逝き場所をさがして外伝~ナズナの花は花開かない~

真憂

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ナズナの蕾が芽吹く時

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物心ついた時から私の呼び名は「ブス」だった。

あだ名ではない。呼び名だ。みんな当然の事実の様に私を「ブス」と呼ぶ。

「おいブス、黒板消し取ってきて」

「ブス、テスト前のプリントお願いね。」

「ブス、掃除当番変わってくんない?」

自分に名前があることを忘れそうだった。みんなだって忘れているのではないだろうか。そしてそれは当たり前の事実なのだ。…私が「ブス」だということは。そんなことも考えないくらい私はその事実に慣れきっていた。

でも、心の中で諦めきれてはいなかった。可愛い洋服に興味があったし、みんなと同じキャラものの文房具を持ちたかった。

でも、私がそんなことしたら…「ブス」から「人間以下」に扱いが格下げになるかもしれない。だから、怖くてできない。

そんな私を唯一名前で呼んでくれるのは、担任の男性教師だった。何故か私の事を優等生扱いしてくれるし、中年でちょっとなよなよしてるけど私にとってはかっこよかった。そんな先生の事を好きだったし、尊敬もしていた。…今思えば恋もしていたと思う。

おかしいと思うだろう。中年のおじさんに小学生女子が恋をするなんて。私はきっと根っからの売春気質なのだろう。そしてそうなるしかないくらい私の境遇は絶望的だった。

「赤池、ちょっと来れるか?」

小学生のいつ頃だったのだろう。田舎で1クラスしかないからその人がずっと担任だった。そして「そんな気」を起こすくらいだから発育し始めた時期だったのだろう。

大好きな先生だったので、もちろんついていった。連れていかれた先は体育倉庫で、先生は入るなり鍵をぴっちり閉めた。

「これからする事は、誰にも内緒な。赤池ならできるよな?」

喜色満面で私が頷くと、先生は行為を始めた。

始めは足や胸を撫で回され、気がつくと下着を脱がされていた。先生が私に馬乗りになる。私の中に入ってくる。

私は…普通の女の子ならトラウマになる体験だろう。それなのに、そのセックスの時、興奮してすっごく濡れた事を覚えている。

「…せっ、先生…」

「なんだ?気持ちいいか?」

「はい…すっごく…あの…」

私は勇気をだして言った。

「キス…してください…」

その途端、先生の表情が一変した。私を蔑む顔になる。

「…顔見ないようにすりゃイケたのによ。俺の言いなりになるから穴だけ使ってるだけだ。自惚れんじゃねーよ。」

先生が体育倉庫を出ていく。私は自分の股に垂らされた男の液をしばらく感じていた。

そして。

先生が他の人と同じだったこと。

私がブスということは曲げられない事実であること。

自分が普通の女の子ではないことを知った。

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