1 / 6
第1話
しおりを挟む
こんな別れってひどすぎるだろ?
大音響を立てて、建物であったものは地上に叩きつけられていった。
痛くはないだろう。彼の魂はもうそこにはいないのだ。あの建物はもうリクではない。ただの石っころだ。
それでも、マサは泣いていた。涙が止まらなかった。
もうリクは、この世界のどこにもいないのだ。
そして、リクとマサとカメコと、3人で過ごした奇妙な時間も消えてしまった。
そんなもの、最初から存在しなかったのだろうか?全部、夢だったのだろうか?
そんなことはない。
マサは泣きながら否定した。
そんなことはない。
*******
マサがリクに会ったのは、数年前の春のことだ。
そのころ、マサは上司から「おまえは10月の異動人事で東京本社に戻ることができるだろうな」という言葉をかけてもらっていた。内心、飛び上がりそうなくらい嬉しかった。しかし清潔な笑みを浮かべ、「ありがとうございます。この半年、支店のためにがんばります」と言うことにした。「私の仕事の結果、この地方都市が少しでも活力を取り戻せたら良いなといつも思っているんです。おこがましいと自分でも思いますが。私も子供のころここで暮らしていましたから」
彼は、このX市出身の上司に対して何を言えば喜ぶかは心得ていた。
上司は微笑んだ。「おまえは本当にまっすぐな男だな」
そんな甘いことを本気で言うのだから貴方は地方都市めぐりの課長止まりなんだよな、とマサは思った。
マサが、東京からこの地方都市X市に赴任してきたのは2年前だった。東京本社から異動が決まったときには、足の下から地面がなくなった気持ちになった。でも落ちてはいない。落ちるか浮くかどっちでもなかった。ただ、足が床に触れているという感覚がなかった。
赤字の支店で結果を残さないと閉鎖となる、というような場所ではない。
それほど大きくはないX市。それほど大きくはないX市の支店。そしてそれほど大きな結果を残していない支店だが、大きな損を出しているわけでもない。そこには良い風も悪い風もふいてないのだ。みんなそこそこ働いて、みんなそこそこ仲が良いですよ、という支店だった。
会社の運命を握る場所ではない。重役たちも3年に1度くらい存在を思い出すのではないか、という印象をマサはもっていた。
「君なら結果を出せるだろう」と当時の上司はマサに言った。まあそうだな、結果を出せば良いのだ。と、彼の心の上澄みの方は思っていた。
そういう「それほど」の規模の支店に行き、何年か過ごした後で出世していった人間は少なくはなかった。
しかし、心の底の方からは「なあ、おまえはつまらないところへ行って、つまらない色になって、誰にも気づかれないまま消えていくんだよ。東京の人間は、みんなお前を忘れてしまうよ」という声がした。
確かにX市はつまらない場所だ。マサは思った。X市のことはよく知っているのだ。心のずっと下、地下から記憶の泡が浮かび上がってくる。
「なあ、おまえは必要のない人間だから、かつて父さんから追い出されたんだよ。X市に追い出された。やっと戻って来ることができたのに、また追い出されるんだな」
マサの心のずっと下、ずっと地下。あらゆるものが腐ったまま放置された場所。
そこには沼があった。薄暗い場所で、黄土色をした沼が。
ぶくぶくと熱い泡が底から次々と上がってゆく。
X市。
昭和の時代の政治家のおかげで、東京から新幹線で繋がっている市ではあった。
しかし年々人口は減り続け、若者は学校を卒業するとその新幹線で大都市に向かい就職、ということが当たり前となっていた。
X市。
残るのは貧乏な高齢者と、頭の悪い若者ばかりだよな。マサは寝る前にベッドの上で、そんなことをつぶやいた。そして、つぶやいたことを後悔した。
どうして簡単に他人のことを頭が悪いだなんて言えるんだ。
マサは、自分の沼のことをわかっている。自分の中のいらない部分を捨てていったら、いつのまにかどろどろに溶けて液体となった場所なのだ。
彼らが発するのは、怒りの言葉や、嘆きの言葉、蔑みの言葉。
うんざりだ、とマサは思った。
でもその言葉の泡たちは、毎晩、眠るマサの息のすぐそばまでよじのぼってゆく。
支店の売上は良くはなかった。まあこれくらいなら閉鎖にはならないだろうな、というレベルだった。
従業員のやる気もあまりなかった。
しかし結果を出せば良いのだ。シンプルに。
地下の沼の主は「おまえの失敗を望んでいる奴らもいる」と語った。
そうかもしれないよなとマサは言った。
でも、だからこそ、結果を出すにはどうしたら良いか考えるんだろ?
