2 / 11
フィーナ・アルファドル
第1話「婚約破棄しろ!」「もうしましたよね?」
王立学校の一室で、リリア・ラテフィール伯爵令嬢は真剣に机に向かっていた。
教師も時計に目をやりながら緊張した面持ちで立っている。
鉛筆の走る音だけが、響いていた
「リリア・ラテフィール嬢!貴様に婚約破棄を言い渡す!我が愛しのピピ男爵令嬢を己の嫉妬心で虐めた罰として心からの謝罪と慰謝料を払うがいい!」
唐突にガラガラと窓が開け放たれると不躾にも教室に踏み込んで高らかに宣言したビーツ侯爵嫡男はリリアを指さしてドヤ顔を決め、イラッとくるポーズを決めてから窓の外でモタモタしていたピピ嬢をふわりと抱き上げた。
見た目は絵本に出てくる王子様と姫のような二人はなかなか絵になっていたが、リリアは目の前のプリントに集中してビーツの存在に全く気付いていなかった。
教師は青ざめてガタガタと震えながら呼び鈴をけたたましく鳴らす。
「侵入者!侵入者です!リリア嬢のテストにビーツ様とピピ嬢が乱入、妨害を働きました!国家転覆を目論む可能性有り!繰り返す!」
「貴様、とち狂ったか?!やかましいぞ!」
「ビーツ様、こわぁーい!」
そんなお花畑頭二つに文字通りゲンコツが落とされた。
「ザーメル先生、侵入者は私が見張ります!各関係者への連絡は任せました!」
脳天の痛みに声も出ず悶える二人を襟首掴み生徒指導室に投げ込んだのは、
背が高く銀縁メガネがよく似合う生徒会長にして宰相令嬢フィーナ・アルファドルである。
「フィーナ、貴様無礼であるぞ!この私に暴力を振るうとはついにとち狂ったか!?」
「その言葉、熨斗を付けてお返し致しますわビーツ様!この後に及んでリリアの幸せの邪魔をするなんて!紳士の誇りをついに捨てたのですね!」
凛と立つ姿は美しいが怒りと悲しみに震えていた。
馬鹿だ馬鹿だと知ってはいたが、目の前の男がここまでリリアを憎んでいたとは…彼女の親友としてこの暴挙を止められなかった事が悔しくて堪らない。
「おばさん、誰ですか~?ビーツ様とピピに嫉妬しちゃいました?てへ」
「は?」
凍りつくような瞳に睨まれてもピピはうるうるとした瞳を向ける。
「ピピ・トデール男爵令嬢。貴方は自分の立場がわかっているのですか?国家転覆の策略に手を貸したのですよ?」
「え~おばさん、なんでピピの名前知ってるんですかぁ?国家転覆ぅ?ピピわかんなぁい、ビーツ様ぁ、こわぁい」
「全くだ。フィーナ、貴様はさっきからなにを言っている?私はリリアに婚約破棄とピピへの謝罪を告げに来てやったのだ」
ビーツとピピは仲睦まじくべったりとくっつきながらフィーナに怪訝な眼差しを向ける。
彼女の言う国家転覆の疑いとは全く心当たりがないのだ。
強いて言うなら自分のような輝かしい未来の約束された美男子と親友の婚約破棄を憂いているのだろうか?
可哀想なリリアには自分以上の旦那はとても見つからないだろうが愛するピピの為にもここは…
「貴方こそなにを言っているの?リリアとの婚約なら五年前に破棄したじゃない!私の父が立証人になったのよ?ここまで巧妙な計画を立てたならもっとマシな言い訳を用意するべきね」
教師も時計に目をやりながら緊張した面持ちで立っている。
鉛筆の走る音だけが、響いていた
「リリア・ラテフィール嬢!貴様に婚約破棄を言い渡す!我が愛しのピピ男爵令嬢を己の嫉妬心で虐めた罰として心からの謝罪と慰謝料を払うがいい!」
唐突にガラガラと窓が開け放たれると不躾にも教室に踏み込んで高らかに宣言したビーツ侯爵嫡男はリリアを指さしてドヤ顔を決め、イラッとくるポーズを決めてから窓の外でモタモタしていたピピ嬢をふわりと抱き上げた。
見た目は絵本に出てくる王子様と姫のような二人はなかなか絵になっていたが、リリアは目の前のプリントに集中してビーツの存在に全く気付いていなかった。
教師は青ざめてガタガタと震えながら呼び鈴をけたたましく鳴らす。
「侵入者!侵入者です!リリア嬢のテストにビーツ様とピピ嬢が乱入、妨害を働きました!国家転覆を目論む可能性有り!繰り返す!」
「貴様、とち狂ったか?!やかましいぞ!」
「ビーツ様、こわぁーい!」
そんなお花畑頭二つに文字通りゲンコツが落とされた。
「ザーメル先生、侵入者は私が見張ります!各関係者への連絡は任せました!」
脳天の痛みに声も出ず悶える二人を襟首掴み生徒指導室に投げ込んだのは、
背が高く銀縁メガネがよく似合う生徒会長にして宰相令嬢フィーナ・アルファドルである。
「フィーナ、貴様無礼であるぞ!この私に暴力を振るうとはついにとち狂ったか!?」
「その言葉、熨斗を付けてお返し致しますわビーツ様!この後に及んでリリアの幸せの邪魔をするなんて!紳士の誇りをついに捨てたのですね!」
凛と立つ姿は美しいが怒りと悲しみに震えていた。
馬鹿だ馬鹿だと知ってはいたが、目の前の男がここまでリリアを憎んでいたとは…彼女の親友としてこの暴挙を止められなかった事が悔しくて堪らない。
「おばさん、誰ですか~?ビーツ様とピピに嫉妬しちゃいました?てへ」
「は?」
凍りつくような瞳に睨まれてもピピはうるうるとした瞳を向ける。
「ピピ・トデール男爵令嬢。貴方は自分の立場がわかっているのですか?国家転覆の策略に手を貸したのですよ?」
「え~おばさん、なんでピピの名前知ってるんですかぁ?国家転覆ぅ?ピピわかんなぁい、ビーツ様ぁ、こわぁい」
「全くだ。フィーナ、貴様はさっきからなにを言っている?私はリリアに婚約破棄とピピへの謝罪を告げに来てやったのだ」
ビーツとピピは仲睦まじくべったりとくっつきながらフィーナに怪訝な眼差しを向ける。
彼女の言う国家転覆の疑いとは全く心当たりがないのだ。
強いて言うなら自分のような輝かしい未来の約束された美男子と親友の婚約破棄を憂いているのだろうか?
