12 / 12
第二章 起源
第二章 起源(買い物)
しおりを挟む「そういえば今朝のニュース見た?マンションで殺人未遂あったってやつ」
今朝母親を見送る時にやっていたニュースだろう。
マンションの1室で、までは見ていたがそれが殺人事件だったのは知らなかった。
「なんか元恋人が部屋に入ってきてーとか言ってたんだよね、何をそんなに根に持ってたんだか怖いわー…」
「それで、その……襲われた人とかってどうなったの?」
「襲われた人は軽い怪我して病院だって言ってたけど、襲った人が元恋人ってのが取材できる状態じゃないから日を改めてーとか言ってたわ」
捕まった方は寝込みを襲ったって認めてるらしいよー、ほら。とスマホの画面を見せてくる姫依。
「というか夢姫もスマホに変えたら?」
「い、いいの!私はこのピコピコが好きなの!」
「ピコピコじゃなくてガラケーね」
メールと電話ができればいいと思っていたため
ネットの使い方なんてさっぱりな夢姫。
ましてや、ボタンの出っ張りがないスマホやタブレットなんて……。
「面白いゲームとかあるのに」
「いいの!」
ぶんぶんと買い物袋を振り回しながら歩く夢姫。
ふと、男の子と夢喰いが思い浮かぶ。
……なんだろう?
「夢姫?」
「…なんでもない、大丈夫。そういえば夢依ちゃん四人部屋にうつったんだよ」
「え!そうなの、話し相手出来てよかったじゃん」
やっぱり思うところはそこだよね、と頷いた。
新しくできたアイスクリーム屋さんに寄り、小一時間くらい他愛もない話をして今日はお開きとなった。
帰宅したのは午後6時すぎ。
自室に入るなり、ルーズリーフを机の上に1枚出す。
……なんでもいい、とりあえず箇条書きで覚えていることを……。
「……、…………。………………だめだ、起きてすぐのほうがいいかも」
ぼんやり。
本当に、ぼんやりとしか覚えてない
覚えている時ははっきり覚えている夢。
でも、あの夢はどこか違って……
『普通、夢の世界と現実世界は別世界だから俺らのこと認識し続けてる方がおかしいぞ』
そうだ……誰かがそんなことを言っていた、気がする。
ルーズリーフの1行目に
??さんが、「普通は夢の世界と現実世界は別世界だから、認識し続けてる方がおかしい」って言った
と書いてみた。
……なんか、下手な小説の冒頭みたい。
せめて、名前を覚えていればなあ……。
「??さん」ってなんか怪しい人みたい。
「せめて名前……」
もし、またあの夢だったら
とりあえず起きた時登場人物の名前は全員書き終えたい。
うーん…と、机に突っ伏して目を閉じる。
「名前……なんだったかなあ……。」
ふわりと体が宙に浮く感覚に襲われた。
よく、眠くなると起こる現象な気がする……
……眠く……、
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
3
この作品の感想を投稿する
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる