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「クレルベリー・フォメリオ。貴女はジェゼベルドを五人目の夫と認め、フォメリオの名を授けることを認めますか?」
「――認めます」
五人目の夫となる男――ジェゼベルドと向かい合う。
わたしは、目の前に立つ白いタキシード姿のジェゼベルドを見ながら、神父様の言葉にうなずく。
ジェゼベルドの瞳は、左目こそ髪で見えないが、若葉のような、綺麗な緑色をしていた。
その目が、嬉しそうに細まるのを見て、わたしはドキっとした。
格好良くて、ではない。すさまじく、嫌な予感がして、だ。
しかし、こうして結婚式を執り行っている以上、もはや後には引けない。
そもそも、式の最中でなくとも、この結婚は国から直接命令されているものである。身分だけ見れば平民のわたしは、逆らうことなんて出来るわけがなかった。
「それでは、誓約の口づけを」
神父様の言葉に、わたしはハッとなる。いけない。今は式に集中しなくちゃ。
わたしはジェゼベルドの手を取る。手に力が入らない。
けれども、彼も式の進行は分かっているので、わたしが伸ばした手に、手のひらが上になる様に彼自身が手を置いてくれた。
わたしはその手のひらの上へとキスをする。
夫婦関係において、上下関係が決まっている場合、上になる者から手のひらへとキスをするのがこの国の結婚式の決まりだ。平民間ではあまり行われないが、爵位という分かりやすい上下関係のある貴族では必ず行われるらしい。
手のひらにキスをするのは与える愛をこぼさず受け取りなさい、という意味があるそうだ。
わたしの番が終わると、今度はジェゼベルドがその手をひっくり返し、わたしの手の甲が上になる。
そうして、彼はわたしの手の甲に口づけた。
下の者から上の者にする手の甲へのキスは、敬愛を示す。今ここで手のひらを返したことを最初で最後とし、死ぬまで裏切らない、という宣誓なのだとか。
けれど――。
じい、とわたしを見つめるその瞳は妙に熱っぽく、わたしをどうにも不安にさせた。
――たとえ夫婦になったとしても、それは書類上のもので、色恋の関係にはならないはずなのに。
***
「今日から彼が五人目の夫です。仲良くしてあげてください。わたしは部屋に戻ります。以上です」
結婚式も終わり、近所への挨拶周りを終え、わたしはジェゼベルドを連れて家の店に集まる四人の夫の元へと向かった。
わたしと一番目の夫であるアリヴィドと二人で切り盛りしている食事処は、まれに、夜、夫たちのたまり場となる。その日の余り物でつまみを作り、酒を飲むのが楽しいのだという。わたしはその集まりに参加したことは一度もない。
夫たちの返事も聞かず、ぺっとジェゼベルドをその場に放り出し、わたしは三階へと引っ込む。この家は一階が食事処とその設備、倉庫、二階が水回りとリビング、それから夫たちの部屋、三階がわたしの部屋となっている。
わたしは部屋に戻るなり、ベッドにもぐりこみ、布団を被って枕に向かって叫んだ。
「絶対、ぜぇえったい、失敗した! 失敗したって!」
わたしはいまだにバクバクとうるさい心臓を落ち着かせるように、失敗した、と何度か繰り返した。
あの男――ジェゼベルドは、わたしにとって良くないものだ。そんな気がしてならない。
結婚なんて、本当はしたくなかったのに。ジェゼベルドとだけじゃない。一人目のアリヴィドとも、二人目のグレイとも、三人目のレノとも、四人目のルトゥールとも、結婚したくなかった。
でも、それは国が許さない。
わたしの瞳が銀色である限り。
この国では、魔力がない者は銀の瞳を持つ――通称、『銀の子』として生まれてくる。これは一定確率で、どんな属性の魔力持ち同士で子をなしても、銀の子は生まれる。
現に、わたしの母は瞳が黄色で、父は青。姉や妹はそれぞれ属性の色が目に出ているが、わたしだけが魔力なしの銀色だ。
その『銀の子』は、非常に都合のいい存在だった。
『銀の子』は魔力を持たない代わりに、子供を作るときに相手の魔力の邪魔をしない。つまりは、非常に純度の高い魔力を持った子供が生まれてくる。
例えば、火属性の魔力を持つ親と、木属性の魔力を持つ親との子は、火と木、両方の属性への適正を持ち合わせて生まれてくる。
