星の記憶

第２証【黙示録】

【黙示録】ep.6『分岐点』

月夜に照された草木を分けながら…
ビスマルクは進んでいく

行く宛がある訳ではない…
しかし、ビスマルクは始まりの村を背に…真っ直ぐ真っ直ぐ…その距離を引き離して行く
日が照らす時間は、ひっそりと身を潜め
人の眼を盗む様に夕刻過ぎの時間に何日も…何日も
歩を進めた    

当然…村の者達もビスマルクの捜索は行っていた…
しかし…村から大きく捜査網を拡げる事は、村に残された者を危険に晒し、この土地を外部からの干渉から護る…と言う理由で捜索は打ち切られた…  
やがて…数名の従事者達が
村を出る者を厳しく監視し
村を出た者を追う者を厳しく罰した…      
このビスマルク失踪事件をきっかけにここに政府が誕生する

ファングは村を出たビスマルクの肉親として異端の者とされ…   
ファングは政府直属の従事者が管理するある施設へ幽閉され就労を課せられた…   
ジャンヌは従事者によって隔離保護され外に出ることを許されなかった… 

一方、ビスマルクはさらに歩を進めていた…それからさらに数日がたち…
ビスマルクが長い森を抜けた頃…ビスマルクの目に入ってきた光景は戦場であり…
滅ぼされた村だった
今の今まで…そこで殺戮が行われていたのであろうか…
 村全体に火の気が上がっている 
その光景を目の当たりにし立ち尽くすビスマルクに
一人の白衣の兵士が話しかける…
『こちらに…御出でしたか…ジャンヌ皇女…どれだけ探し回ったものか…』
その兵士がさらに続ける
『ジャンヌ皇女を発見!!保護!!目的は達成!残りの民家を全て焼き付くし、悪を根絶やしにしろ!!』

ビスマルクははじめて見る戦場での残酷な光景に気を失いその場に倒れてしまう…

兵士『ジャンヌ皇女!!ジャンヌ皇女!!どうなさいましたか!!ジャンヌ皇女!!』

その兵士はビスマルクを馬車にのせある場所へ向かった…

それは神の王国
だが…訪れた場所は、それはとてもとても暗い監獄であった
その監獄には捕らわれのサイラムの姿があった…

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