星の記憶 2nd season

鳳聖院 雀羅

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第1証

ep.9『果て無き無限回廊』

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星の記憶 2nd season 第1証 ep.9『果て無き無限回廊』

晴明『私達も、出来れば手荒な真似などしたくはありません!…』
『大人しく従って頂けませんか?』
『太陽の沈まぬ国と言われた大国が…突如地図から名前を消し、太陽の昇らぬと言う伝説上の古き文明として処理されることになったのか?…』
『お聞かせください!…貴方は民を愛していましたか?…貴方は陛下を愛していましたか?…』
『そして…貴方は、息子を愛していましたか!?』

アンタレス『…息子?…』

晴明『お願いします!…お聞かせください!…』
『…御父上!』

アンタレス『父上!?』

晴明『あれは、私が21才…母君の戴冠式当日…』
『目覚めると、そこは暗く果てしなく続く長い無限回廊の中であった…』
『見上げる先に、一点の星ひとつ…その星に手を翳すと、私の脳内に記憶が流れ込んでくる…』
『それは、私にとって大切な思い出であった…』
『幸せを掴もうとすれば…夜が訪れ、深い眠りの後…必ず、あの日の朝に戻される…』
『目覚めの朝、過去の記憶…いや、私の存在そのものが歴史と言う宇宙の書庫から消し去られていた!!…』
『幾度、歴史を繰返し、果て無き旅を続け、行き着く先々で貴方達との干渉を続けること幾星霜、それでも、私は…貴方達と時間を共有することができない!…』
『何故ですか?…』
『答えてください!…父さん!』
『私は…歴史を繰返す度、名を借り、名を偽り、自分の存在を維持してきたのです!…』
『ヤヌス、サージェス…ジャニュアリー、そして…私の本当の名…』
『アルテミス』
『いずれかひとつでもいい!…』
『覚えていませんか?…』

アンタレス『アルテミス…か…良かろう…二人っきりで話がしたい』
『御前が真意を示すなら、俺はお前の望む物を与える!…』
『が、しかし!欺くのなら、俺もお前も、2度と修復された歴史への干渉が出来なくなる!』
『記憶は失われ、借物の肉体は、また…別の者の手に渡ることとなる!』
『さぁ!…皇子よ!』
『俺を、深い眠りのその先に誘うのだ!…』
『そう…母のもと、アストレイア・サラ・ビクトリアのもとへ!!…』

『皇子…いや、息子よ!…』
『お前の歴史を修正させるには、まず…1999年の事変を解決する必要がある!』

アルテミス皇子『1999年!?…』

アンタレス『戴冠式…1999年、7月…某日』
『我が王国が、地図から名を消すのはおろか…それに留まらず、この星、いや太陽系に至る惑星が…突如その姿を忽然と消すのだ…』

『ノストラダムスと呼ばれる、化学者によってかかれた…四行の詩』
『その詩篇は、予言書と呼ばれ…』
『その事象の遥か前に遡る時代に執筆されていたものであった…』
『後に、彼(ノストラダムス)は、その詩篇にかかれた幾つかの予言を的中させ、自らを「魔術師」(グリモア)と名乗った…』
『後に、その詩篇は…グリモアの詩篇と呼ばれるようになる』

『マクシミリアン』
『遥か辺境の土地から現れた冷血の皇帝…』
『我が王国の歴史は奴によって書き換えられた!…』
『マクシミリアンは…私の甥にあたる人物だ…』

アルテミス皇子『なっ!!…?』

アンタレス『私は、帝国の人間だ…元…な、』
『亡命したのだよ、サラの助けもあってね…』

アルテミス皇子『で、でしたら…私の体には、王国と帝国の血が流れているというのですか?…』

アンタレス『話の途中だ、最後まで聞くのだ!…』

『その、マクシミリアンの側で、常任侍医兼顧問の称号を受け、占星術師として、軍事的な参謀を務めていたのが…そう、グリモア(ノストラダムス)である…』

アルテミス皇子『占星術師?…』

アンタレス『そう、お前と同じ…星読みの使者…スターゲイザーである!!…』
『お前に占星術を教え、鍛えた師の名前を、私が、当ててみせようか?…』
『…質問を変えよう、単刀直入に聞く!…』
『サイラムと言う名に、聞き覚えは?…』

アルテミス皇子『サ、サイラム!?…』

アンタレス『…やはりな…』
『ここからは運命を左右する、場所を移そう…』

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