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第一部
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「そう、サネア嬢も知らないのね……」
「最近、一番の仲良しだったのに違うんだ」
二人の言い方が、ぐさり、とわたしを刺す。
――せっかく、順調だったのに。
わたしの身の周りで、怖いくらいに物事がドンドンいい方向に進んでいるように、セルニオッド様の周りも、何か変化があったのだろうか。わたしの知らない、知りえない何かが。
もしかして、わたしと攻略対象たちとの邂逅が早まったように、セルニオッド様とフィトルーネとが、既に出会った、とか……?
社交界に出席できる年齢ではない子供の貴族・王族が、婚約者や親同士のつながりがない以上、ちゃんと面識を持ち、交流できるようになるのは高等学院から。
フィトルーネ自身に、子供の頃からセルニオッド様と直接関われるようなツテはない。彼女がセルニオッド様を直接見ることができたのすら、高等学院に入ってから。
でも、今回は、あまりにもイレギュラーが多すぎて、絶対にありえない、と言い切れない。フィトルーネだって、正真正銘貴族の娘。しかも、生家の爵位だって、別に低くはない。二人が幼少期に出会うことが、可能性として無視できるものだったとしても、不可能では、ないのだ。
わたしの身の回りのことばかりに気を取られて、フィトルーネのことは考えもしなかった。高等学院に入ってからでいいわ、と。
フィトルーネも、平民二人やルイネオスのように、高等学院前に出会えるような人物ではない。だから、完全に油断していた。
こんなにも、早い段階でセルニオッド様とフィトルーネが恋に落ちてしまったら、わたしはどうしたらいいの。
今まで、セルニオッド様がフィトルーネと恋愛をするのは、ゲームと同じタイミングで、それ以前だったことは一度もない。学院に入学するまで、面識がなかったのだから、当たり前だと言えば当たり前なのだ。
でも、そのおかげで、わたしは、婚約者の肩書を使って、フィトルーネにあれこれ言うことができた。そういう立場だった。
けれど――子供の頃から恋愛関係に発展してしまったら、そもそも婚約者を挿げ替えることだって、できるはず。わたしが、彼の婚約者として、水面下では認められ、ルイネオスと直接挨拶を交わしたことなんて、関係ない。学院に入学するまでは時間がある。婚約者を変えることだって、簡単ではないが、不可能でもない。
悪い考えばかりが、ぐるぐると頭をめぐる。
うまくいったと思っていたのはわたしだけで、実際は、全然そんなこと、なかったのではないの。
わたしは、強い不安を逃したくて、ぎゅ、と太ももあたりのスカートを握りしめた。
「最近、一番の仲良しだったのに違うんだ」
二人の言い方が、ぐさり、とわたしを刺す。
――せっかく、順調だったのに。
わたしの身の周りで、怖いくらいに物事がドンドンいい方向に進んでいるように、セルニオッド様の周りも、何か変化があったのだろうか。わたしの知らない、知りえない何かが。
もしかして、わたしと攻略対象たちとの邂逅が早まったように、セルニオッド様とフィトルーネとが、既に出会った、とか……?
社交界に出席できる年齢ではない子供の貴族・王族が、婚約者や親同士のつながりがない以上、ちゃんと面識を持ち、交流できるようになるのは高等学院から。
フィトルーネ自身に、子供の頃からセルニオッド様と直接関われるようなツテはない。彼女がセルニオッド様を直接見ることができたのすら、高等学院に入ってから。
でも、今回は、あまりにもイレギュラーが多すぎて、絶対にありえない、と言い切れない。フィトルーネだって、正真正銘貴族の娘。しかも、生家の爵位だって、別に低くはない。二人が幼少期に出会うことが、可能性として無視できるものだったとしても、不可能では、ないのだ。
わたしの身の回りのことばかりに気を取られて、フィトルーネのことは考えもしなかった。高等学院に入ってからでいいわ、と。
フィトルーネも、平民二人やルイネオスのように、高等学院前に出会えるような人物ではない。だから、完全に油断していた。
こんなにも、早い段階でセルニオッド様とフィトルーネが恋に落ちてしまったら、わたしはどうしたらいいの。
今まで、セルニオッド様がフィトルーネと恋愛をするのは、ゲームと同じタイミングで、それ以前だったことは一度もない。学院に入学するまで、面識がなかったのだから、当たり前だと言えば当たり前なのだ。
でも、そのおかげで、わたしは、婚約者の肩書を使って、フィトルーネにあれこれ言うことができた。そういう立場だった。
けれど――子供の頃から恋愛関係に発展してしまったら、そもそも婚約者を挿げ替えることだって、できるはず。わたしが、彼の婚約者として、水面下では認められ、ルイネオスと直接挨拶を交わしたことなんて、関係ない。学院に入学するまでは時間がある。婚約者を変えることだって、簡単ではないが、不可能でもない。
悪い考えばかりが、ぐるぐると頭をめぐる。
うまくいったと思っていたのはわたしだけで、実際は、全然そんなこと、なかったのではないの。
わたしは、強い不安を逃したくて、ぎゅ、と太ももあたりのスカートを握りしめた。
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