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それからというもの、わたしを見かけるたびにジェゼベルドは声をかけてきた。緊張と恐怖でたいした返事は出来ないし、何も言わず逃げることも多々あるのだが、それでも彼はわたしに話しかけることをやめない。
何が楽しいのか、いつもにこにこしている。こんな不愛想なわたしに話しかけたところで、何も楽しくないだろうに。
ここまで来ると、別の恐怖が襲ってくるくらいだ。どうしてここまでわたしに愛想よく接することが出来るのだろうか。わたし、何かした? こんなにも好感を持たれるようなこと、なにもしてないと思うんだけど。心当たりが全然ない。
ぐるぐると考えながらも、わたしは手を動かす。体を動かさず頭だけ悩ませるということが出来るような暇はない。もう少し皿を洗っておかないと、今のペースだとちょっと追い付かない。未使用の皿はまだあるけど、下げた食器を置くスペースが少し心もとないのだ。
わたしとアリヴィドがやっている飲食店は、昼食がメインの店で、夕食は週末しかやらない。故に、週末の夕方から夜は平日と違い忙しいのだ。今はその時間。
カウンター席しかない小さな店だが、一番忙しい時間帯には、ありがたいことに行列が出来ることもあるくらいだ。
開店中、調理と料理の提供はカウンターの中にいるアリヴィドの仕事。わたしは皿洗いとレジ打ちが主な仕事で、下処理を済ませたものや、仕込んだ食材がなくなれば、奥の仕込み用のキッチンでそれを作ることもある。
会話を盛り上げながら料理をし、提供する、なんて高度な技術、わたしは持ち合わせていないのだ。相手が女性ならまだしも、男性相手では、会話の展開ですら考えられない。
「おい、会計頼むよ!」
チン、と呼び鈴を押しながら、男の声がした。
「は、はいっ」
わたしは食器を洗う手を止め、手を洗って拭いて、レジへと急ぐ。
流石にレジ対応までアリヴィドにさせるのでは、彼への負担の方が大きすぎる。近所の常連が来ることで成り立っているような小さな店だし、大体が顔見知り。
このくらいなら出来る、と頑張ってはいたのだが――。
「だからぁ、俺が払ったのは銀貨だって! 釣銭足りねえだろうが」
「いえ、あの……」
お釣りが足りない、と騒ぐのは、見ない顔の男性客だった。この店に来たことがない、どころではなく、この辺りで見かけたことすらない。仕事か観光でこっちに来て、店に足を運んでくれたのだろうか。
確かに別の考えごとはしていたが、しっかり受け取ったお金を確認して計算しているので、間違っている、ということはない……はず。
正しい金額のお釣りのはずなのに、男があまりにも自信満々に圧をかけてくるので、自分が間違っているのでは、という気になってくる。
ちらっとアリヴィドを見れば、こちらには気が付いているけれど手が離せない、という様子だった。
ただでさえ忙しいのに、わざわざこちらに来てもらうのは申し訳ない。
わたし一人で何とかしたいと思うのに、ガンガン言われてしまうとどう返していいのか分からなくなってしまう。こっちは間違っていないから折れるのは駄目だし、でも、どう伝えれば納得してもらえるだろうか。
「ごちゃごちゃ言ってねえで、そっちが間違えたんだから差額とっとと出せよ!」
ひと際大きな叫びに、一瞬、店内がシンッとなる。小さな店内での出来事だ。その後すぐに話し声が元に戻る、なんてことはなくて、店内の客が皆、意識をこっちに向けているのが分かる。小さな店では、店内で一つトラブルがあると、皆、一手にそれへと注目するのだ。
もはや泣きそうだった。
情けなさと恐怖で涙腺が刺激されたとき――。
「どうかしましたか?」
わたしの後ろから、ジェゼベルドが姿を表した。いつの間に。確かに、レジのあるカウンターの背後には扉がある。それは、開けばすぐに二階へと続く階段が現れるけど。いつ開いたんだろう。目の前の出来事に対処しようと必死で、全然気が付かなかった。
唐突にジェゼベルドが登場したのに一瞬ひるんだ男性客だったが、すぐに調子を取り戻す。
「このねーちゃんがちゃんと釣銭を払ってくれねえんだよ。俺は銀貨渡したってのによ」
「なるほど?」
口元に手をやり、少し考えるポーズをしながら、ちらりとこちらに目線を寄こしてくる。わたしは、違う、という意思表示をするために、首を横に振るのが限界だった。
「困りましたねえ」
全く困っていなさそうな声音でジェゼベルドが言う。
「――そうだ。もう一度、言ってもらえますか? 本当に銀貨を渡した、というのなら、もちろん、『これ』の前でもちゃんと言えますよね」
そう言って彼が取り出したのは、親指暗いの、小さな魔法道具だった。筒状で、一見すればハンコにも似ているそれは、嘘発見器だった。嘘発見器、というのはあくまで一般庶民が言っているだけで、正式名称はもっとしっかりしたものがある。わたしは覚えていないけど。
