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第12話
もう一度
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第12話 もう一度
「山田はどんだけ女の子と拗れるんだよ」
部活の休みの時間に神崎が近寄ってきた。
「うっせーよ。」
「まぁ話は聞いたけどさ。山田はどう考えてんの?」
「どうって…。」
「やり直したいの?その気があるんならまた本気でぶつかってみなよ。」
2人が話しているとそこへ広瀬が来る。
「なんの話をしているの?あ、そういえば山田君、修学旅行の帰り大変だったみたいだね…大丈夫だった?その、天見さんの家で泊まったって聞いたけど…。」
大樹は動揺しながら答える。
「広瀬さんは優しいよね。大丈夫だったよ。何もなかったから。」
「な、何もなかったって。私はそこまで聞いてないけど。もうホント変わらないね。」
その一言で大樹の顔色が変わる。
「そうだよ。何も変わらないんだよ。何があっても。変わってたまるものか。」
そう言って大樹はその場を去った。
部活が終わり、天見が帰ろうとすると大樹がやってきた。
「一緒に帰ろう。」
「やだ。」
そう言って天見は早足で帰る。
「待ってよ。なんでそんなに俺を避けるんだよ。」
「こんなところで大声出さないでよ。場所変えよう。」
2人は高校の近くにある公園で座って話をした。
「私ね、もうあんな思いしたくないの。」
「あんな思いって…?」
「私は恋愛するとその人に夢中になって自分を隠してしまうの。そうすると疲れるし自分が自分じゃないようで嫌なの。しかも付き合うと相手を悲しませることにもなるじゃん。てか、なったじゃん。もう私は好きな人を悲しませるようなことはしたくないの。」
「涼子ちゃん…。」
「だからもう私の前から…」
その瞬間大樹は自分でも何をしたかは覚えていないがただ一つ覚えていることがあるとすれば天見の唇が柔らかかったと言うことだけだ。
「なにすんのよ!最低」
そう言うと天見は大樹の頬をビンタした。それでも大樹は言う。
「俺は涼子ちゃんが好きだ。いつでもいつまでも好き。前の優しい涼子ちゃんも好きだったけど今でも好き。だからそのままで居てよ。偽りのない涼子ちゃんを今後も俺に見せてよ。」
「こんな私のどこが良いのよ。バカじゃないの。」
そう言うと天見は公園から帰ろうとしていた。大樹は自分がキスしてしまったことの反省と後悔で今後、天見との関係が崩れて修復不可になってしまったことが頭によぎり動くことができなかった。すると天見が足を止め大樹の前に戻ってきた。
「パチン」
2度目の頬のビンタに大樹はまたしても固まった。
「追いかけてきなさいよ。今のはどう考えても追いかけて来るところでしょ。」
大樹は「えっ」と言うことしか出来ない。
「私はこうやって傲慢でわがままで寂しがり屋だよ?めんどくさいよ?それでも良いの?絶対大変だよ?後悔しても知らないからね?」
そういう天見に対し大樹は近づき
「付き合って下さい。」
そう言う大樹に対し天見は涙を流した。
「よろしくお願いします。」
2度目の交際が始まった。
「はっ!?涼子ちゃんとまた付き合うことになった?どういう風の吹き回しだよ」
家に帰って来て拓郎君に話すと驚かれた。それもそのはずだろう。するとカーテンの奥から神崎が出てきて
「どう言うこと?その話本当なの?」
「うわっ。ビックリした。てか、なんでいるの?俺が帰って来るまで2人で何してたの!?」
神崎は顔を赤くしながら話を逸らす。
「そ、そんなことどうでもいいでしょ。でもそうなんだー。また2人付き合うことになったんだ。今度はその繋いだ手を離しちゃダメだよ。あ、でも広瀬さん…」
「分かってる。明日ちゃんと話する。」
そう大樹が言った。
次の日、部活の休憩時間に大樹が広瀬を呼ぶ。その姿は涼子も見えていた。
「あのね、広瀬さん。俺、天見と付き合うことになったんだ。色々あったんだけど付き合ってた人が天見で…」
そう言うと広瀬は少し沈黙し口を開いた。
「おめでとう。長年の恋が叶ってよかったね。応援してるよ。」
