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生方蒼甫の譚
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「気が付きましたか?」
目の前には心配そうなサトシの顔があった。
アイの顔は……怪訝なというのが正しいだろうな。
サトシたちの顔の向こうには壮大な絵画が見えた。
天井絵か。いまあおむけで寝てるんだな。
「俺は、いったい……」
怠さの残る上体を起こし、周囲の様子を確認する。
最後にマンティコアのヘルフレアを喰らった覚えだけはあった。
大広間の作りこまれた調度品のいたるところが炭化している。
よく助かったもんだ。
「ルークスさん、スキルが無効化されてますね。」
そうだった。慌ててステータスを確認する。
『ルークス スキル:絶対防御「極」 (無効)』
無効……スキルもグレーアウトしてるな。
操作することもできない。これは厄介だな。一度帰るしかないか。
「お前たち大丈夫だったのか?」
「アイの話だと、ヌーが助けてくれたみたいです。」
「ヌー?
ああ、あのジジイにもらった毛むくじゃらか。
で、そのヌーは何処に?」
「それが、いなくなったらしいです。輝きながらマンティコアに飛び掛かって、その後奴と一緒に消えたって。」
「そうか。相打ちか。」
「ヌーは死んでない。生きてるもん。」
「あー。はいはい。そうだな。生きてるよ。」
アイすげー睨むなぁ。そんなに気に食わなかったか?
ってか、ほんとにAI?サトシよりよっぽど人間ぽいんだけど。大丈夫かな。俺の研究。
「そうなると、マンティコアも生きてるってことになるのか?」
「倒した経験値ももらえてないみたいですから、倒してないんでしょうね。」
まだあいつがいるってのは厄介だな。そう思うとサトシのレベル上げマラソンも強ち間違いじゃなかったんだな。
なんて事をサトシに伝えると、嬉々としてマラソン始めそうだけど……
「サトシはどう思う。これから」
「そうですね。レベルを上げるしかないんじゃ……」
「ぶれねぇな。」
アイの様子を確認するが、心ここにあらずといった感じだ。
ヌーロスて奴ですか?
そんなに世話してたっけ?
俺は立ち上がり、体についた埃を払って部屋の様子を確認する。
入り口以外に、もう一つ扉があるな。小さめだが。
「あの扉は、なんだろうな。」
「気になりますね。」
「ちょっと行ってみるか。」
その扉は、入ってきたものより小ぶりなものだった。
開けてみると、薄暗い廊下につながっていた。
「行ってみるか?」
「そうですね。」
廊下を進むにつれて、周囲に漂う空気の感じが変わってきた。
湿った、かび臭い……
あれ、これ。どっかで感じたことあるな。
サトシも同じ感想だったらしい。
「これ、もしかして」
予感は的中する。
廊下の先には下に向かう階段があり、下りてゆくと見慣れた岩肌むき出しの廊下に出た。
「落とし穴からつながってたのか。」
「そんな感じですね。結局一本道ってことですか。」
まあ、よく考えりゃ、神をまつる神殿なんだし、人が生活するわけでもないからな。
そんな凝った作りにする必要ないんだろうな。せいぜい盗掘する不届き物を返り討ちにできれば問題ないんだろう。
「さて、どうする。このまま進むか、マンティコアの部屋に戻るか。」
サトシはしばらく悩んでいたが、意を決したように口を開く。
「一度ヨウトに帰りますか。あの鉱山の3匹が復活してればレベル上げマラソンやってみたいと思います。」
ちょっと意識が遠くなったが、まあ、マンティコアの一件があるからな。
それに、俺のスキル無効が解除できないと厳しいしな。「誘惑」一発で全滅だろ。
あ、アイがいるか。
いや、でもなぁ。アイのやつ、しらふで俺を攻撃してきたしなぁ、頼りになるんだろうか。
「なあ、俺別行動でもいいか?」
「どういうことです?」
「パーティー組んでるから、俺も経験値は入るよな。実際俺がいてもホントにマラソンしてるだけだしな。
できればその間に、このスキルの事やらいろいろと調べたいことが有ってサ。」
「ん~。そうですね。とりあえずあいつら3匹なら俺一人で何とかなると思いますし、アイがティンクルバリアを張ってくれればいけるんじゃないかと」
アイすらいらないと思うが……
「アイ。お前どうする?」
「サトシと一緒にいる。」
おう、さすが観察用AI、本分を忘れてないな。
あれ、すげー俺を睨むね。本心は帰りたいってか?