この嘘発見器は、発言が嘘であると、赤く光るのだ。実にシンプルな造りのものであるが――一般人が、個人的に持つようなものではない。もちろん、買おうと思えば誰でも買うことができるが、一般に普及していない魔法道具は専門店で買うしかなく、生活に浸透している魔法道具に比べると高額だ。だからみんな、必要ないからと買わない。
罪を犯したことのない人間なら、漫画や劇などの創作物でしか見たことがないはずだ。第二夫のグレイが魔法道具コレクターで、いろんな魔法道具を持っているから、わたしは実物を知っているが。
なんでこんなものを彼は持っているのだろう。グレイと同じで、コレクターなのかな。
二階にいた彼が騒ぎを聞いて、部屋からわざわざ持ってきてくれたんだろうか。三階にいても、よほどの大声であれば幽かに一階の声が聞こえ、騒いでいるのが分かる。二階に居れば、話の内容まで分かるだろう。
嘘発見器を見た男は分かりやすく慌てだし、自ら財布の中身を確認した。
「あ、あー、わりぃな、数え間違いだわ、銀貨あったわ! ……そ、それじゃあ」
男は木のトレーに置いてあった、わたしが置いたお釣りをひったくるように取ると、逃げ帰っていった。
本当に数え間違えたのか、それとも、わたしなら押し切って釣銭を騙し取れると思ったのか。……男の態度を見るに、後者なのだろう。
わたしが気弱な女だから。……男って、本当に嫌い。
――でも、今、わたしを助けてくれたのも、男だ。
「…………」
皆が皆、男だからと言って悪い奴じゃない。そんなのはアリヴィドを見れば分かる。女にだって、悪いやつはいるし。
それは分かった上で、わたしは男が怖いと、忌避し続けてきた。酷い言い分だと、自分でも分かっている。
――でも。でも……。
目の前にいるジェゼベルドを、『男』の枠組みから、外しても、いいのかもしれない。まだちょっと怖いし、全部信用できるわけじゃない。
ただ、それでも、今助けてもらった分だけ、心を譲っても、いいのかもしれない。
「……あ、ありがと」
絞り出すような、お礼の言葉。さっきまでの緊張で、喉がカラカラに乾いてしまっていたのか、自分でもびっくりするくらい、カスカスで、小さな声だった。
それでも、ジェゼベルドは気が付いたらしい。
「いいえ、貴女が困っていたら助けるのは当然です」
にっこりと、輝かしい笑顔を見せるジェゼベルド。笑顔が作り物ではなく、心からの笑顔なので、余計に何を考えているのか分からない。
『銀の子に選ばれた』というステータスが欲しいだけ、とか、そんなつもりで作り笑顔をしてくれる人の方が、よっぽど分かりやすくていい。
……でも、こんなに素敵な笑顔なのだから、そんなことをされたらそれはそれで、ちょっとさみしい、かも。
何が楽しいのか、いつもにこにこしている。こんな不愛想なわたしに話しかけたところで、何も楽しくないだろうに。
ここまで来ると、別の恐怖が襲ってくるくらいだ。どうしてここまでわたしに愛想よく接することが出来るのだろうか。わたし、何かした? こんなにも好感を持たれるようなこと、なにもしてないと思うんだけど。心当たりが全然ない。
ぐるぐると考えながらも、わたしは手を動かす。体を動かさず頭だけ悩ませるということが出来るような暇はない。もう少し皿を洗っておかないと、今のペースだとちょっと追い付かない。未使用の皿はまだあるけど、下げた食器を置くスペースが少し心もとないのだ。
わたしとアリヴィドがやっている飲食店は、昼食がメインの店で、夕食は週末しかやらない。故に、週末の夕方から夜は平日と違い忙しいのだ。今はその時間。
カウンター席しかない小さな店だが、一番忙しい時間帯には、ありがたいことに行列が出来ることもあるくらいだ。
開店中、調理と料理の提供はカウンターの中にいるアリヴィドの仕事。わたしは皿洗いとレジ打ちが主な仕事で、下処理を済ませたものや、仕込んだ食材がなくなれば、奥の仕込み用のキッチンでそれを作ることもある。
会話を盛り上げながら料理をし、提供する、なんて高度な技術、わたしは持ち合わせていないのだ。相手が女性ならまだしも、男性相手では、会話の展開ですら考えられない。
「おい、会計頼むよ!」
チン、と呼び鈴を押しながら、男の声がした。
「は、はいっ」
わたしは食器を洗う手を止め、手を洗って拭いて、レジへと急ぐ。
流石にレジ対応までアリヴィドにさせるのでは、彼への負担の方が大きすぎる。近所の常連が来ることで成り立っているような小さな店だし、大体が顔見知り。
このくらいなら出来る、と頑張ってはいたのだが――。
「だからぁ、俺が払ったのは銀貨だって! 釣銭足りねえだろうが」
「いえ、あの……」
お釣りが足りない、と騒ぐのは、見ない顔の男性客だった。この店に来たことがない、どころではなく、この辺りで見かけたことすらない。仕事か観光でこっちに来て、店に足を運んでくれたのだろうか。
