日常。

夏本ゆのす(香柚)

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十才になります。

本日は誕生日です。

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おはようございます。

今日はたんじょう日。十才になりました。



「兄さま、おはようございます」

「蓉子、おめでとう。十才になったね。」

大兄さまは、私の部屋に入ってくると、そう言って抱き上げてくれました。

大兄さまは、大きくて力持ちなので、私を軽々と片手で抱いたままダイニングへ連れていってくれます。

う~ん。自分で歩けるんですが。
大兄さまは、私を甘やかしすぎだと思います。

でも……今日はたんじょう日なので甘えてもいいことにします。
大兄さま、大好きです。







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お誕生日のお披露目……


苦手です。

挨拶も

沢山の人も苦手。

頑張ろうとした事もあったけど、
あまりいい思い出しゃない。

考えたら大人ばかりの集まりって、
私に何の意味があるというのかしら。

聞いてなかったし。



去年と同じように、かあさまや兄さま達と
一緒に夕食がたべられるのだとおもってました。

簡単なって聞いていたから、親戚の方々ぐらいだと。

お昼をいただいたら、何故か休むように言われて。
少しのお昼寝のあと、何故か着物をきせられました。

ぷんぷん、です。(直子先生に教えていただきました。)

ゆっくりしたかったのに。





重いです。袖が長いのは動きにくいです。

歩きにくい… 草履ではなくなぜ『ぽっくり』なのでしょう。

ち、小さくなんてないですよ …… たぶん……


浅葱色に鴛鴦… 初めての着物です。

お稽古の時は、桃色か橙色の明るい色が多いのですが……

これは、四つ身じゃないですよね? 重いんです。
いつもより……

半襟も白に桜?でしょうか…

いつもより、かなり大人っぽいです。

足元だけが子供…  なぜでしょう… ち、小さいから?

そんなことない… ですよね?



なぜ…  お外に出かけるのですかー。誰か説明してください。







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