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第一部
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ちら、とアルテフの方を見れば、それはもう、誇らしげな顔をしていた。母親から、今日は口を出してはいけない、とでも言われているのか、彼が何か言うことはなかったけれど、今にも、「すごいでしょ?」と言いたそうな表情だ。
わたしはオリーテに代金を払ってもらう。アルテフの母親がオリーテとお金のやりとりをしている間に、アルテフがハンカチをプレゼント用にハンカチを包んでくれている。あれだけのハンカチを作れる人なだけあって、包装も綺麗なものだ。わたしだったら、何歳になっても、アルテフの器用さに追いつける気がしない。
「今回はありがとうございました。機会があれば、また、ぜひお願いしたいですわ」
オリーテが商品を受け取ったのを見計らって、わたしは言う。わたしの言葉に、緊張していた様子のアルテフの母親が、少しばかり、安堵の表情を見せた。
そりゃあ、普段の客層と思わしき人達よりも、ずっと上の侯爵家のお嬢様がお客様だものね。緊張もするか。
わたしが直接出張ってくるよりも、オリーテだけに取りに行かせた方が、母親からしたらありがたかったのかな。まあ、彼女には悪いが、わたしはわたしで、事情があるので。
とはいえ、アルテフの母親がいるのであれば、アルテフ自身に話しかけることは難しいわね。ちょっとした雑談ができるような間柄ではない。
前回のように、少しでも話しかけられれば、と思っていたけれど、よく考えたら――いや、よく考えなくたって、店主である親が出てくるに決まっている。前回、普通に雑談ができたこと、ゲーム内では当たり前のようにフィトルーネとアルテフが会話をしていたから、すっかりその辺りの考えが抜け落ちていた。
シュテルビリ―が、貴族御用達ならまだ少しは日常的な会話もできただろうけど……。
この国で、貴族の御用達店として認められ、宣伝に使ってもいいのは、貴族家そのものとの取引があるところだけだ。わたし個人が気に入って使ったとしても、それは贔屓にしている店、というだけで、御用達店は名乗れない。
それでも、わたし個人としては、また買いたいものである。アルテフの実家だから、というのもあるけれど、純粋に、技術力の高さにほれ込んだのもある。ゲームの中のイラスト以上に、素晴らしいものがあった。
次はハンカチ以外の物を頼もう。
きっとこれなら、セルニオッド様も気に入ってくれるだろう。
喜ぶセルニオッド様の顔を想像しながら、わたしは帰路へと着いた。
わたしはオリーテに代金を払ってもらう。アルテフの母親がオリーテとお金のやりとりをしている間に、アルテフがハンカチをプレゼント用にハンカチを包んでくれている。あれだけのハンカチを作れる人なだけあって、包装も綺麗なものだ。わたしだったら、何歳になっても、アルテフの器用さに追いつける気がしない。
「今回はありがとうございました。機会があれば、また、ぜひお願いしたいですわ」
オリーテが商品を受け取ったのを見計らって、わたしは言う。わたしの言葉に、緊張していた様子のアルテフの母親が、少しばかり、安堵の表情を見せた。
そりゃあ、普段の客層と思わしき人達よりも、ずっと上の侯爵家のお嬢様がお客様だものね。緊張もするか。
わたしが直接出張ってくるよりも、オリーテだけに取りに行かせた方が、母親からしたらありがたかったのかな。まあ、彼女には悪いが、わたしはわたしで、事情があるので。
とはいえ、アルテフの母親がいるのであれば、アルテフ自身に話しかけることは難しいわね。ちょっとした雑談ができるような間柄ではない。
前回のように、少しでも話しかけられれば、と思っていたけれど、よく考えたら――いや、よく考えなくたって、店主である親が出てくるに決まっている。前回、普通に雑談ができたこと、ゲーム内では当たり前のようにフィトルーネとアルテフが会話をしていたから、すっかりその辺りの考えが抜け落ちていた。
シュテルビリ―が、貴族御用達ならまだ少しは日常的な会話もできただろうけど……。
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それでも、わたし個人としては、また買いたいものである。アルテフの実家だから、というのもあるけれど、純粋に、技術力の高さにほれ込んだのもある。ゲームの中のイラスト以上に、素晴らしいものがあった。
次はハンカチ以外の物を頼もう。
きっとこれなら、セルニオッド様も気に入ってくれるだろう。
喜ぶセルニオッド様の顔を想像しながら、わたしは帰路へと着いた。
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