確かに別の考えごとはしていたが、しっかり受け取ったお金を確認して計算しているので、間違っている、ということはない……はず。
正しい金額のお釣りのはずなのに、男があまりにも自信満々に圧をかけてくるので、自分が間違っているのでは、という気になってくる。
ちらっとアリヴィドを見れば、こちらには気が付いているけれど手が離せない、という様子だった。
ただでさえ忙しいのに、わざわざこちらに来てもらうのは申し訳ない。
わたし一人で何とかしたいと思うのに、ガンガン言われてしまうとどう返していいのか分からなくなってしまう。こっちは間違っていないから折れるのは駄目だし、でも、どう伝えれば納得してもらえるだろうか。
「ごちゃごちゃ言ってねえで、そっちが間違えたんだから差額とっとと出せよ!」
ひと際大きな叫びに、一瞬、店内がシンッとなる。小さな店内での出来事だ。その後すぐに話し声が元に戻る、なんてことはなくて、店内の客が皆、意識をこっちに向けているのが分かる。小さな店では、店内で一つトラブルがあると、皆、一手にそれへと注目するのだ。
もはや泣きそうだった。
情けなさと恐怖で涙腺が刺激されたとき――。
「どうかしましたか?」
わたしの後ろから、ジェゼベルドが姿を表した。いつの間に。確かに、レジのあるカウンターの背後には扉がある。それは、開けばすぐに二階へと続く階段が現れるけど。いつ開いたんだろう。目の前の出来事に対処しようと必死で、全然気が付かなかった。
唐突にジェゼベルドが登場したのに一瞬ひるんだ男性客だったが、すぐに調子を取り戻す。
「このねーちゃんがちゃんと釣銭を払ってくれねえんだよ。俺は銀貨渡したってのによ」
「なるほど?」
口元に手をやり、少し考えるポーズをしながら、ちらりとこちらに目線を寄こしてくる。わたしは、違う、という意思表示をするために、首を横に振るのが限界だった。
「困りましたねえ」
全く困っていなさそうな声音でジェゼベルドが言う。
「――そうだ。もう一度、言ってもらえますか? 本当に銀貨を渡した、というのなら、もちろん、『これ』の前でもちゃんと言えますよね」
そう言って彼が取り出したのは、親指暗いの、小さな魔法道具だった。筒状で、一見すればハンコにも似ているそれは、嘘発見器だった。嘘発見器、というのはあくまで一般庶民が言っているだけで、正式名称はもっとしっかりしたものがある。わたしは覚えていないけど。
この嘘発見器は、発言が嘘であると、赤く光るのだ。実にシンプルな造りのものであるが――一般人が、個人的に持つようなものではない。もちろん、買おうと思えば誰でも買うことができるが、一般に普及していない魔法道具は専門店で買うしかなく、生活に浸透している魔法道具に比べると高額だ。だからみんな、必要ないからと買わない。
罪を犯したことのない人間なら、漫画や劇などの創作物でしか見たことがないはずだ。第二夫のグレイが魔法道具コレクターで、いろんな魔法道具を持っているから、わたしは実物を知っているが。
なんでこんなものを彼は持っているのだろう。グレイと同じで、コレクターなのかな。
二階にいた彼が騒ぎを聞いて、部屋からわざわざ持ってきてくれたんだろうか。三階にいても、よほどの大声であれば幽かに一階の声が聞こえ、騒いでいるのが分かる。二階に居れば、話の内容まで分かるだろう。
嘘発見器を見た男は分かりやすく慌てだし、自ら財布の中身を確認した。
「あ、あー、わりぃな、数え間違いだわ、銀貨あったわ! ……そ、それじゃあ」
男は木のトレーに置いてあった、わたしが置いたお釣りをひったくるように取ると、逃げ帰っていった。
本当に数え間違えたのか、それとも、わたしなら押し切って釣銭を騙し取れると思ったのか。……男の態度を見るに、後者なのだろう。
わたしが気弱な女だから。……男って、本当に嫌い。
――でも、今、わたしを助けてくれたのも、男だ。
「…………」
皆が皆、男だからと言って悪い奴じゃない。そんなのはアリヴィドを見れば分かる。女にだって、悪いやつはいるし。
それは分かった上で、わたしは男が怖いと、忌避し続けてきた。酷い言い分だと、自分でも分かっている。
――でも。でも……。
目の前にいるジェゼベルドを、『男』の枠組みから、外しても、いいのかもしれない。まだちょっと怖いし、全部信用できるわけじゃない。
ただ、それでも、今助けてもらった分だけ、心を譲っても、いいのかもしれない。
「……あ、ありがと」
絞り出すような、お礼の言葉。さっきまでの緊張で、喉がカラカラに乾いてしまっていたのか、自分でもびっくりするくらい、カスカスで、小さな声だった。
それでも、ジェゼベルドは気が付いたらしい。
「いいえ、貴女が困っていたら助けるのは当然です」
にっこりと、輝かしい笑顔を見せるジェゼベルド。笑顔が作り物ではなく、心からの笑顔なので、余計に何を考えているのか分からない。
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