『てめーだけ帰りやがって』と顔に書いてあるようだ。すごいな。こんなに人間的な表情ができるとは。
だが、気づかないふりをする。
「じゃあ、よろしくな。」
一段と睨まれたが知らんな。まあがんばれ。お前の仕事だ。
「お前らはヨウトに一度飛んで、入り口に戻るのか?」
「そうですね。そうしようと思います。ルークスさんはどうします?」
「俺はエンドゥの町で聞き込みしようと思う。できれば領主にも会いたいと思ってんだよ。」
「わかりました。お気をつけて。」
「ああ、お前らもな。油断するなよ。」
サトシたちは転移の魔方陣に吸い込まれるように消えていった。
さて、俺はエンドゥに飛ぼうかな。
目の前には心配そうなサトシの顔があった。
アイの顔は……怪訝なというのが正しいだろうな。
サトシたちの顔の向こうには壮大な絵画が見えた。
天井絵か。いまあおむけで寝てるんだな。
「俺は、いったい……」
怠さの残る上体を起こし、周囲の様子を確認する。
最後にマンティコアのヘルフレアを喰らった覚えだけはあった。
大広間の作りこまれた調度品のいたるところが炭化している。
よく助かったもんだ。
「ルークスさん、スキルが無効化されてますね。」
そうだった。慌ててステータスを確認する。
『ルークス スキル:絶対防御「極」 (無効)』
無効……スキルもグレーアウトしてるな。
操作することもできない。これは厄介だな。一度帰るしかないか。
「お前たち大丈夫だったのか?」
「アイの話だと、ヌーが助けてくれたみたいです。」
「ヌー?
ああ、あのジジイにもらった毛むくじゃらか。
で、そのヌーは何処に?」
「それが、いなくなったらしいです。輝きながらマンティコアに飛び掛かって、その後奴と一緒に消えたって。」
「そうか。相打ちか。」
「ヌーは死んでない。生きてるもん。」
「あー。はいはい。そうだな。生きてるよ。」
アイすげー睨むなぁ。そんなに気に食わなかったか?
ってか、ほんとにAI?サトシよりよっぽど人間ぽいんだけど。大丈夫かな。俺の研究。
「そうなると、マンティコアも生きてるってことになるのか?」
「倒した経験値ももらえてないみたいですから、倒してないんでしょうね。」
まだあいつがいるってのは厄介だな。そう思うとサトシのレベル上げマラソンも強ち間違いじゃなかったんだな。
なんて事をサトシに伝えると、嬉々としてマラソン始めそうだけど……
「サトシはどう思う。これから」
「そうですね。レベルを上げるしかないんじゃ……」
「ぶれねぇな。」
アイの様子を確認するが、心ここにあらずといった感じだ。
ヌーロスて奴ですか?
そんなに世話してたっけ?
俺は立ち上がり、体についた埃を払って部屋の様子を確認する。
入り口以外に、もう一つ扉があるな。小さめだが。
「あの扉は、なんだろうな。」
「気になりますね。」
「ちょっと行ってみるか。」
その扉は、入ってきたものより小ぶりなものだった。
開けてみると、薄暗い廊下につながっていた。
「行ってみるか?」
「そうですね。」
廊下を進むにつれて、周囲に漂う空気の感じが変わってきた。
湿った、かび臭い……
あれ、これ。どっかで感じたことあるな。
サトシも同じ感想だったらしい。
「これ、もしかして」
予感は的中する。
廊下の先には下に向かう階段があり、下りてゆくと見慣れた岩肌むき出しの廊下に出た。
「落とし穴からつながってたのか。」
「そんな感じですね。結局一本道ってことですか。」
まあ、よく考えりゃ、神をまつる神殿なんだし、人が生活するわけでもないからな。
そんな凝った作りにする必要ないんだろうな。せいぜい盗掘する不届き物を返り討ちにできれば問題ないんだろう。
「さて、どうする。このまま進むか、マンティコアの部屋に戻るか。」
サトシはしばらく悩んでいたが、意を決したように口を開く。
「一度ヨウトに帰りますか。あの鉱山の3匹が復活してればレベル上げマラソンやってみたいと思います。」
ちょっと意識が遠くなったが、まあ、マンティコアの一件があるからな。
それに、俺のスキル無効が解除できないと厳しいしな。「誘惑」一発で全滅だろ。
あ、アイがいるか。
いや、でもなぁ。アイのやつ、しらふで俺を攻撃してきたしなぁ、頼りになるんだろうか。
「なあ、俺別行動でもいいか?」
「どういうことです?」
「パーティー組んでるから、俺も経験値は入るよな。実際俺がいてもホントにマラソンしてるだけだしな。
できればその間に、このスキルの事やらいろいろと調べたいことが有ってサ。」
「ん~。そうですね。とりあえずあいつら3匹なら俺一人で何とかなると思いますし、アイがティンクルバリアを張ってくれればいけるんじゃないかと」
アイすらいらないと思うが……
「アイ。お前どうする?」
「サトシと一緒にいる。」
おう、さすが観察用AI、本分を忘れてないな。
あれ、すげー俺を睨むね。本心は帰りたいってか?
『てめーだけ帰りやがって』と顔に書いてあるようだ。すごいな。こんなに人間的な表情ができるとは。
だが、気づかないふりをする。
「じゃあ、よろしくな。」
一段と睨まれたが知らんな。まあがんばれ。お前の仕事だ。
「お前らはヨウトに一度飛んで、入り口に戻るのか?」
「そうですね。そうしようと思います。ルークスさんはどうします?」
「俺はエンドゥの町で聞き込みしようと思う。できれば領主にも会いたいと思ってんだよ。」
「わかりました。お気をつけて。」
「ああ、お前らもな。油断するなよ。」
サトシたちは転移の魔方陣に吸い込まれるように消えていった。
さて、俺はエンドゥに飛ぼうかな。
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