1 / 1
ワライソウ
しおりを挟む
今日は小学校の終業式の日である。僕はいつもより早く学校が終わるのでいつもより学校に行くのが面倒ではなくなる事が嬉しかった。そんなこんなで小学校の終業式が始まった。誰かのひそひそ声や校長先生の長い話、夏の暑さで蒸し暑い体育館での我慢大会は辛い。そして終業式が終わり教室に戻った。「なぁ?今日遊べる?」学校の友達が僕に聞いてきた「うん遊べるけど何で遊ぶ?」「また探検しようか、ほらこの前はあっちの山に行ったでしょ?だから今度はこっちの山に探検しようよ」「うん!いいね!」学校が終わり僕達は家から少し離れた山道へ行った。「いやぁー涼しいね」「本当、天然クーラーだよね」2人はどんどん山奥の道へ入り込む。「あ!あれ見てよ」そこには丸い筒から水が流れている場所があった。近くには看板があり「ご自由にお飲み下さい」と書いてあった。「せっかくだし飲もうか」「そうだよね、熱中症は怖いし」そう言って僕からその水を飲んだすると突然目の前が真っ暗になった。そして目を開けると遊園地にいた。「あれ?ここどこ?」見覚えは無い場所だった。近くには父親と母親がいた。「何言ってるの、遊園地に行きたいってあなたが言ったから来たのよ」「遊園地?」「どうした?楽しみすぎて記憶が飛んだか?」と父親が笑いながら冗談を言う。さっきまでの山の中とは違い人の声がうるさい場所だった。僕も何だか分からなくなりだんだん遊園地気分になってきた。メリーゴーランドやジェットコースターなどたくさん楽しい乗り物を乗った。「ちょっとトイレに行ってくるね」僕はトイレに行き個室のドアを開けた。すると目の前に見えたのはトイレの便器ではなく学校の廊下だった。後ろを振り返ると教室と廊下の境目にある壁だった。教室の扉が開き先生が顔を出した「おーい、もう授業だぞ」僕は言われるがまま机に座った。算数の授業でちゃんとランドセルの中には教科書が入っていた。「おーい、よそ見しないで黒板を見てね」と声が聞こえたので前を見た瞬間教室には誰もいなかった。外は夜に変わっていた。廊下は真っ暗で非常口の緑のランプだけが光っていた。「あれ?先生は」急いでランドセルを取りに行き、一階へ降りて玄関の鍵を開けようとしたが固くて開かなかった。「どうしよう」教員室も誰もいなく、途方に暮れていたその時だった。「あれ?ケンちゃん?」誰かが自分の名前を呼んだので振り返ると同級生で同じクラスの女子生徒がいた。「どうしたの?」「学校から出れないんだよ」と言うと「私も出れないの」と言ったので僕は少し安心した。二人で学校中の窓や教員様の玄関を調べたがどこも鍵は開かなかった。「ねぇ?なんかカビ臭くない?」「うん、確かに」よく見ると僕が見たことある小学校よりずいぶんボロかった。「ねぇ」女子生徒が言った。「私は助かるの?」と泣きそうな声で言った。「ん?」最初は何を言っているか分からなかった。「私はいつになったら解放されるの?辛いよ、痛いよ」と言った瞬間に学校が燃え始めた。僕は女子生徒の手を引き逃げようとしたが何故か触れられ無かった。その後目の前は真っ白になり女子生徒の声がした。「お願い助けて」目を覚ますと病院のベッドの上だった。さっきの学校や遊園地に比べて意識がはっきりしている。友達もいた。「ケンちゃん大丈夫?本当にビックリしたんだから」「僕に何かあったの?」すると母親が言った「あなた水を飲んだ瞬間に倒れて3日も目が覚めなかったのよ、本当に心配したのよ」「ケンちゃんが山の水を飲んだら倒れたから俺ビックリしたよ」その時は自分が何故倒れて3日も寝ていたのか分からなかった。しかし後になって理由は分かった。あの山で飲み水として流れていた水の中にワライソウという植物の成分が入っていたそうだ。ワライソウは赤くて丸い実がなるのが特徴の植物でナンテンというメギ科の植物に形がそっくりである。しかし習性はまったく異なりワライソウは直径30cmの円を描くように次々と生えてきて円にやがて穴が開き雨水が貯まるのを待つ。すると直径30cmの水溜まりが出来て根っこから特殊な物質を出す。その特殊な物質を飲んでしまった動物や人は短くて3日、長くて1週間寝てしまうという。実際に寝ている間は長い夢を見ることが多く、「死者の国へ行った」「タイムスリップを経験した」という人まで様々である。またワライソウが何故こんな習性を持っているかは謎である。その後あの山にある水飲み場は撤去され、夢に出てきた女子生徒はクラスで酷いイジメを受けていたらしい。夢と女子生徒の関係はよく分からないが僕は赤い実ができる植物は苦手になった。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
婚約破棄?一体何のお話ですか?
リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。
エルバルド学園卒業記念パーティー。
それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる…
※エブリスタさんでも投稿しています
それは思い出せない思い出
あんど もあ
ファンタジー
俺には、食べた事の無いケーキの記憶がある。
丸くて白くて赤いのが載ってて、切ると三角になる、甘いケーキ。自分であのケーキを作れるようになろうとケーキ屋で働くことにした俺は、無意識に周りの人を幸せにしていく。
ちゃんと忠告をしましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。
アゼット様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?
※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。
魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
卒業パーティーのその後は
あんど もあ
ファンタジー
乙女ゲームの世界で、ヒロインのサンディに転生してくる人たちをいじめて幸せなエンディングへと導いてきた悪役令嬢のアルテミス。 だが、今回転生してきたサンディには匙を投げた。わがままで身勝手で享楽的、そんな人に私にいじめられる資格は無い。
そんなアルテミスだが、卒業パーティで断罪シーンがやってきて…。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
魅了の対価
しがついつか
ファンタジー
家庭事情により給金の高い職場を求めて転職したリンリーは、縁あってブラウンロード伯爵家の使用人になった。
彼女は伯爵家の第二子アッシュ・ブラウンロードの侍女を任された。
ブラウンロード伯爵家では、なぜか一家のみならず屋敷で働く使用人達のすべてがアッシュのことを嫌悪していた。
アッシュと顔を合わせてすぐにリンリーも「あ、私コイツ嫌いだわ」と感じたのだが、上級使用人を目指す彼女は私情を挟まずに職務に専念することにした。
淡々と世話をしてくれるリンリーに、アッシュは次第に心を開いていった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる