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生方蒼甫の譚
忙殺
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忙しかった。
まあ、自業自得なんだが……
セナから事情を聞き、慌ててエンダの元へ。
平謝りと得意の言い訳で何とかしのごうと努力するも機嫌は直らず。
食い物の恨み恐るべし。
やむなくもう一匹サンドウルフを提供することで納得してくれた。
逆に、もう一匹出した時の喜び様に引いたけどね。麻薬に近いな。この肉。
で、次からこんな事が起きないようにと、セナにも収納魔術を教えておいた。サトシが創った「属性適合」付与アクセサリーのおかげだ。流石に「観念動力」まではやり過ぎだということで、今回は「無属性適合」までにしておいた。
収納魔術を教えてもらったセナは感激で俺たちの前に跪き、靴に額を擦り付けんばかりの勢いで感謝の意を表していた。
えーと。実際はセナに肉を管理してもらうためだったんだけど……。なんか騙してるみたいで気が引ける。
セナからは
「自分だけこんなに優遇してもらうと、テンスの旦那に申し訳ない」
と、やんわり「テンスにも教えてやってくれ」アピールをされた。まあ、嫉妬が怖かったんだろうな。どのみちテンスにも教えるつもりだったからサトシに同じアクセサリーを量産してもらった。
テンスと配下の「ユーザー」が「無属性魔術」と「収納魔術」を使えるようにするためだ。
収納魔術が使えると、商売の面では何かと捗る。今回のスキル付与騒動の中で一番の収穫と言えるかな。
ひと段落付いたところで大量討伐依頼を探しに冒険者ギルドへ向かった。
Sランク冒険者が魔王討伐に出払っているため、未達の大量討伐が随分溜まっていた。俺達はありがたくそれを頂くことにする。
「北方砂漠でのサンドウルフ討伐」
「東部火山地帯サラマンダー討伐」
サンドウルフは外せないよね。サラマンダーはどうでもいいが、腕試しとしては丁度良いんじゃなかろうか。などと思って受けることにした。
結果は楽勝ですよ。
サンドウルフは300匹ほどだったけど、なかなかサイズで、良い収穫となりました。サラマンダーは……微妙だったけど。まあ、腕試しにはなったな。うん。良しとしよう。
「熟練度もいい感じですね」
「だな。結構上がって来たよな。今なら天使達ともいい勝負できるんじゃねぇ?」
「そうやって足元掬われるまでがデフォルトですね。わかります」
「いやいや、流石にいきなり勝負仕掛けたりはしねぇよ……って、あれ?」
「ん?どうしたんです?」
「なんで熟練度上げてたんだっけ?」
「天使に勝つため……でしたっけ?」
「そんな御大層な目標たててたっけか?」
「なんか、大事なこと忘れてる気がしますね」
……
「あ!?」
「思い出しました?」
「手紙だ」
「あ!」
いけね!またやっちまった。
まあ、自業自得なんだが……
セナから事情を聞き、慌ててエンダの元へ。
平謝りと得意の言い訳で何とかしのごうと努力するも機嫌は直らず。
食い物の恨み恐るべし。
やむなくもう一匹サンドウルフを提供することで納得してくれた。
逆に、もう一匹出した時の喜び様に引いたけどね。麻薬に近いな。この肉。
で、次からこんな事が起きないようにと、セナにも収納魔術を教えておいた。サトシが創った「属性適合」付与アクセサリーのおかげだ。流石に「観念動力」まではやり過ぎだということで、今回は「無属性適合」までにしておいた。
収納魔術を教えてもらったセナは感激で俺たちの前に跪き、靴に額を擦り付けんばかりの勢いで感謝の意を表していた。
えーと。実際はセナに肉を管理してもらうためだったんだけど……。なんか騙してるみたいで気が引ける。
セナからは
「自分だけこんなに優遇してもらうと、テンスの旦那に申し訳ない」
と、やんわり「テンスにも教えてやってくれ」アピールをされた。まあ、嫉妬が怖かったんだろうな。どのみちテンスにも教えるつもりだったからサトシに同じアクセサリーを量産してもらった。
テンスと配下の「ユーザー」が「無属性魔術」と「収納魔術」を使えるようにするためだ。
収納魔術が使えると、商売の面では何かと捗る。今回のスキル付与騒動の中で一番の収穫と言えるかな。
ひと段落付いたところで大量討伐依頼を探しに冒険者ギルドへ向かった。
Sランク冒険者が魔王討伐に出払っているため、未達の大量討伐が随分溜まっていた。俺達はありがたくそれを頂くことにする。
「北方砂漠でのサンドウルフ討伐」
「東部火山地帯サラマンダー討伐」
サンドウルフは外せないよね。サラマンダーはどうでもいいが、腕試しとしては丁度良いんじゃなかろうか。などと思って受けることにした。
結果は楽勝ですよ。
サンドウルフは300匹ほどだったけど、なかなかサイズで、良い収穫となりました。サラマンダーは……微妙だったけど。まあ、腕試しにはなったな。うん。良しとしよう。
「熟練度もいい感じですね」
「だな。結構上がって来たよな。今なら天使達ともいい勝負できるんじゃねぇ?」
「そうやって足元掬われるまでがデフォルトですね。わかります」
「いやいや、流石にいきなり勝負仕掛けたりはしねぇよ……って、あれ?」
「ん?どうしたんです?」
「なんで熟練度上げてたんだっけ?」
「天使に勝つため……でしたっけ?」
「そんな御大層な目標たててたっけか?」
「なんか、大事なこと忘れてる気がしますね」
……
「あ!?」
「思い出しました?」
「手紙だ」
「あ!」
いけね!またやっちまった。
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