マサはそう思った。
「覚えておけよ。おまえなんて簡単に忘れられて消えちまうんだ。そうなりたくなければ…」
沼の主はささやいた。
マサは当たり前のことをやった。売り上げの詳細を調べ、取引先を調べ、取引先のポイントとなる人間を調べ、アポイントメントをとった。
取引先や他メーカーの人間のサッカーのグループに入ったり、一緒にマラソン大会に参加もした。
他の人間が面倒だと思って調べないようなことを調べ、面倒だと思って話しかけない人に話しかけた。
特別なことなんてやっていない。
ただ、するべきことをしただけだ。マサは思った。
X市のことは好きになれなかった。
飲み会が終わって「バッティングセンターでも行きたいな。どこかないかな?」と誰かに尋ねても、
「2つだけですね。ひとつはこの時間もう閉店してます。もうひとつは車で20分くらい。電車?最寄りの駅から徒歩30分ですね。バス?その路線、もう終バス出ちゃいましたよ」と、ダンスミュージックのごとくテンポよく言われてしまう。
ここはどこなんだろうな?バッティングセンターに行かずに、この人たちはどんなところに行くのか、午前0時を過ぎたらスイッチを切られる人間型のおもちゃか何かなのではないかと、マサは思った。
俺と同じ生き物ではない。
そして、マサは30歳になった。
課長に、10月に東京に戻ることができるだろうと告げられた。
X市で過ごす最後の4月がはじまった。
あと半年で、東京に戻ることができる。
やっと人間たちの住むところに戻ることができる。普通の世界に戻ることができる。夜中も光に満ち溢れる普通の世界に。
「何を言ってるのだか」
とマサは唇を歪めて笑った。自分に対して笑うことも多くなった。
「なにをしているの?」
部屋の中で声がした。声の中にはこわばりがあった。まるで声にしがみつき、正しい方向に向かわせないようにしているようなこわばりが。
それは確かに聞いたことのある声と話し方だった。
マサはきょろきょろとあたりを見回す。
ここは、彼が一人暮らしをする部屋のはずだった。
エアコンディショナーの温風の音と、加湿器の音が規則正しく続いていた。
電気は輝かしく部屋に光を注いでいた。外の月など必要もないくらい、この部屋は明るい光に包まれているはずだ。
でも、どこか光の届かない隙間から、マサを見つめる目があるような気がした。
眼鏡をかけた目だった。とても大きく丸い眼鏡だった。
彼女がそんな眼鏡をすると、本当の彼女自身の数十倍は不器量に見えた。丸くて大きな眼鏡。なんでそんなものを選んだんだろうな。眼鏡、しなきゃいいのにな。マサはそう思っていた。そして彼女は、眼鏡の下でいつもこわばった表情をしていたと思う。まるで眼鏡がないと何にも守られない存在のように、マサには思えた。
彼女は高校の時の同級生だった。
カメコ。
「なにをしているの?」
カメコはいま、このX市にいるのではないかとマサは思った。証拠はない。でも。
そこは学校で、夕暮れの教室だった。教室がオレンジの光を浴び、そして影が目を覚まし両手を伸ばし体を広げてゆく。
影の中にカメコがいる。
そして俺も、その影に包まれているのだ。
「はい、少々お待ちくださいませ」
マサは、取引先の事務の女性の声を思い出していた。彼女の声は、カメコに似ていた。
大音響を立てて、建物であったものは地上に叩きつけられていった。
痛くはないだろう。彼の魂はもうそこにはいないのだ。あの建物はもうリクではない。ただの石っころだ。
それでも、マサは泣いていた。涙が止まらなかった。
もうリクは、この世界のどこにもいないのだ。
そして、リクとマサとカメコと、3人で過ごした奇妙な時間も消えてしまった。
そんなもの、最初から存在しなかったのだろうか?全部、夢だったのだろうか?