二つの属性が交じり合っている以上、高度な魔法は使えない。もちろん、二つも魔法への適正を持ち合わせるというのは、それはそれで便利ではあるのだが。
一方で、銀の子と水属性の魔力を持つ親との間にできた子供は、混じり気のない水属性魔力持ちとして生まれてくる。
同じ属性同士で子供を作っても、純度の高い魔力もちが生まれることはあるが、『銀の子』との子供と比べて高確率で祖父母世代の属性が現れる。同じ属性同士では、『銀の子』の子供に比べて確実性がないのだ。
高度で強力な魔法であればあるほど、混じりけのない純粋な魔力を必要としてくるため、純度の高い魔力持ちは重要な存在なのだ。
そのため、この国では、『銀の子』には複数の夫ないし妻を持たせ、産めるだけ子供を産め、という法律があった。
人権とは、という疑問はあるのだが、銀の子は大体数万人に一人、という割合でしか生まれてこないので、そもそも反対する人が少ない。加えて、この魔法大国と名高く、生活の基盤がほぼすべて魔法で出来ているこの国で、『銀の子』は選ばれた存在、と誇る人も多い。むしろ、わたしの様に、『銀の子』でありながら結婚なんてしたくない、という存在のほうが稀だった。
さらには、一夫多妻、一妻多夫、という、まるで物語のような制度に、夢を見る人も、多かった。複数の妻に、夫に、溺れる程の愛を受けられる、と。
どこかの恋物語のように。
「――っ!」
下の階から、男の笑い声が聞こえて、わたしの肩はびくりと跳ねた。今の声は、おそらくレノだろう。彼、笑い上戸だし。
複数の夫から愛を受ける、とだけ聞けば、いいものに聞こえるかもしれない。
――でも、わたしのような男が怖くて嫌いな人間からしたら、それは地獄のような生活でしかなかった。
わたし自身、銀の子として生まれたのなら、覚悟を決めないといけないと思ってはいる。健康診断を受け、子供が望めない体ではないことは判明しているのだ。
怖いのも、嫌いなのも、特別わたしが何かされたわけじゃない。どちらかといえば、食わず嫌いに近いだろう。
でも、でも、怖いものは怖いし、嫌なものは嫌なのだ。
結婚をしないといけない年齢が近付き、泣きながら幼馴染であるアリヴィドに相談すると、彼からある一つの抜け道を、提示された。
――ベル、オレとグレイを夫にしないか。
わたしが男を怖がって嫌っている理由を知っているはずなのに、一度に二人とも結婚させるなんて! しかもわたし、グレイなんて人、知らない! と最初は憤っていたものの、話を聞けば、わたしはもろ手を挙げて賛成した。
――オレとグレイは愛し合っているんだ。
二人きりしかいない部屋で、それでもさらに声をひそめて話された言葉。それもそうだ。この国では同性愛というのは、否定されている。法律で禁じられている程ではないが、周りにバレれば後ろ指をさされ、非難され、別れさせられるのは必須である。
わたし自身は恋愛ごと自体に興味がないので、別に同性愛も、異性愛と同じくらいどうでもいい。しかし、周りはそうではない。
魔法で社会が回っているこの国では、魔法を使える人材は必須であり、同時に、次世代を育てることもかなり重要視されている。
それ故の差別。理屈は分かるが、同性愛者たちからしたらたまったものじゃないだろう。
――オレもグレイも、互いにしか性的興味がない。ベルには絶対手を出さない。
互いに互いを隠れ蓑にしないか。そういう交渉だった。
男が怖くて結婚自体したくないわたし。
同性の恋人と、いつまでも一緒にいておかしくない理由が欲しいアリヴィドたち。
まさに利害の一致。
こうして、わたしはアリヴィドとグレイを夫に迎え――その数年後、似たような理由でレノとルトゥールを夫に迎えた。
そして――今に至る。
同性カップル二組とは、そこそこ上手くやれていて、不満はなかった。――わたしたちには。
当然、性交渉などはないので子供が出来ないわけだが、それを国は認めなかった。健康体の男四人と女が一人。それなのに何年も子供に恵まれない。
タイミングもあるだろうし、確立もある。絶対に子供が出来る、ということはないだろうが、新しく男を娶れ、と国から命令されては仕方ない。
国が用意したお見合いの中でも、一番、わたしに興味がなさそうな男を選んだはずなのに。その男――ジェゼベルドは、全然、そんなことなかったのではないかと、すごく、嫌な予感がしてたまらないのだ。
