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生方蒼甫の譚
合意形成
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確かに、熟練度のLvは100を軽く超えていたから、早く気づけと言われればそうなんだが……
早く帰りたい気持ちが事実誤認を誘発していたか。
「レベルはよくわかりませんけど、パラメータはもっと桁数ありますね。以前お会いした方は、とんでもないパラメータでしたから。魔力10億超えてましたね。」
誰に充てたわけでもない俺のつぶやきをサトシは拾ってくれていた。
いや、その返答は欲しくなかった。
10億?
何言ってんの?
「魔王でしょ?それ」
「その人が魔王討伐に向かうらしいです。」
いや、もう一度言うよ。何言ってんの?
アイを見ると、アイもうなづいている。
いや、お前ステータス見れるの?
「またぁ。10億って、いくらなんでも吹かしすぎでしょ?」
「まあ、魔力だけ飛び抜けてましたけど、そのほかのパラメータも1000を軽く超えてましたよ。」
マジっすか?
おれ、研究室のPCでパラメータ弄ってた時、独り言言いながら
『やりすぎだよな。これ。やー。やっちまったなぁ』
なんて言いながら、511でそろえてたけど。999にしないのが最後の良心だとか考えてましたけど……
なに?
弱小だったってこと?
勘弁してよ。
チーターばっかじゃん。なんだよこのゲーム。そりゃ過疎るわ。
まあ、過疎ったのは別の理由だけど……
!?
いや、いま、思いっきりスルーしてたけど、
パラメータが異常なのがいるっつってたな?
「そのパラメータが異常だった奴は一人か?」
「いえ、まあ、一人だけ飛び抜けてましたけど、ほかにも強キャラそろってましたよ。みんなSランク冒険者です。」
どういうことだ、
NPCでも、ある程度の強キャラを準備するのはわかる。
でも、そんなバランスブレーカーみたいなキャラを置くか?
ほんとにラスボスか?
でも、それが複数いるって……
どういう……っておい!!!
足元に魔方陣が広がる。
またなのか。また賽の河原に向かうのか……
「っとまてぇい!!」
魔方陣が広がりきる前にサトシの肩をつかみ魔法を中断させる。
「なんですか!?一体」
なんですかじゃないよ。むしろこっちが言いたいわ。
「おまえ、好き勝手にレベル上げしてるけどこっちの都合も考えろよ!まずは空気読め」
「へ?ノリノリでついてきてたじゃないですか?」
「どこをどう見たらそうなる。アイなんて目が腐りかけの魚みたいになってたぞ!」
「腐ってない!」
「反論するのはそこじゃない!」
なんでそこに引っかかるんだよ。
「でも、もうレベル上げはしたくない。」
おお、アイもはっきり言うじゃないか。
「ホントに?楽しくないの?」
「楽しいわけないだろ、後ろついて走ってるだけだぞ。」
しばらくサトシは考え込む。ほんとにみんなが楽しんでると思ってたのか?データ欠損してんのかな。
「そうですか。走るペース落としましょうか?」
だめだ、こいつ。
「いや、みんなで持久走してるわけじゃねぇんだよ。そこの体力は全く問題ないよ。精神的なもんだ。いつまでも終わらないこの作業に辟易してるんだよ。」
サトシは不思議なものでも見るような眼で俺とアイを交互に見ている。こいつオンゲしたことないのかなぁ。まあ、俺もほとんど経験ないけどさ。
もうちょっと協調性が無いとキツかろ?周りのやつが。
「と言う訳で、ちょっと落ち着け、まずは状況の把握も必要だ。とりあえず、お前の考えを知りたい。いつまでこのレベル上げが必要だと思ってる?」
「カンストするまでですかね。」
え~っと。どう突っ込めばいい?
「なに、カンストしないとマンティコアに勝てないと踏んでるの?」
「いえ、マンティコアはいけるんじゃないですかね。入り口の3匹楽勝ですし。」
「なら、何で……」
「だって、ボスキャラを瞬殺したいじゃないですか。ロマンでしょ?」
「ロマン……って言葉の意味を、一度お前とすり合わせる必要がありそうだな。」
「ロマンは知らないけど、アタシは帰りたい。」
ぶれないねぇ。アイ。
「一度整理するが、お前的には、先に進んでも大丈夫って判断なんだな。ステータス的には。」
「あっはい。」
頼んない返事だな。ちゃんと意味わかってる?
「じゃあいい加減進もうぜ、お前ヨウトをこれ以上ほったらかすつもりか?」
「まあ、ほったらかしたいわけではないですけど、ティックたちがうまくやってくれるかなと」
「それはそうだろうけどさ。」
ただNPCだぞ。とも言えないしなぁ。
「ある意味、あの町はお前の町だからな。状況は把握しといたほうがいいと思うぜ。」
サトシはしばらく考え込んで、仕方なさそうに口を開く。
「そうですね。いつまでも留守にするわけにもいきませんもんね。こんなお得な狩場、もったいないと思ったんですが……」
そう言う事か。マンティコア倒すとこの狩場が消えると思ったから、使えるうちに使いたかったんだな。
ようやく意図が分かったよ。確かに一理ある……のか?
