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御殿編
女香の意味する所 ⭐︎性描写あり
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「…ッ何を!!?」
ナジュは胸に触れた優男の手を払った。
「いやあ~ナジュ君、純粋そうな男の子やなと思っとったけど、やっぱり初心なんねぇ!かっわいいわ~」
優男は叩かれた手を擦りながら、ナジュを欲の混じった眼差しで見る。周りの御手付き様達は、敢え無く袖にされた優男を見て大いに盛り上がった。端から端まで声を上げて笑っている。ナジュは着物の合わせ目を握り優男から距離を取り、行動の意味を問いただした。
「お前…何のつもりだ!」
「何って……そのまんまの意味やけど?ナジュ君、そんな大量に女香の匂いさせて、とんでもない好き者やなと思ったら、その真逆の跳ねっかえりかい。全然男慣れしとらんし、俺好みや…可愛い…!」
「ヒィ…!」
優男は這い蹲りながらナジュに向かってくる。ナジュは部屋の外へ逃げようとすると、いつの間にか背後に居た別の御手付き様によって抱きすくめられた。そして首筋に顔を埋められ、その香りをすんすんと嗅がれた。
「こんなに誘惑する香りを着けて、いやらしい新人君だ…」
背後の男は甘ったるい声で囁いた後、ナジュの首を下から上に舌を滑らせた。
「ヒッ!気色悪い事するなッ!」
「え?ごめん…こうすると、皆喜ぶからさ」
男は柳眉を下げてナジュに謝りながらもナジュの着物の帯を解いてゆく。
「萩尾ォ!俺が最初に可愛い思ったんや!先にナジュ君可愛がるのは俺やろ!!」
「君は新人君に拒否されただろう?屋敷川」
「お前もやんけ!!」
顔のいい男達がナジュを巡って言い争いをしている。逃げようともがくナジュは、萩尾と呼ばれた男前な御手付き様に褌を握られ、逃げる事ができない。
「ハハ…屋敷川君、黙ってれば優しそうな良い男なんだけどなぁ……色事になると口調と性格が荒くなるのが玉に瑕」
「屋敷川さんは、男慣れしてない男が大好きだから…見た所ナジュ君、女にしか興味ない感じだし、屋敷川さんの好みど真ん中だね」
中年と少年の姿の御手付き様が、遠巻きにしてのんびり鑑賞している。
「でも女香をつけているって事は…やっぱり、新人君はその気なのかな…?」
「そりゃそうやろ!なあ~、ナジュくぅん…!」
ナジュの元に辿り着いた屋敷川が、ナジュのはだけた胸に頬を擦り付ける。
「ああ~肉付きええなぁ~!珍しく乳ある男やし、筋肉もあって柔らかくもあって…おまけに別嬪や。俺が神様やったら、寝所にずっと待機させておくわ~!ナジュ君に出さんで寝れん!!」
「はっはっは!一目惚れだな屋敷川!どれ、俺は耳を…うん、いい香りだ…」
ナジュは萩尾に耳を甘噛みされながら、屋敷川に胸板を堪能されてしまっている。背後の萩尾に腕ごと抱きすくめられている為、防ぐ術はない。
さらに、先程から香り香りと話の中に出て来るのを不思議に思い、ナジュは他の御手付き様に問う。
「さっきから、香りだ、女香だって…一体何なんだ!?ひっ…!」
「君、知らないでつけてたの?」
中年の御手付き様が、酒を飲む手を止める。
「香りには男香と女香ってのがあってねぇ~」
「乳ふっかふかや!さっき揉めんかったから、揉ましてな~」
ナジュの胸は屋敷川によって、下から抱え上げるように揉み解される。さらに萩尾と屋敷川以外の御手付き様も集まり、ナジュの肌に遠慮なく触れている。
「それぞれ香りの種類が決まってるんだ。男はこれ、女はこれ、ってね。まあ、別に女が男香を着けたって、そのまた反対だって問題ないんだけれど、この御手付き様の宴会では意味が生まれる」
「ン゛ンッ…!?」
萩尾がナジュの唇を奪う。唇を割って入る舌に、反射的に歯を閉じて侵入を妨害する。しかし、別の御手付き様に脇腹をす…と撫でられ、思わず力が抜けてしまう。その隙を見逃さず、萩尾の甘い舌がナジュのそれと絡む。
「!?」
口内に舌以外の異物感を感じ、何かと思ったら、溶け掛けた金平糖であった。2人の舌の間で金平糖が舐め溶かされ、特徴的な角がほろほろと解けていく。そしてその強い甘味が舌先から奥まで塗り付けられて、ナジュは顔を顰めた。
「狡いわ萩尾!ナジュ君、俺ともしよな?な?」
「この御手付き様の宴会で女香を着けている、というのはね…」
中年の御手付き様が盃に酒を注ぐ。隣に座る少年の姿の御手付き様がサッと自分の茶碗を出すと、そこにも並々と注いでやった。そして自分の御膳に乗った幾つかの菓子を皿毎移動した。
「ほら、残りの菓子も食べなさいな、琥珀乃さん」
「ありがと、江島」
琥珀乃と呼ばれた少年の姿をした御手付き様は、お菓子を頬張ると早い速度で酒で流し込む。江島はゆっくりと盃を傾けて、身体を弄られているナジュの有様を見る。