可哀想なリリアには自分以上の旦那はとても見つからないだろうが愛するピピの為にもここは…
「貴方こそなにを言っているの?リリアとの婚約なら五年前に破棄したじゃない!私の父が立証人になったのよ?ここまで巧妙な計画を立てたならもっとマシな言い訳を用意するべきね」
あなたにおすすめの小説
婚約破棄イベントが壊れた!
秋月一花
恋愛
学園の卒業パーティー。たった一人で姿を現した私、カリスタ。会場内はざわつき、私へと一斉に視線が集まる。
――卒業パーティーで、私は婚約破棄を宣言される。長かった。とっても長かった。ヒロイン、頑張って王子様と一緒に国を持ち上げてね!
……って思ったら、これ私の知っている婚約破棄イベントじゃない!
「カリスタ、どうして先に行ってしまったんだい?」
おかしい、おかしい。絶対におかしい!
国外追放されて平民として生きるつもりだったのに! このままだと私が王妃になってしまう! どうしてそうなった、ヒロイン王太子狙いだったじゃん!
2021/07/04 カクヨム様にも投稿しました。
婚約破棄は計画的に。
秋月一花
恋愛
「アイリーン、貴様との婚約を――」
「破棄するのですね、かしこまりました。喜んで同意致します」
私、アイリーンは転生者だ。愛読していた恋愛小説の悪役令嬢として転生した。とはいえ、悪役令嬢らしい活躍はしていない。していないけど、原作の強制力か、パーティー会場で婚約破棄を宣言されそうになった。
……正直こっちから願い下げだから、婚約破棄、喜んで同意致します!
婚約破棄は、気高く美しく苛烈にするべきですわ♪
naturalsoft
恋愛
HOT:63位
小説全体:117位
恋愛:51位
高評価ありがとうございます!
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「シオン・クロスハート!貴様との婚約を破棄させてもらう!」
国王様主催のパーティーで叫んでいるのは、婚約者もどきのこの国第一王子レオンハルト・エトワールだ。んっ?【様】を付けろって?良いのよ。私の方が偉いのだから。
これは、婚約破棄をされた事により戦争を起こして女王になるまでのお話しである。
※連載中の小説が煮詰まったので息抜きに執筆しました。ちょっと矛盾があるかもですがサラッと読んで下さい。
【現在連載中】の小説もよろしくお願い致します!
婚約者に裏切られた私が幸せになってもいいのですか?
鈴元 香奈
恋愛
婚約者の王太子に裏切られ、彼の恋人の策略によって見ず知らずの男に誘拐されたリカルダは、修道院で一生を終えようと思っていた。
だが、父親である公爵はそれを許さず新しい結婚相手を見つけてくる。その男は子爵の次男で容姿も平凡だが、公爵が認めるくらいに有能であった。しかし、四年前婚約者に裏切られた彼は女性嫌いだと公言している。
仕事はできるが女性に全く慣れておらず、自分より更に傷ついているであろう若く美しい妻をどう扱えばいいのか戸惑うばかりの文官と、幸せを諦めているが貴族の義務として夫の子を産みたい若奥様の物語。
小説家になろうさんにも投稿しています。
婚約破棄されてイラッときたから、目についた男に婚約申し込んだら、幼馴染だった件
ユウキ
恋愛
苦節11年。王家から押し付けられた婚約。我慢に我慢を重ねてきた侯爵令嬢アデレイズは、王宮の人が行き交う大階段で婚約者である第三王子から、婚約破棄を告げられるのだが、いかんせんタイミングが悪すぎた。アデレイズのコンディションは最悪だったのだ。