「いったん先に進もうぜ。狩場ならほかにも出てくるさ。」
と、無責任なことを言ってみる。
「そうですね。もっと効率良いところ出てくるかもしれませんもんね。」
効率ね。まあ、いいか。
「じゃあ、同意が得られたところで、進むか。」
早く帰りたい気持ちが事実誤認を誘発していたか。
「レベルはよくわかりませんけど、パラメータはもっと桁数ありますね。以前お会いした方は、とんでもないパラメータでしたから。魔力10億超えてましたね。」
誰に充てたわけでもない俺のつぶやきをサトシは拾ってくれていた。
いや、その返答は欲しくなかった。
10億?
何言ってんの?
「魔王でしょ?それ」
「その人が魔王討伐に向かうらしいです。」
いや、もう一度言うよ。何言ってんの?
アイを見ると、アイもうなづいている。
いや、お前ステータス見れるの?
「またぁ。10億って、いくらなんでも吹かしすぎでしょ?」
「まあ、魔力だけ飛び抜けてましたけど、そのほかのパラメータも1000を軽く超えてましたよ。」
マジっすか?
おれ、研究室のPCでパラメータ弄ってた時、独り言言いながら
『やりすぎだよな。これ。やー。やっちまったなぁ』
なんて言いながら、511でそろえてたけど。999にしないのが最後の良心だとか考えてましたけど……
なに?
弱小だったってこと?
勘弁してよ。
チーターばっかじゃん。なんだよこのゲーム。そりゃ過疎るわ。
まあ、過疎ったのは別の理由だけど……
!?
いや、いま、思いっきりスルーしてたけど、
パラメータが異常なのがいるっつってたな?
「そのパラメータが異常だった奴は一人か?」
「いえ、まあ、一人だけ飛び抜けてましたけど、ほかにも強キャラそろってましたよ。みんなSランク冒険者です。」
どういうことだ、
NPCでも、ある程度の強キャラを準備するのはわかる。
でも、そんなバランスブレーカーみたいなキャラを置くか?
ほんとにラスボスか?
でも、それが複数いるって……
どういう……っておい!!!
足元に魔方陣が広がる。
またなのか。また賽の河原に向かうのか……
「っとまてぇい!!」
魔方陣が広がりきる前にサトシの肩をつかみ魔法を中断させる。
「なんですか!?一体」
なんですかじゃないよ。むしろこっちが言いたいわ。
「おまえ、好き勝手にレベル上げしてるけどこっちの都合も考えろよ!まずは空気読め」
「へ?ノリノリでついてきてたじゃないですか?」
「どこをどう見たらそうなる。アイなんて目が腐りかけの魚みたいになってたぞ!」
「腐ってない!」
「反論するのはそこじゃない!」
なんでそこに引っかかるんだよ。
「でも、もうレベル上げはしたくない。」
おお、アイもはっきり言うじゃないか。
「ホントに?楽しくないの?」
「楽しいわけないだろ、後ろついて走ってるだけだぞ。」
しばらくサトシは考え込む。ほんとにみんなが楽しんでると思ってたのか?データ欠損してんのかな。
「そうですか。走るペース落としましょうか?」
だめだ、こいつ。
「いや、みんなで持久走してるわけじゃねぇんだよ。そこの体力は全く問題ないよ。精神的なもんだ。いつまでも終わらないこの作業に辟易してるんだよ。」
サトシは不思議なものでも見るような眼で俺とアイを交互に見ている。こいつオンゲしたことないのかなぁ。まあ、俺もほとんど経験ないけどさ。
もうちょっと協調性が無いとキツかろ?周りのやつが。
「と言う訳で、ちょっと落ち着け、まずは状況の把握も必要だ。とりあえず、お前の考えを知りたい。いつまでこのレベル上げが必要だと思ってる?」
「カンストするまでですかね。」
え~っと。どう突っ込めばいい?
「なに、カンストしないとマンティコアに勝てないと踏んでるの?」
「いえ、マンティコアはいけるんじゃないですかね。入り口の3匹楽勝ですし。」
「なら、何で……」
「だって、ボスキャラを瞬殺したいじゃないですか。ロマンでしょ?」
「ロマン……って言葉の意味を、一度お前とすり合わせる必要がありそうだな。」
「ロマンは知らないけど、アタシは帰りたい。」
ぶれないねぇ。アイ。
「一度整理するが、お前的には、先に進んでも大丈夫って判断なんだな。ステータス的には。」
「あっはい。」
頼んない返事だな。ちゃんと意味わかってる?
「じゃあいい加減進もうぜ、お前ヨウトをこれ以上ほったらかすつもりか?」
「まあ、ほったらかしたいわけではないですけど、ティックたちがうまくやってくれるかなと」
「それはそうだろうけどさ。」
ただNPCだぞ。とも言えないしなぁ。
「ある意味、あの町はお前の町だからな。状況は把握しといたほうがいいと思うぜ。」
サトシはしばらく考え込んで、仕方なさそうに口を開く。
「そうですね。いつまでも留守にするわけにもいきませんもんね。こんなお得な狩場、もったいないと思ったんですが……」
そう言う事か。マンティコア倒すとこの狩場が消えると思ったから、使えるうちに使いたかったんだな。
ようやく意図が分かったよ。確かに一理ある……のか?
「いったん先に進もうぜ。狩場ならほかにも出てくるさ。」
と、無責任なことを言ってみる。
「そうですね。もっと効率良いところ出てくるかもしれませんもんね。」
効率ね。まあ、いいか。
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