そう言って広瀬は涙を拭いながら去って行った。
「広瀬さんを悲しませちゃったよね。」
後ろから涼子が来て言った。
「でもこれで言い。言わないよりは。」
大樹は言いきった。
次の日から広瀬は部活に来なくなり2ヶ月後、広瀬が部活を辞めることになった。
「広瀬さん」
そう大樹が広瀬を呼ぶ。
「ごめんね。急に部活やめて。」
「俺のせいだよね。」
「違うよ。急に部活を辞めたことは山田君にも部活のみんなにも謝らないといけないんだけど私は山田君に感謝してるんだよ。」
「え?」
「私ね、実は昔から女優になりたかったの。そしてオーディション受けたら合格したの。でも部活と女優の両立は難しいから部活は辞めさせてもらった。山田君にはお礼を言わないといけないね。天見さんを思う気持ち、そしてそれを叶えたことに凄く勇気をもらったんだ。想い続けると想いは叶うって。だから私も女優になりたいっていう夢を叶えるために頑張るよ。そして山田君のことも…。」
「ん?最後なんて言った?」
「いや!山田君もこれから頑張ってね!」
「こちらこそ!広瀬さんが有名になったら昔この人と付き合ってたんだよ。って周りに自慢するから有名になってね」
「なにそれ」
広瀬は笑いながら大樹と部活でのお別れ、そして2度と付き合うことはないと決意を固める形となった。
学校帰り、涼子が部室前で待っていた。
「広瀬さんと話できた?」
「できたよ。最後まですごく優しかった。」
涼子はその言い方に疑問を持ちながらも
「話ができたんなら良いよ。」
と言い一緒に帰った。
PS ちょっと息抜き 『12話』
第3章 作者寿太郎のリアルな話Part 2
第1話 寒波
2023.1.25。10年に1度と言われる寒波がやって参りましたね。私の今住んでる宮城県は最高気温は-5℃で最低気温は-10℃くらいまでいってたらしいです。私は仕事が休みだったので仙台駅へ行きアーケードなどを歩いたのですが日を間違えた感がありました(笑)皆さんはどうお過ごしでしたか?しばらくこの寒波が続きそうなので転んだり雪かきなどで怪我を防止して体調管理にも気を付けてくださいね!
「山田はどんだけ女の子と拗れるんだよ」
部活の休みの時間に神崎が近寄ってきた。
「うっせーよ。」
「まぁ話は聞いたけどさ。山田はどう考えてんの?」
「どうって…。」
「やり直したいの?その気があるんならまた本気でぶつかってみなよ。」
2人が話しているとそこへ広瀬が来る。
「なんの話をしているの?あ、そういえば山田君、修学旅行の帰り大変だったみたいだね…大丈夫だった?その、天見さんの家で泊まったって聞いたけど…。」
大樹は動揺しながら答える。
「広瀬さんは優しいよね。大丈夫だったよ。何もなかったから。」
「な、何もなかったって。私はそこまで聞いてないけど。もうホント変わらないね。」
その一言で大樹の顔色が変わる。
「そうだよ。何も変わらないんだよ。何があっても。変わってたまるものか。」
そう言って大樹はその場を去った。
部活が終わり、天見が帰ろうとすると大樹がやってきた。
「一緒に帰ろう。」
「やだ。」
そう言って天見は早足で帰る。
「待ってよ。なんでそんなに俺を避けるんだよ。」
「こんなところで大声出さないでよ。場所変えよう。」
2人は高校の近くにある公園で座って話をした。
「私ね、もうあんな思いしたくないの。」
「あんな思いって…?」
「私は恋愛するとその人に夢中になって自分を隠してしまうの。そうすると疲れるし自分が自分じゃないようで嫌なの。しかも付き合うと相手を悲しませることにもなるじゃん。てか、なったじゃん。もう私は好きな人を悲しませるようなことはしたくないの。」
「涼子ちゃん…。」
「だからもう私の前から…」
その瞬間大樹は自分でも何をしたかは覚えていないがただ一つ覚えていることがあるとすれば天見の唇が柔らかかったと言うことだけだ。
「なにすんのよ!最低」
そう言うと天見は大樹の頬をビンタした。それでも大樹は言う。
「俺は涼子ちゃんが好きだ。いつでもいつまでも好き。前の優しい涼子ちゃんも好きだったけど今でも好き。だからそのままで居てよ。偽りのない涼子ちゃんを今後も俺に見せてよ。」
