大江戸えろえろ草紙~天下無双のド変態、魔を斬り悪を撫でる!~

覚醒シナモン

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第三話:くノ一ぽろり!禁断の森と㊙色仕掛けの術

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月光も届かぬ鬼灯島の禁断の森。助平太の「変態アンテナ」がビンビンに反応したその先、鬱蒼と茂る笹薮が、がさり、と音を立てた。闇に慣れた助平太の目が、その奥に潜む人影を捉える。しなやかな肢体、そして何よりも、このむせ返るような獣道にそぐわぬ、微かに漂う白粉と汗の入り混じった、えもいわれぬ香り…。
「むふぅ……この香り、まるで熟れかけの果実のごとし!しかも、ただの果実ではござらん!棘を持つ花が、その蜜を隠しきれずに発散させているような、危険な甘さ!さては……手練れの雌豹(めひょう)でござるかな!?」
助平太が涎を垂らさんばかりに鼻をひくつかせていると、プルルンがその頭をペチペチと叩いた。
「このド変態!そんなこと言ってる場合かゾ!敵だったらどうするんだ!」
その時、笹薮から、音もなく一人の女が姿を現した。年の頃は助平太と同じくらいか、やや下。夜闇に映える黒装束に身を包み、顔の下半分は黒い布で覆っているが、切れ長の涼やかな目元と、そこから覗く強い意志の光は隠せない。そして何より、黒装束の上からでもわかる、女性らしい柔らかな体の線、特に豊満な胸の膨らみと、きゅっと締まったくびれは、助平太の鑑定眼をもってすれば一目瞭然であった。
「……何奴か」
女の声は、鈴を振るような可憐さを持ちながらも、匕首(あいくち)のような鋭さを秘めている。
「これはこれは、闇夜に咲いた一輪の黒百合!拙者、桃色助平太と申す、美を愛し、美に生きる、ただの通りすがりの変態でござる!そしてこちらは、拙者の愛すべきお目付け役、プルルン殿!」
「誰がお目付け役だ、このエロガッパの下僕だゾ!」
プルルンが威嚇するように体を膨らませる。女は怪訝な顔で一人と一匹を見比べたが、すぐに警戒の色を強めた。
「桃色助平太……さては、お奉行所から手配書の回っている、あの破廉恥侍か。鬼灯島に流されたと聞いていたが、こんなところで何を企んでいる?」
「企むなどと人聞きが悪い!拙者はただ、この島に渦巻く『魂抜き』なる怪異の裏に隠された『美』の真相を探求しに来たまで!貴女こそ、このような場所で、一体何をなさっておいでかな?その見事な隠形術、そしてその……おっと失敬、その引き締まった太ももから察するに、ただのおなごではありますまい?」
助平太の視線が、黒装束の脚部にいやらしく注がれる。女は顔をわずかに赤らめ、後ずさった。
「なっ……!どこを見ている、この無礼者!」
「おお!その恥じらい!闇に隠された紅顔!実に、実に……そそる!」
「やかましいわ、このド変態!」プルルンが再び助平太の額に体当たりを喰らわす。「お姉さん、こいつはこういうヤツだから、気にしないで欲しいんだゾ!」
女は、助平太のあまりの変態ぶりに毒気を抜かれたのか、あるいはプルルンのとりなしに警戒を少し解いたのか、深いため息をついた。
「……私の名はカゲリ。幕府の密命を帯び、この島の秘密を探っていた者だ。だが、しくじって囚われの身となり、今は脱出の機を窺っている」
そう言ってカゲリが顔の布を取ると、そこには柳眉杏眼(りゅうびきょうがん)、まさに絵に描いたような美貌が現れた。ただ、その表情は疲れと警戒心で硬い。
「おお!なんと!そのお顔、まるで月光を閉じ込めた真珠のよう!しかし、その目元に浮かぶ憂いの影は、真珠を包むビロードの如く、さらにその輝きを引き立てておりますぞ!」
「……この男、本当に大丈夫なのか?」
カゲリが真顔でプルルンに尋ねる。プルルンは諦めたように首を振った。
「カゲリ殿、と申されましたかな?その『島の秘密』とやら、詳しくお聞かせ願えまいか?もしかしたら、拙者が追い求める『魂抜き』の真相と繋がっておるやもしれませぬぞ?」
カゲリはしばらく助平太を疑わしげに見ていたが、やがて観念したように口を開いた。
「……この島では、囚人たちが次々と生気を失い、抜け殻のようになっている。私は、それを『魂抜き』と呼び、その裏にいる何者かが、囚人たちの魂を何らかの目的で集めていると睨んでいる。そして、その中心にいるのが、この島の看守長、獄卒のゲンブだ」
「獄卒のゲンブ……。あの、亀の甲羅のような厳つい顔をした、いかにも精力絶倫そうなオヤジでござるな?確かに、彼奴からは、常人ならざる『粘り気のある妖気』を感じておりましたぞ!」
助平太の言葉に、カゲリは少し驚いたように目を見開いた。
「……お主、ただの変態ではないのか?妖気を感じるとは……」
「うふふ、拙者の変態アンテナは、お色気だけでなく、妖気や殺気にも敏感なのでござる。特に、美女が発するそれらには、ねっとり絡みつくように反応いたします!」
「やっぱりただのド変態じゃないか!」プルルンが叫ぶ。
話を聞けば、カゲリもまた、ゲンブの悪行の証拠を掴み、本土の幕府に報告するためにこの森で隠れ家を探していたところだったという。目的が一致した(と助平太が一方的に判断した)三者は、ひとまず協力して「魂喰らいの祠」の手がかりを探すことになった。
