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ノックもなく突然開いたドアからズンズンと執務室に入ってきたのは兄さんで、なんか色々言いながら近付いてくるなりボディーチェックを受けた。
丸っとまとめれば「無事でよかった」ということらしい。
どうやら兄さんは王様が危険人物だってことは知っている感じで……。
知っておきながらなにも教えてくれなかったのは何故だ?
初めに王様は危険だという情報が少しでもあったら、俺達は王都に行って戦争のことを知らせようとは思わなかったし、そもそも王都になんか行ってないし、なんなら戦争はどっちの味方をする?の質問が出た時点で父さんだって即答できたんだ。
「カイン、アイン。座ってくれ」
座るようにと促され、多少落ち着きを取り戻した兄さんと並んで座る。
父さんはどこから話せばいいのかと独り言を呟き、そこで兄さんが自分がどこまで知っているのかを披露していた。
それによれば大陸の王は攻撃魔法の強い兄さんと、防御特化の俺を傍に置こうとしているらしい。
それだけを聞けば出世したってことになるんじゃないかと思うんだけど、話しには続きがあった。
「肉体強化の錬金術を俺達に受けさせるつもりだと聞いた」
人体実験にされるのではなく術が完成した後に肉体強化されるんなら、魔物化せずに済むのだろうし、強さも手に入れられる……。
実験材料になった人のことを思えば良い術だとは全く思えない。
「陛下は攻撃も防御も回復までもできる魔力を持った者を望まれた……いや、優れた人物になろうとしている。そして島の王に肉体強化の実験をさせたのだ」
うん。それはさっきも聞いたし、理解したけど?
それに、その説明だと俺と兄さんが揃って王都に言ったら危険だという理由が分からない。
「え?王が自分の強化をしようとしてるだけ?なら俺やアインは側仕えをするだけ?」
詳しいことは兄さんも知らなかったみたいだな。
肉体強化もされず側仕えで良いなら、俺達が揃って王都に行ったらら駄目な理由がない。
俺はそのせいで学校にすら通わせてもらえなかったんだから、もっとちゃんとした理由がなければ到底納得できないけど?
「肉体強化というのは術の最終形態の名前でしかない。魔力の高くない陛下が攻守共に優れた人間になろうというのだ……その攻撃魔法力はどこからくる?優れた防御力魔法はどこからだ?」
どこからっていわれても……。
父さんの口ぶりからして重大であるってことだけは分かるから、自然発生するようなものでも、大陸の王の内から力を呼び起こしーとかでもないのだろう。
だとしたら?
「……そうか……そういう……」
え?
兄さんは今の話で全部理解できたのか?
「なに?なに?」
今日はすべての答えを聞くまで食い下がってやる。
理解できたよーって振りなんかしないからな!
「ジークベルトから聞いたんだけど、島では2つの生命を1つにして戦力を上げる技術がもう実用化レベルにまで来ているみたいなんだ」
へぇ……。
人の体内に人工的に子宮を作って妊娠可能にするって物凄い術がすでに完成済みの島の技術力なら、
確かにそんな技術もできていて不思議はない、か……。
人工子宮を男の体に組み込むってのも、無機物と生命体を融合させたと考えれば、原理は同じだ。
けどそれだと分からないことがひとつある。
「2人を1人にして魔力とか力を凝縮させるって目的はわかったよ。で、その場合どっちの姿になって、どっちの意識になるの?」
大陸の王がその術を受ける時は、体も意識も王になるってのは分かるんだけど……例えば俺と兄さんが融合した場合、どっちが残る……。
そんなの次期当主である兄さんだな。
丸っとまとめれば「無事でよかった」ということらしい。
どうやら兄さんは王様が危険人物だってことは知っている感じで……。
知っておきながらなにも教えてくれなかったのは何故だ?
初めに王様は危険だという情報が少しでもあったら、俺達は王都に行って戦争のことを知らせようとは思わなかったし、そもそも王都になんか行ってないし、なんなら戦争はどっちの味方をする?の質問が出た時点で父さんだって即答できたんだ。
「カイン、アイン。座ってくれ」
座るようにと促され、多少落ち着きを取り戻した兄さんと並んで座る。
父さんはどこから話せばいいのかと独り言を呟き、そこで兄さんが自分がどこまで知っているのかを披露していた。
それによれば大陸の王は攻撃魔法の強い兄さんと、防御特化の俺を傍に置こうとしているらしい。
それだけを聞けば出世したってことになるんじゃないかと思うんだけど、話しには続きがあった。
「肉体強化の錬金術を俺達に受けさせるつもりだと聞いた」
人体実験にされるのではなく術が完成した後に肉体強化されるんなら、魔物化せずに済むのだろうし、強さも手に入れられる……。
実験材料になった人のことを思えば良い術だとは全く思えない。
「陛下は攻撃も防御も回復までもできる魔力を持った者を望まれた……いや、優れた人物になろうとしている。そして島の王に肉体強化の実験をさせたのだ」
うん。それはさっきも聞いたし、理解したけど?
それに、その説明だと俺と兄さんが揃って王都に言ったら危険だという理由が分からない。
「え?王が自分の強化をしようとしてるだけ?なら俺やアインは側仕えをするだけ?」
詳しいことは兄さんも知らなかったみたいだな。
肉体強化もされず側仕えで良いなら、俺達が揃って王都に行ったらら駄目な理由がない。
俺はそのせいで学校にすら通わせてもらえなかったんだから、もっとちゃんとした理由がなければ到底納得できないけど?
「肉体強化というのは術の最終形態の名前でしかない。魔力の高くない陛下が攻守共に優れた人間になろうというのだ……その攻撃魔法力はどこからくる?優れた防御力魔法はどこからだ?」
どこからっていわれても……。
父さんの口ぶりからして重大であるってことだけは分かるから、自然発生するようなものでも、大陸の王の内から力を呼び起こしーとかでもないのだろう。
だとしたら?
「……そうか……そういう……」
え?
兄さんは今の話で全部理解できたのか?
「なに?なに?」
今日はすべての答えを聞くまで食い下がってやる。
理解できたよーって振りなんかしないからな!
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へぇ……。
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確かにそんな技術もできていて不思議はない、か……。
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けどそれだと分からないことがひとつある。
「2人を1人にして魔力とか力を凝縮させるって目的はわかったよ。で、その場合どっちの姿になって、どっちの意識になるの?」
大陸の王がその術を受ける時は、体も意識も王になるってのは分かるんだけど……例えば俺と兄さんが融合した場合、どっちが残る……。
そんなの次期当主である兄さんだな。
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じゅじゅさん はじめまして。
感想ありがとうございます!
気が付くのが遅れてしまい 申し訳ないです。
更新を楽しみにして下さり ありがとうございます
とても励みになります!