上 下
1 / 3
序章

憧れから現実ヘ

しおりを挟む
『あ~、やっぱり良いわぁ~。 こんな人間が、過去にいらしたなんて…今いらしたら絶対に人間でも師になって頂きたかったわ。』

私は、うっとりとした顔で【水戸黄門 漫遊譚】の書を胸に抱いて、『惜しいわ。 人間でなく神族でいらしたら宜しかったのに…。』

『あっ、甦らせたら……………やっぱり駄目ですわ。 禁術でしたわ。 禁術に、手を出したら"死"より恐ろしい罰が、待ってますもの。 流石の私でも、"消滅"(魂が、消されたら来世産まれては来れない。 文字通り跡形無く消されて滅ぶのみ。)は、嫌過ぎますわ。 …なら心の師と仰いましょう。』

私は、冷えてしまった体を(簡単な事は、神術は使わない。)擦って暖かめてから……………決意した顔を上げて、

ー妾、第三神皇女ワースニョ・ア・マフは宣言致しますわ。
《妾の心の師、義公(水戸・徳川家藩主が亡くなると戒名の他に諡名の事。 徳川光圀=水戸光圀。 興味を持った方はクグって下さい。)の様に世直し旅を致しますわ。》ー

私が、宣言致しますと私付きの女官達と侍女達が、青白い顔で〔第三神皇女様、御止め下さりませ。〕 〔そうですわ。〕 〔後、半年でクトル・ア・トマ様との結婚の儀がございますよ。〕 〔御一族神様方々は、勿論の事。 何よりもクトル様が御許しをしないでしょうね。〕 〔御諦めなさいませ。〕_と言いますが、私は、諦めませんわよ。

なら説得する迄よ。

『説得致しますわよ。  皆様 御覚悟をなさって…。』





しおりを挟む

処理中です...