結婚式で、わたしを愛しそうに見る、あの目を見てしまってから。
「――認めます」
五人目の夫となる男――ジェゼベルドと向かい合う。
わたしは、目の前に立つ白いタキシード姿のジェゼベルドを見ながら、神父様の言葉にうなずく。
ジェゼベルドの瞳は、左目こそ髪で見えないが、若葉のような、綺麗な緑色をしていた。
その目が、嬉しそうに細まるのを見て、わたしはドキっとした。
格好良くて、ではない。すさまじく、嫌な予感がして、だ。
しかし、こうして結婚式を執り行っている以上、もはや後には引けない。
そもそも、式の最中でなくとも、この結婚は国から直接命令されているものである。身分だけ見れば平民のわたしは、逆らうことなんて出来るわけがなかった。
「それでは、誓約の口づけを」
神父様の言葉に、わたしはハッとなる。いけない。今は式に集中しなくちゃ。
わたしはジェゼベルドの手を取る。手に力が入らない。
けれども、彼も式の進行は分かっているので、わたしが伸ばした手に、手のひらが上になる様に彼自身が手を置いてくれた。
わたしはその手のひらの上へとキスをする。
夫婦関係において、上下関係が決まっている場合、上になる者から手のひらへとキスをするのがこの国の結婚式の決まりだ。平民間ではあまり行われないが、爵位という分かりやすい上下関係のある貴族では必ず行われるらしい。
手のひらにキスをするのは与える愛をこぼさず受け取りなさい、という意味があるそうだ。
わたしの番が終わると、今度はジェゼベルドがその手をひっくり返し、わたしの手の甲が上になる。
そうして、彼はわたしの手の甲に口づけた。
下の者から上の者にする手の甲へのキスは、敬愛を示す。今ここで手のひらを返したことを最初で最後とし、死ぬまで裏切らない、という宣誓なのだとか。
けれど――。
じい、とわたしを見つめるその瞳は妙に熱っぽく、わたしをどうにも不安にさせた。
――たとえ夫婦になったとしても、それは書類上のもので、色恋の関係にはならないはずなのに。
***
「今日から彼が五人目の夫です。仲良くしてあげてください。わたしは部屋に戻ります。以上です」
結婚式も終わり、近所への挨拶周りを終え、わたしはジェゼベルドを連れて家の店に集まる四人の夫の元へと向かった。
わたしと一番目の夫であるアリヴィドと二人で切り盛りしている食事処は、まれに、夜、夫たちのたまり場となる。その日の余り物でつまみを作り、酒を飲むのが楽しいのだという。わたしはその集まりに参加したことは一度もない。
夫たちの返事も聞かず、ぺっとジェゼベルドをその場に放り出し、わたしは三階へと引っ込む。この家は一階が食事処とその設備、倉庫、二階が水回りとリビング、それから夫たちの部屋、三階がわたしの部屋となっている。
わたしは部屋に戻るなり、ベッドにもぐりこみ、布団を被って枕に向かって叫んだ。
「絶対、ぜぇえったい、失敗した! 失敗したって!」
わたしはいまだにバクバクとうるさい心臓を落ち着かせるように、失敗した、と何度か繰り返した。
あの男――ジェゼベルドは、わたしにとって良くないものだ。そんな気がしてならない。
結婚なんて、本当はしたくなかったのに。ジェゼベルドとだけじゃない。一人目のアリヴィドとも、二人目のグレイとも、三人目のレノとも、四人目のルトゥールとも、結婚したくなかった。
でも、それは国が許さない。
わたしの瞳が銀色である限り。
この国では、魔力がない者は銀の瞳を持つ――通称、『銀の子』として生まれてくる。これは一定確率で、どんな属性の魔力持ち同士で子をなしても、銀の子は生まれる。
現に、わたしの母は瞳が黄色で、父は青。姉や妹はそれぞれ属性の色が目に出ているが、わたしだけが魔力なしの銀色だ。
その『銀の子』は、非常に都合のいい存在だった。
『銀の子』は魔力を持たない代わりに、子供を作るときに相手の魔力の邪魔をしない。つまりは、非常に純度の高い魔力を持った子供が生まれてくる。
例えば、火属性の魔力を持つ親と、木属性の魔力を持つ親との子は、火と木、両方の属性への適正を持ち合わせて生まれてくる。
二つの属性が交じり合っている以上、高度な魔法は使えない。もちろん、二つも魔法への適正を持ち合わせるというのは、それはそれで便利ではあるのだが。
一方で、銀の子と水属性の魔力を持つ親との間にできた子供は、混じり気のない水属性魔力持ちとして生まれてくる。