「では、カゲリ殿、案内は拙者にお任せあれ!この助平太の『おなごの残り香追跡術』をもってすれば、いかなる隠し祠も見つけ出してみせましょうぞ!」
「……本当に大丈夫なのか、この男について行って」
カゲリの不安はもっともだったが、他に頼れる者もいない。
森の奥へ進むにつれ、木の根はより複雑に絡み合い、獣道すら途絶えがちになる。カゲリはさすがくノ一、音もなく木々の間をすり抜けていくが、時折、木の枝に装束を引っ掛けたり、ぬかるみに足を取られたりして、小さく「きゃっ」と悲鳴を上げる。その度に、助平太の目が爛々と輝くのは言うまでもない。
「カゲリ殿!その足さばき、まるで闇夜を舞う蝶のよう!しかし、今の『きゃっ』は、少々色気が足りませぬな!もっとこう、腰をくねらせ、上目遣いで……」
「黙れ変態!今は真面目に進むんだゾ!」
プルルンが擬態した小石を助平太の脳天にぶつける。
そんな時、前方の茂みから、唸り声と共に二つの紅い光が浮かび上がった。
「妖怪か!?」カゲリがクナイを構える。
現れたのは、狼ほどの大きさの、全身が真っ黒な毛で覆われた獣だった。その目は赤く爛々と輝き、鋭い牙からは涎が滴っている。鬼灯島に棲む凶暴な妖怪、「黒風狼(こくふうろう)」であった。
「グルルルル……!」
黒風狼が、カゲリめがけて飛びかかってきた!
「危ない!」
カゲリは素早く身を翻し、クナイで応戦しようとするが、足元の木の根に躓き、体勢を崩してしまう。
「しまっ……!」
その瞬間、助平太がカゲリの前に躍り出た。
「おお!なんと美しい受け身!まるで、柳に風、雪に耐える笹の葉の如し!しかし、その無防備な背中、実に、実に……えろい!」
助平太は、なぜか黒風狼に背を向け、倒れ込んだカゲリの姿態を熱心に観察し始めた。
「このド変態、何やってんだあああ!敵はそっちだゾ!」
プルルンが絶叫する。黒風狼は、目の前の奇妙な男の行動に一瞬戸惑ったが、すぐに獰猛さを取り戻し、助平太の背中に襲いかかろうとした!
「秘技・着物ひらり!」
助平太の着物が、まるで生きているかのようにふわりと舞い上がり、黒風狼の視界を遮った。その一瞬の隙を突き、体勢を立て直したカゲリが、黒風狼の脇腹にクナイを深々と突き立てる!
「ギャン!」
黒風狼は悲鳴を上げて数歩後ずさり、そのまま森の闇へと逃げ去った。
「……助かった、のか?助平太殿?」
カゲリが訝しげに尋ねる。助平太は、自分の着物の裾を満足そうに眺めていた。
「うふふ、この着物、先ほどカゲリ殿が躓いた際に、偶然にも貴女様の汗を吸い込んでおりましてな。その香りに誘われて、本能的に『美しきものを守らねば!』と動いたのでござろう。実に殊勝な着物でござる!」
「……」
カゲリは言葉を失い、ただただプルルンと顔を見合わせるしかなかった。
気を取り直して先に進むと、やがて苔むした古い鳥居が見えてきた。その奥には、小さな石造りの祠がひっそりと佇んでいる。鳥居の柱には、何かの動物の血で描かれたような、禍々しい文様が刻まれていた。
「ここか……魂喰らいの祠……」カゲリが息を呑む。
祠の周辺には、他の場所よりも濃い瘴気が漂い、空気が重く感じられた。そして、祠の入り口には、真新しい獣の骨と……人間のものらしき髪の毛が数本、散らばっていた。
「プルルン殿、この文様、見覚えはござらぬか?」
助平太が鳥居の文様を指さす。プルルンは体を震わせ、嫌悪感を露わにした。
「……うげぇ、気色悪い文様だゾ。でも、確かに……昔、長老が描いてた『禁断の呪印』のいくつかに似てる気がする。魂を縛り付けたり、妖力を増幅したりする、ヤバいヤツだ」
その時、祠の奥から、微かな呻き声が聞こえてきた。それは、まるで魂が抜けかかった人間が発するような、弱々しくも苦しげな声だった。
「誰かいるのか!?」カゲリが祠に駆け寄ろうとする。
「お待ちくだされ、カゲリ殿!不用意に近づくのは危険でござる!」
助平太が制止するが、カゲリは聞かずに祠の扉に手をかけた。その瞬間、祠の周辺の地面から、黒い影のようなものがいくつも立ち上り、蠢き始めた!
「なっ……これは、怨霊!?」
影は徐々に人の形を取り、虚ろな目で助平太たちを睨みつけてくる。その数は十や二十ではない。
「うひゃあ!やっぱりヤバいところだったんだゾ!」プルルンが助平太の頭の上でパニックになる。
「うふふ……なんと!これほど多くの『か弱き魂』たちが、拙者を待っていてくれたとは!この助平太、感激で身も心も……そして股間も熱くなってまいりましたぞ!」
助平太は、迫りくる怨霊の群れを前に、恍惚の表情で腰をくねらせ始めた。その手には、いつの間にか愛用の筆と墨壺が握られている。
「いざ!『怨霊百面相』!その苦悶の表情、一つ残らず写し取ってご覧にいれましょうぞ!」
果たして、ド変態侍とその一行は、この怨霊の巣窟から無事生還できるのか?そして、祠の奥に潜むものの正体とは?助平太の変態道は、ますます険しく、そしてエロティックになっていくのであった。
(第三話 了)
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