星の記憶

第３証【イブの断片】

【イブの断片編】ep.28『徒花』

ジュラの問いかけと勇ましい眼光は、ビスマルクに扮しているジャンヌにへと向けられた 

ジャンヌの心の声『私のここでの判断が、姉さん…いや、ここに居る全ての人のこれからの人生を左右する…』

コツコツコツコツ…
時間だけが過ぎさって行く

ジュラ『悩む程の難題か？！』
ジュラが悩んで黙りこむジャンヌに痺れを切らし斬りかかる

ガチン！ 

ビスマルク『小さい頃からずっと一緒に居た、肉親を天秤に架け、そのどちらかを選べ！ですって？…仮の話、貴女ならどうするの？』
ジュラ『私は、小さな頃から、親と言うものを知らない！…私は、サラ様に出逢い、とうに人であることを捨てた存在 太陽神サラ様に仕える騎士 サラ様に忠誠を誓わぬ者は誰で有ろうと排除する！…どけ！小娘！貴様に用はない！邪魔立てするならば斬るぞ！』
ビスマルク『なら 質問を変えるわ！…』
『貴女の身体の一部である、その手と足！どちらが不用？！そんな質問を貴女は姉さんにしているのよ！…さぁ、選びなさい！不用だと言う方を、私が切り落としてあげるわ！』
ジュラ『小癪な！、出来ると言うのであれば、その両方をくれてやる！来い！』
ビスマルク『ならば、望み通りに！』
ビスマルクが剣を振り降ろす
ジュラは身体を傾け、その剣先を僅かなところでかわす
ジュラ『ほぉ～、小さな身体の割に、言うだけの事はある』
『だが…我がヴァルキュラスの前では、その力も無力同然！』
ジュラは、そう言い放つと
自分の身を守る為の甲冑をその場に脱ぎ捨て、持っていた剣をその場に置き
槍に持ち変えた
ジュラ『騎士道に従い、貴様に慈悲をやる！…剣を受け取り二刀で来い！私は槍…したがって、突くことしか出来ぬ！装甲も外した故に貴様が私を捕らえることができれば、私の手足はその場に転がることとなる！』
ビスマルク『偽善と独裁の骨頂ね』
『良いわ！、母さんの名をこんなことに利用するやり方は許せない！貴女は時代遅れなのよ！』
ビスマルクは自分の剣を上段に
ジュラから受け取った剣を下段に構え
ジュラの攻撃に備える

『わ、私が…時、時代遅れだと！？…魔女の癖にクソ生意気な！私も、相手が魔女なら容赦はせぬ！』
『串刺しにしてやる！！』
ジュラは、そう叫びながら持っている槍をビスマルクの首筋目掛けて突き入れてくる
ビスマルクは上段の剣で、その槍を右へ捌き  下段の剣の柄頭で、ジュラの脇腹を撃つ 
ジュラ『！！な、何？』
『こ、この剣舞！？…お、お前！ビ、ビス…』
ジュラが次の言葉を発しようとした時
ビスマルクの右手に持つ剣は、ジュラの喉元に迫っていた 
『続ければ、手足の前に喉を斬り貴様は声を失うぞ！』ビスマルクは小さな声でジュラに囁く
ジュラ『な、な、な、な、な、は、謀ったな！…どいつもこいつも！』
『…キュリとマズ…ま、待てよ！…導師達は、あらかじめこのことを予見していたのか？…お、おのれぇ～！レ、レオビナスぅ！』