同じ属性同士で子供を作っても、純度の高い魔力もちが生まれることはあるが、『銀の子』との子供と比べて高確率で祖父母世代の属性が現れる。同じ属性同士では、『銀の子』の子供に比べて確実性がないのだ。
高度で強力な魔法であればあるほど、混じりけのない純粋な魔力を必要としてくるため、純度の高い魔力持ちは重要な存在なのだ。
そのため、この国では、『銀の子』には複数の夫ないし妻を持たせ、産めるだけ子供を産め、という法律があった。
人権とは、という疑問はあるのだが、銀の子は大体数万人に一人、という割合でしか生まれてこないので、そもそも反対する人が少ない。加えて、この魔法大国と名高く、生活の基盤がほぼすべて魔法で出来ているこの国で、『銀の子』は選ばれた存在、と誇る人も多い。むしろ、わたしの様に、『銀の子』でありながら結婚なんてしたくない、という存在のほうが稀だった。
さらには、一夫多妻、一妻多夫、という、まるで物語のような制度に、夢を見る人も、多かった。複数の妻に、夫に、溺れる程の愛を受けられる、と。
どこかの恋物語のように。
「――っ!」
下の階から、男の笑い声が聞こえて、わたしの肩はびくりと跳ねた。今の声は、おそらくレノだろう。彼、笑い上戸だし。
複数の夫から愛を受ける、とだけ聞けば、いいものに聞こえるかもしれない。
――でも、わたしのような男が怖くて嫌いな人間からしたら、それは地獄のような生活でしかなかった。
わたし自身、銀の子として生まれたのなら、覚悟を決めないといけないと思ってはいる。健康診断を受け、子供が望めない体ではないことは判明しているのだ。
怖いのも、嫌いなのも、特別わたしが何かされたわけじゃない。どちらかといえば、食わず嫌いに近いだろう。
でも、でも、怖いものは怖いし、嫌なものは嫌なのだ。
結婚をしないといけない年齢が近付き、泣きながら幼馴染であるアリヴィドに相談すると、彼からある一つの抜け道を、提示された。
――ベル、オレとグレイを夫にしないか。
わたしが男を怖がって嫌っている理由を知っているはずなのに、一度に二人とも結婚させるなんて! しかもわたし、グレイなんて人、知らない! と最初は憤っていたものの、話を聞けば、わたしはもろ手を挙げて賛成した。
――オレとグレイは愛し合っているんだ。
二人きりしかいない部屋で、それでもさらに声をひそめて話された言葉。それもそうだ。この国では同性愛というのは、否定されている。法律で禁じられている程ではないが、周りにバレれば後ろ指をさされ、非難され、別れさせられるのは必須である。
わたし自身は恋愛ごと自体に興味がないので、別に同性愛も、異性愛と同じくらいどうでもいい。しかし、周りはそうではない。
魔法で社会が回っているこの国では、魔法を使える人材は必須であり、同時に、次世代を育てることもかなり重要視されている。
それ故の差別。理屈は分かるが、同性愛者たちからしたらたまったものじゃないだろう。
――オレもグレイも、互いにしか性的興味がない。ベルには絶対手を出さない。
互いに互いを隠れ蓑にしないか。そういう交渉だった。
男が怖くて結婚自体したくないわたし。
同性の恋人と、いつまでも一緒にいておかしくない理由が欲しいアリヴィドたち。
まさに利害の一致。
こうして、わたしはアリヴィドとグレイを夫に迎え――その数年後、似たような理由でレノとルトゥールを夫に迎えた。
そして――今に至る。
同性カップル二組とは、そこそこ上手くやれていて、不満はなかった。――わたしたちには。
当然、性交渉などはないので子供が出来ないわけだが、それを国は認めなかった。健康体の男四人と女が一人。それなのに何年も子供に恵まれない。
タイミングもあるだろうし、確立もある。絶対に子供が出来る、ということはないだろうが、新しく男を娶れ、と国から命令されては仕方ない。
国が用意したお見合いの中でも、一番、わたしに興味がなさそうな男を選んだはずなのに。その男――ジェゼベルドは、全然、そんなことなかったのではないかと、すごく、嫌な予感がしてたまらないのだ。
結婚式で、わたしを愛しそうに見る、あの目を見てしまってから。
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