「皆の発散の為の、"抱かれ役"…ってことさ」
江島は盃の半分程の酒を喉に流し込み嚥下すると、ほおと熱い息を吐いた。
ナジュは胸に触れた優男の手を払った。
「いやあ~ナジュ君、純粋そうな男の子やなと思っとったけど、やっぱり初心なんねぇ!かっわいいわ~」
優男は叩かれた手を擦りながら、ナジュを欲の混じった眼差しで見る。周りの御手付き様達は、敢え無く袖にされた優男を見て大いに盛り上がった。端から端まで声を上げて笑っている。ナジュは着物の合わせ目を握り優男から距離を取り、行動の意味を問いただした。
「お前…何のつもりだ!」
「何って……そのまんまの意味やけど?ナジュ君、そんな大量に女香の匂いさせて、とんでもない好き者やなと思ったら、その真逆の跳ねっかえりかい。全然男慣れしとらんし、俺好みや…可愛い…!」
「ヒィ…!」
優男は這い蹲りながらナジュに向かってくる。ナジュは部屋の外へ逃げようとすると、いつの間にか背後に居た別の御手付き様によって抱きすくめられた。そして首筋に顔を埋められ、その香りをすんすんと嗅がれた。
「こんなに誘惑する香りを着けて、いやらしい新人君だ…」
背後の男は甘ったるい声で囁いた後、ナジュの首を下から上に舌を滑らせた。
「ヒッ!気色悪い事するなッ!」
「え?ごめん…こうすると、皆喜ぶからさ」
男は柳眉を下げてナジュに謝りながらもナジュの着物の帯を解いてゆく。
「萩尾ォ!俺が最初に可愛い思ったんや!先にナジュ君可愛がるのは俺やろ!!」
「君は新人君に拒否されただろう?屋敷川」
「お前もやんけ!!」
顔のいい男達がナジュを巡って言い争いをしている。逃げようともがくナジュは、萩尾と呼ばれた男前な御手付き様に褌を握られ、逃げる事ができない。
「ハハ…屋敷川君、黙ってれば優しそうな良い男なんだけどなぁ……色事になると口調と性格が荒くなるのが玉に瑕」
「屋敷川さんは、男慣れしてない男が大好きだから…見た所ナジュ君、女にしか興味ない感じだし、屋敷川さんの好みど真ん中だね」
中年と少年の姿の御手付き様が、遠巻きにしてのんびり鑑賞している。
「でも女香をつけているって事は…やっぱり、新人君はその気なのかな…?」
「そりゃそうやろ!なあ~、ナジュくぅん…!」
ナジュの元に辿り着いた屋敷川が、ナジュのはだけた胸に頬を擦り付ける。
「ああ~肉付きええなぁ~!珍しく乳ある男やし、筋肉もあって柔らかくもあって…おまけに別嬪や。俺が神様やったら、寝所にずっと待機させておくわ~!ナジュ君に出さんで寝れん!!」
「はっはっは!一目惚れだな屋敷川!どれ、俺は耳を…うん、いい香りだ…」
ナジュは萩尾に耳を甘噛みされながら、屋敷川に胸板を堪能されてしまっている。背後の萩尾に腕ごと抱きすくめられている為、防ぐ術はない。
さらに、先程から香り香りと話の中に出て来るのを不思議に思い、ナジュは他の御手付き様に問う。
「さっきから、香りだ、女香だって…一体何なんだ!?ひっ…!」
「君、知らないでつけてたの?」
中年の御手付き様が、酒を飲む手を止める。
「香りには男香と女香ってのがあってねぇ~」
「乳ふっかふかや!さっき揉めんかったから、揉ましてな~」
ナジュの胸は屋敷川によって、下から抱え上げるように揉み解される。さらに萩尾と屋敷川以外の御手付き様も集まり、ナジュの肌に遠慮なく触れている。
「それぞれ香りの種類が決まってるんだ。男はこれ、女はこれ、ってね。まあ、別に女が男香を着けたって、そのまた反対だって問題ないんだけれど、この御手付き様の宴会では意味が生まれる」
「ン゛ンッ…!?」
萩尾がナジュの唇を奪う。唇を割って入る舌に、反射的に歯を閉じて侵入を妨害する。しかし、別の御手付き様に脇腹をす…と撫でられ、思わず力が抜けてしまう。その隙を見逃さず、萩尾の甘い舌がナジュのそれと絡む。
「!?」
口内に舌以外の異物感を感じ、何かと思ったら、溶け掛けた金平糖であった。2人の舌の間で金平糖が舐め溶かされ、特徴的な角がほろほろと解けていく。そしてその強い甘味が舌先から奥まで塗り付けられて、ナジュは顔を顰めた。
「狡いわ萩尾!ナジュ君、俺ともしよな?な?」
「この御手付き様の宴会で女香を着けている、というのはね…」
中年の御手付き様が盃に酒を注ぐ。隣に座る少年の姿の御手付き様がサッと自分の茶碗を出すと、そこにも並々と注いでやった。そして自分の御膳に乗った幾つかの菓子を皿毎移動した。
「ほら、残りの菓子も食べなさいな、琥珀乃さん」
「ありがと、江島」
琥珀乃と呼ばれた少年の姿をした御手付き様は、お菓子を頬張ると早い速度で酒で流し込む。江島はゆっくりと盃を傾けて、身体を弄られているナジュの有様を見る。
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