そんなことはない。
マサは泣きながら否定した。
そんなことはない。
*******
マサがリクに会ったのは、数年前の春のことだ。
そのころ、マサは上司から「おまえは10月の異動人事で東京本社に戻ることができるだろうな」という言葉をかけてもらっていた。内心、飛び上がりそうなくらい嬉しかった。しかし清潔な笑みを浮かべ、「ありがとうございます。この半年、支店のためにがんばります」と言うことにした。「私の仕事の結果、この地方都市が少しでも活力を取り戻せたら良いなといつも思っているんです。おこがましいと自分でも思いますが。私も子供のころここで暮らしていましたから」
彼は、このX市出身の上司に対して何を言えば喜ぶかは心得ていた。
上司は微笑んだ。「おまえは本当にまっすぐな男だな」
そんな甘いことを本気で言うのだから貴方は地方都市めぐりの課長止まりなんだよな、とマサは思った。
マサが、東京からこの地方都市X市に赴任してきたのは2年前だった。東京本社から異動が決まったときには、足の下から地面がなくなった気持ちになった。でも落ちてはいない。落ちるか浮くかどっちでもなかった。ただ、足が床に触れているという感覚がなかった。
赤字の支店で結果を残さないと閉鎖となる、というような場所ではない。
それほど大きくはないX市。それほど大きくはないX市の支店。そしてそれほど大きな結果を残していない支店だが、大きな損を出しているわけでもない。そこには良い風も悪い風もふいてないのだ。みんなそこそこ働いて、みんなそこそこ仲が良いですよ、という支店だった。
会社の運命を握る場所ではない。重役たちも3年に1度くらい存在を思い出すのではないか、という印象をマサはもっていた。
「君なら結果を出せるだろう」と当時の上司はマサに言った。まあそうだな、結果を出せば良いのだ。と、彼の心の上澄みの方は思っていた。
そういう「それほど」の規模の支店に行き、何年か過ごした後で出世していった人間は少なくはなかった。
しかし、心の底の方からは「なあ、おまえはつまらないところへ行って、つまらない色になって、誰にも気づかれないまま消えていくんだよ。東京の人間は、みんなお前を忘れてしまうよ」という声がした。
確かにX市はつまらない場所だ。マサは思った。X市のことはよく知っているのだ。心のずっと下、地下から記憶の泡が浮かび上がってくる。
「なあ、おまえは必要のない人間だから、かつて父さんから追い出されたんだよ。X市に追い出された。やっと戻って来ることができたのに、また追い出されるんだな」
マサの心のずっと下、ずっと地下。あらゆるものが腐ったまま放置された場所。
そこには沼があった。薄暗い場所で、黄土色をした沼が。
ぶくぶくと熱い泡が底から次々と上がってゆく。
X市。
昭和の時代の政治家のおかげで、東京から新幹線で繋がっている市ではあった。
しかし年々人口は減り続け、若者は学校を卒業するとその新幹線で大都市に向かい就職、ということが当たり前となっていた。
X市。
残るのは貧乏な高齢者と、頭の悪い若者ばかりだよな。マサは寝る前にベッドの上で、そんなことをつぶやいた。そして、つぶやいたことを後悔した。
どうして簡単に他人のことを頭が悪いだなんて言えるんだ。
マサは、自分の沼のことをわかっている。自分の中のいらない部分を捨てていったら、いつのまにかどろどろに溶けて液体となった場所なのだ。
彼らが発するのは、怒りの言葉や、嘆きの言葉、蔑みの言葉。
うんざりだ、とマサは思った。
でもその言葉の泡たちは、毎晩、眠るマサの息のすぐそばまでよじのぼってゆく。
支店の売上は良くはなかった。まあこれくらいなら閉鎖にはならないだろうな、というレベルだった。
従業員のやる気もあまりなかった。
しかし結果を出せば良いのだ。シンプルに。
地下の沼の主は「おまえの失敗を望んでいる奴らもいる」と語った。
そうかもしれないよなとマサは言った。
でも、だからこそ、結果を出すにはどうしたら良いか考えるんだろ?
