ひとりで生きたいわけじゃない

秋野小窓

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【3】セブにて

3-25:城崎side

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 部屋に戻り、直居君をベッドに寝かせる。今日も俺の部屋で寝たいと言うので、手前のベッドに誘導した。
 ーーさすがにこの状態の彼と同じベッドで寝られるほど、人間できてもいないし枯れてもいない。

 それにしても、この子は一体いくつの顔を持っているのか。昼間に見た子どものようなはしゃぎ方からは、想像もつかない。こんな色っぽい眼をするなんて……。

「気分悪くないか?」
「ん……だいじょぶです」

 枕元にペットボトルの水を置いてやる。

「きのさきさん……?」

 ベッドから離れようとすると、シャツの裾を掴まれる。

 ーーうっ……そのトロ顔で名前呼ばれるの、ヤバい。

「行っちゃやだ……」

 昨夜から、甘えてくれるようになった直居君。その変化は心から嬉しい。が、今くっついたらいろいろとマズい。

「怖くなっちゃった?」

 問うと、ふるふる、と首を横に振る。

「シャワー浴びてくるよ。電気点けとくからね」
 
 きゅっと結ばれている唇に口づけたい衝動を飲み込む。
 シャツからそっと外した彼の右手。その爪先をとり、ちゅ、と唇を落とす。親愛のサインだ。これくらいは許してほしい。
 怖がらせていないか、彼の表情をちらりと確認すると、濡れた瞳と視線が合う。痛いくらいに、胸がドクンとひとつ脈打った。

「すぐ戻ってくるよ。寝てていいからね」

 自分の中の狼を鎮めなければ。
 バスルームに向かい、シャワーで汗を流す。同時に、自身を慰める。


++++++++++++++++++

お読みいただきありがとうございます!
次のページはR18シーンになります。
苦手な方は1話飛ばしてお進みください。
※城崎の妄想ページです(笑)。飛ばしてもストーリーに影響ありません。
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