「こんな私のどこが良いのよ。バカじゃないの。」
そう言うと天見は公園から帰ろうとしていた。大樹は自分がキスしてしまったことの反省と後悔で今後、天見との関係が崩れて修復不可になってしまったことが頭によぎり動くことができなかった。すると天見が足を止め大樹の前に戻ってきた。
「パチン」
2度目の頬のビンタに大樹はまたしても固まった。
「追いかけてきなさいよ。今のはどう考えても追いかけて来るところでしょ。」
大樹は「えっ」と言うことしか出来ない。
「私はこうやって傲慢でわがままで寂しがり屋だよ?めんどくさいよ?それでも良いの?絶対大変だよ?後悔しても知らないからね?」
そういう天見に対し大樹は近づき
「付き合って下さい。」
そう言う大樹に対し天見は涙を流した。
「よろしくお願いします。」
2度目の交際が始まった。
「はっ!?涼子ちゃんとまた付き合うことになった?どういう風の吹き回しだよ」
家に帰って来て拓郎君に話すと驚かれた。それもそのはずだろう。するとカーテンの奥から神崎が出てきて
「どう言うこと?その話本当なの?」
「うわっ。ビックリした。てか、なんでいるの?俺が帰って来るまで2人で何してたの!?」
神崎は顔を赤くしながら話を逸らす。
「そ、そんなことどうでもいいでしょ。でもそうなんだー。また2人付き合うことになったんだ。今度はその繋いだ手を離しちゃダメだよ。あ、でも広瀬さん…」
「分かってる。明日ちゃんと話する。」
そう大樹が言った。
次の日、部活の休憩時間に大樹が広瀬を呼ぶ。その姿は涼子も見えていた。
「あのね、広瀬さん。俺、天見と付き合うことになったんだ。色々あったんだけど付き合ってた人が天見で…」
そう言うと広瀬は少し沈黙し口を開いた。
「おめでとう。長年の恋が叶ってよかったね。応援してるよ。」
そう言って広瀬は涙を拭いながら去って行った。
「広瀬さんを悲しませちゃったよね。」
後ろから涼子が来て言った。
「でもこれで言い。言わないよりは。」
大樹は言いきった。
次の日から広瀬は部活に来なくなり2ヶ月後、広瀬が部活を辞めることになった。
「広瀬さん」
そう大樹が広瀬を呼ぶ。
「ごめんね。急に部活やめて。」
「俺のせいだよね。」
「違うよ。急に部活を辞めたことは山田君にも部活のみんなにも謝らないといけないんだけど私は山田君に感謝してるんだよ。」
「え?」
「私ね、実は昔から女優になりたかったの。そしてオーディション受けたら合格したの。でも部活と女優の両立は難しいから部活は辞めさせてもらった。山田君にはお礼を言わないといけないね。天見さんを思う気持ち、そしてそれを叶えたことに凄く勇気をもらったんだ。想い続けると想いは叶うって。だから私も女優になりたいっていう夢を叶えるために頑張るよ。そして山田君のことも…。」
「ん?最後なんて言った?」
「いや!山田君もこれから頑張ってね!」
「こちらこそ!広瀬さんが有名になったら昔この人と付き合ってたんだよ。って周りに自慢するから有名になってね」
「なにそれ」
広瀬は笑いながら大樹と部活でのお別れ、そして2度と付き合うことはないと決意を固める形となった。
学校帰り、涼子が部室前で待っていた。
「広瀬さんと話できた?」
「できたよ。最後まですごく優しかった。」
涼子はその言い方に疑問を持ちながらも
「話ができたんなら良いよ。」
と言い一緒に帰った。
PS ちょっと息抜き 『12話』
第3章 作者寿太郎のリアルな話Part 2
第1話 寒波
2023.1.25。10年に1度と言われる寒波がやって参りましたね。私の今住んでる宮城県は最高気温は-5℃で最低気温は-10℃くらいまでいってたらしいです。私は仕事が休みだったので仙台駅へ行きアーケードなどを歩いたのですが日を間違えた感がありました(笑)皆さんはどうお過ごしでしたか?しばらくこの寒波が続きそうなので転んだり雪かきなどで怪我を防止して体調管理にも気を付けてくださいね!
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