Lv999×2の勇者&魔王の冒険しにくい冒険

リトマス

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新たな世界へ

新たなる勇者(仲間はチート)

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月が明るい夜、勇者と魔王はある人の家に泊まることになり、椅子に座り込んでいた。
「本当にありがとうございますって、1日で何回いっているんでしょうね私……アハハ」
「おねーちゃーん、ごはんー」
「ごはん、ごはんー」
「メシはまだかのぉ?」
「ハイハイわかったわよカルラにエッダ、それにお婆ちゃん、今作ってるからね」
「はーい」
ジャンヌと魔王が助けた少女達とその祖母だ、今、料理を作っているのは長女のピュセル、実はこの少女をジャンヌと魔王は気になっていた、今ジャンヌは兜を着ておりわかりずらいが、
ジャンヌとピュセルの顔は瓜二つなのだ
「どうするの魔王、今スッゴい微妙な心境なのだけど……」
「うむ、ちょいとまっておれ、クライン?この世界と我らの世界の適合率は?」
『98,9%ですね、あんな顔に生まれるなんて気の毒なこと……』
「あんたは一言多いわね」
「まあいい、これでこの世界に来ていい思い出になるだろう?自分そっくりの人間にあったって」
「そうね、あ、クライン?今から帰るから魔方陣準備してて」
『……魔王様、実は』
「私は無視か」
『うっせえよ雌豚、魔王様、実はですね……そちらから帰る魔法はまだできてないんですよ……』
二人の顔が固まる。
「どうしましたお二人とも?」
「いえいえお構いなく」
ボソボソ声で話を再開する。
「ウソォ!?」
『声がシンクロするなんて……妬ましい』ジェラシーしているクラインをよそに二人は内心かなり焦っていた。
「どうしよう魔王、私、元の世界に戻りたい……」
「かわい、いや、ジャンヌよ安心するのだ、クラインは世界でもトップクラスの魔道師だ、元の世界に戻る魔法だってすぐに作ってくれるさ……なぁ?クライン?」
『ええ!わかりました魔王様!今すぐにでも探してきます!』
「一応言っておくが二人分の帰還魔法だぞ?」
『……はい』
「料理できましたよー」通信ペンダントのスイッチをきり、二人は皆と食事を始めた。


夜になりカルラとエッダ、お婆ちゃんは眠りつき、ジャンヌと魔王はピュセルに大事な話がありますと言われ、ピュセルと話をしていた。
「実はお話というのは今回の騒動の事なんです」
「へえ、私達もある理由で今回の事に興味を持っていたの、詳しく教えてくれないかしら?」
「はい、今この世界では魔王が世界を支配しているのです、しかし古代の伝説にこんな事が書かれていたのです、『闇を統べる者達は、世界を黒に染め上げる、ならば光りを統べる者達よ、世界を白に染め上げろ、若き勇者よ剣を握れ』、これを恐れた魔王は部下達を使い、村や街を襲わせているのです」
「ふん、自身の運命を受け入れんとは愚かなものだな……」
「なるほど、だからアイツラは若い人達を殺していたのね」実際に殺されていたのは若い人達で、老いぼれなどは見向きもされなかった。若者を殺し勇者を生まれさせないためだったのだろう。
「そして……実は伝説の紋章というのがあって……これが体に浮かび上がった者が選ばれた勇者と言われるのです」ピュセルは何か迷うような顔になり、決心した表情を見せると自身の胸元を二人に見せた。
「ちょ、魔王!あんたは見るな!」
「大丈夫だ、サキュバス族で見慣れておる」
「そういう問題じゃな……!……ああ、そういう事ね、その紋章が勇者の……」ピュセルの胸元にはなにかで押し付けたような跡があり、円の中に竜が3匹舞っている模様があった。
ピュセルは顔を赤くし、服のボタンをとめなおした。
「はい、この前朝起きたらこんな模様があって、すぐに伝説の紋章という事にきずいたのです……でも、私、いきなりの事で焦ってて……!」ピュセルは泣き出し手で顔を覆った。
「早く私が勇者になり剣を振るえるようになっとけば……まだ助かる命があったかもしれないのに……!」
「……あんたは充分がんばったよ、妹達を守った正義のヒーローだ、1人も救えなかったよりはましだよ」
涙を手でぬぐいピュセルは二人に頼んだ、
「私は多くの人を救いたい!だから勇者になって魔王を倒します!……そこでなんですが……」
「何だ?」
「お二人様はとても強そうです、なので一緒に魔王を倒すのを手伝ってください!」
二人は顔も合わせず二人にしか聞こえないように喋った。
「元の世界に帰れなかったのは運命なのかも知れないなジャンヌ」
「ええ、そして私達が仲良くなったのもね」

「当たり前よ、こんな外道な魔王許すわけには行かないわ !」

「当たり前だ、悪には悪にルールが有ることを教えてやろう」

「……あ、ありがとうございます!」
「ピュセル、仲間でしょ?ありがとうで良いわよ」
「はい!……えっと……」
「私はジャンヌ・ダルク、こっちは……」
「ハインリヒでいいぞ」
「わかりました!ジャンヌにハインリヒ、明日からよろしく!」 
夜に3人の勇者達が誕生した 
「あ、私の素顔はこれよ」
「はい……え!?」
夜に少女の声がよく響いた。


「アンタの名前ってハインリヒなのね」
「偽名だ 」
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