ひとりで生きたいわけじゃない

秋野小窓

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【9】花開く

9-9:潤side

 今日こそ、僕を全部もらってほしい。リンさんに教わったとおり、そしてネットでもいろいろ調べたとおりに準備をしてから貴矢さんを招いた。

 貴矢さんにそういう気分になってほしくて、自分からくっついたり、その、アレを口でしたりしてみたんだけど。
 まさか、自分で準備しておいたらダメだったなんて。リンさんからはたしかに、

『城崎さん、俺がしたかったとか言うかもねー』

と言われていた。

『でも、潤くんに痛い思いしてほしくないし。いざとなったら、おちんぽ早く挿れてほしかったからぁ~って甘えれば大丈夫』

 そんな風にリンさんに言われたとおりにしたのに、僕の甘え方が下手だったのか、貴矢さんを不機嫌にさせてしまった。

 僕がひとりでしているところ、見せてって……多分、射精のためのそれじゃなくて、後ろをいじってるところのことだよね……?
 想像しただけで、恥ずかしくて消えたくなる。でも、もうしてくれないなんて、絶対嫌だ。貴矢さんにしてほしくて準備したのに、そのせいでしてもらえないなんて意味分からないじゃないか。

「俺の、挿れてほしい?……じゃあ、今度ひとりでしてるところ見せてくれるよね?」

 欲しい。貴矢さんが欲しい。
 だから、僕は頷くしか選択肢を持っていなかったんだ。

 貴矢さんはとろけるような笑顔でキスしてくれた。さっきまでの不機嫌さはどこかにいってしまったみたいに。僕の返事が間違ってなかったんだと思い、ほっとする。

 キスをしながら、貴矢さんは僕の中にまた指を入れてくれた。

「あ………」

 自分でするのと全然違う。貴矢さんの長くてすらっとした指が、奥の方まで届いている。
 さっきまでの動きともまた違って、今度は優しい。挿れるためのウォーミングアップをしてくれているんだろう、2本の指を広げながら、入り口のサイズを少しずつ変えてくれているのが分かる。
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