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第一部
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ザムさんを見つけて、無事にダンジョンから脱出して。ひいさまとショドーに嫉妬され怒られるという一大イベントをやりすごし、安心して寝た、次の日。
今日こそが、わたしにとって、本当の一大事だということに、翌日になって気が付いた。
「……いや、仕事、どうしよう」
朝、目が覚めて、ベットの上で、眠気と格闘しながらアルベアちゃんの朝ごはんのことを考えていて――ようやく気が付いたのだ。
わたしがここにいるのは、アルベアちゃんの世話係として。ザムさんが見つかったのだから、当然、アルベアちゃんはザムさんの元へ。わたしはお役御免。
すっかりアルベアちゃんのお世話が楽しくて、ここが一時的な仕事場であることを失念していた。だって、猫の世話をするだけの簡単なお仕事が実在したんだもん。猫にご飯あげて、ブラッシングして、なでて、触れ合うだけの簡単な仕事で、十二分の成果をもらえたんだもん。
ショドーとひいさまを養えればどんな仕事でもいい、とは思っていたけれど、最初についた仕事が最高すぎて、次にまともな仕事につける気がしない。しかも住み込みだったから、住む場所から探さないと駄目だ。
えっ、結構大変じゃない?
アルベアちゃんのお世話でもらっていた給料がまだ残っているので、もうしばらくはここに泊まって、ご飯を食べることもできるとは思うが、いつまでもいられるとは思えない。
――早急に新しい仕事を探さねば。
わたしのお腹の上にのっていたショドーの頭をなでながら、そんなことを決意する。
とはいえ、なんの仕事につけるんだろう、わたしって。
この国はスキル至上主義らしいし、こんなでも、つい最近まで世間知らずのお嬢様だったのだ。
しかも、この国って、わたしが生まれ育ったゼインラーム王国より治安悪いし。いや、ゼインラーム王国の基準がおかしいだけで、あそこに比べたら大体の国は治安が悪いけど。
でも、ちょっと隣の家まで、くらいならまだしも、普通に夜の一人歩きが危険だといわれるくらいには治安が悪いので、前世と比べても物騒だとは思う。
そんな場所だから、夜間帯の仕事は無理だし、そもそも夜になる前に家につける仕事じゃないと。加護クラスだと仕事には困らない、とスキル鑑定所のお姉さんは言っていたけれど、わたしの加護ってすごく限定的だしそこそこ苦労しそう。
誰にでもやれそうな仕事、と言ってしまうとその仕事の人に怒られそうではあるけど、就くためのハードルが低い仕事ならなんとかなるかな?
もう一度、スキル鑑定所に戻って仕事の案内をしてもらうのが一番早いかな、と考えていると、ひいさまが顔面に遠慮なくのってきた。これは朝食の催促だな。
目が覚めたならさっさと起きて朝食の準備をしろ、ということらしい。
わたしは一旦、思考を放棄して、愛しい猫ちゃんたちのためにご飯を用意するのだった。
今日こそが、わたしにとって、本当の一大事だということに、翌日になって気が付いた。
「……いや、仕事、どうしよう」
朝、目が覚めて、ベットの上で、眠気と格闘しながらアルベアちゃんの朝ごはんのことを考えていて――ようやく気が付いたのだ。
わたしがここにいるのは、アルベアちゃんの世話係として。ザムさんが見つかったのだから、当然、アルベアちゃんはザムさんの元へ。わたしはお役御免。
すっかりアルベアちゃんのお世話が楽しくて、ここが一時的な仕事場であることを失念していた。だって、猫の世話をするだけの簡単なお仕事が実在したんだもん。猫にご飯あげて、ブラッシングして、なでて、触れ合うだけの簡単な仕事で、十二分の成果をもらえたんだもん。
ショドーとひいさまを養えればどんな仕事でもいい、とは思っていたけれど、最初についた仕事が最高すぎて、次にまともな仕事につける気がしない。しかも住み込みだったから、住む場所から探さないと駄目だ。
えっ、結構大変じゃない?
アルベアちゃんのお世話でもらっていた給料がまだ残っているので、もうしばらくはここに泊まって、ご飯を食べることもできるとは思うが、いつまでもいられるとは思えない。
――早急に新しい仕事を探さねば。
わたしのお腹の上にのっていたショドーの頭をなでながら、そんなことを決意する。
とはいえ、なんの仕事につけるんだろう、わたしって。
この国はスキル至上主義らしいし、こんなでも、つい最近まで世間知らずのお嬢様だったのだ。
しかも、この国って、わたしが生まれ育ったゼインラーム王国より治安悪いし。いや、ゼインラーム王国の基準がおかしいだけで、あそこに比べたら大体の国は治安が悪いけど。
でも、ちょっと隣の家まで、くらいならまだしも、普通に夜の一人歩きが危険だといわれるくらいには治安が悪いので、前世と比べても物騒だとは思う。
そんな場所だから、夜間帯の仕事は無理だし、そもそも夜になる前に家につける仕事じゃないと。加護クラスだと仕事には困らない、とスキル鑑定所のお姉さんは言っていたけれど、わたしの加護ってすごく限定的だしそこそこ苦労しそう。
誰にでもやれそうな仕事、と言ってしまうとその仕事の人に怒られそうではあるけど、就くためのハードルが低い仕事ならなんとかなるかな?
もう一度、スキル鑑定所に戻って仕事の案内をしてもらうのが一番早いかな、と考えていると、ひいさまが顔面に遠慮なくのってきた。これは朝食の催促だな。
目が覚めたならさっさと起きて朝食の準備をしろ、ということらしい。
わたしは一旦、思考を放棄して、愛しい猫ちゃんたちのためにご飯を用意するのだった。
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