお邪魔してお茶とお菓子をご馳走になった後、3人で散歩に出るという約束をした。
黄不二さんの特性サンドウィッチを持って行くことにした。紅不二さん曰く黄不二さんのサンドウィッチはとても美味しいとのこと、毒が入ってないか不安ではありますが、大丈夫でしょう。大丈夫、、大丈夫なはず、、
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