マサはそう思った。
「覚えておけよ。おまえなんて簡単に忘れられて消えちまうんだ。そうなりたくなければ…」
沼の主はささやいた。
マサは当たり前のことをやった。売り上げの詳細を調べ、取引先を調べ、取引先のポイントとなる人間を調べ、アポイントメントをとった。
取引先や他メーカーの人間のサッカーのグループに入ったり、一緒にマラソン大会に参加もした。
他の人間が面倒だと思って調べないようなことを調べ、面倒だと思って話しかけない人に話しかけた。
特別なことなんてやっていない。
ただ、するべきことをしただけだ。マサは思った。
X市のことは好きになれなかった。
飲み会が終わって「バッティングセンターでも行きたいな。どこかないかな?」と誰かに尋ねても、
「2つだけですね。ひとつはこの時間もう閉店してます。もうひとつは車で20分くらい。電車?最寄りの駅から徒歩30分ですね。バス?その路線、もう終バス出ちゃいましたよ」と、ダンスミュージックのごとくテンポよく言われてしまう。
ここはどこなんだろうな?バッティングセンターに行かずに、この人たちはどんなところに行くのか、午前0時を過ぎたらスイッチを切られる人間型のおもちゃか何かなのではないかと、マサは思った。
俺と同じ生き物ではない。
そして、マサは30歳になった。
課長に、10月に東京に戻ることができるだろうと告げられた。
X市で過ごす最後の4月がはじまった。
あと半年で、東京に戻ることができる。
やっと人間たちの住むところに戻ることができる。普通の世界に戻ることができる。夜中も光に満ち溢れる普通の世界に。
「何を言ってるのだか」
とマサは唇を歪めて笑った。自分に対して笑うことも多くなった。
「なにをしているの?」
部屋の中で声がした。声の中にはこわばりがあった。まるで声にしがみつき、正しい方向に向かわせないようにしているようなこわばりが。
それは確かに聞いたことのある声と話し方だった。
マサはきょろきょろとあたりを見回す。
ここは、彼が一人暮らしをする部屋のはずだった。
エアコンディショナーの温風の音と、加湿器の音が規則正しく続いていた。
電気は輝かしく部屋に光を注いでいた。外の月など必要もないくらい、この部屋は明るい光に包まれているはずだ。
でも、どこか光の届かない隙間から、マサを見つめる目があるような気がした。
眼鏡をかけた目だった。とても大きく丸い眼鏡だった。
彼女がそんな眼鏡をすると、本当の彼女自身の数十倍は不器量に見えた。丸くて大きな眼鏡。なんでそんなものを選んだんだろうな。眼鏡、しなきゃいいのにな。マサはそう思っていた。そして彼女は、眼鏡の下でいつもこわばった表情をしていたと思う。まるで眼鏡がないと何にも守られない存在のように、マサには思えた。
彼女は高校の時の同級生だった。
カメコ。
「なにをしているの?」
カメコはいま、このX市にいるのではないかとマサは思った。証拠はない。でも。
そこは学校で、夕暮れの教室だった。教室がオレンジの光を浴び、そして影が目を覚まし両手を伸ばし体を広げてゆく。
影の中にカメコがいる。
そして俺も、その影に包まれているのだ。
「はい、少々お待ちくださいませ」
マサは、取引先の事務の女性の声を思い出していた。彼女の声は、カメコに似ていた。
0
あなたにおすすめの小説
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。
石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。
自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。
そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。
好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない
文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。
使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。
優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。
婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。
「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。
優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。
父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。
嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの?
優月は父親をも信頼できなくなる。
婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる