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本編
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え、じゃあ、あれは現実で、鹿賀さんに抜いてもらった……ってこと?
でも、起きて確認したら、下着も無事だったんだ。いや、そうか。つまり。
「その、事後処理、的なことも、鹿賀さんが……?」
「ええ、もちろん。その時に、あまり溜めないよう次から僕が手伝うということで約束したんですが。それも覚えていないということですよね」
「…………大変申し訳ございませんでした」
膝につきそうなほど頭を下げる。というかもう顔を上げたくない。死にたい。
「いえいえ、謝らないでください。それでは、今日急に触れられてびっくりしましたよね。こちらこそ申し訳ありませんでした」
睡眠薬の影響か、目が覚めてからも強く眠気が残ったり、意識がぼんやりして記憶が曖昧になったりすることが今までもあった。鹿賀さんのせいではないし、謝られるのは違う。顔を上げて、横に振った。
「ひとつだけ、確認したいのですが」
「は、はい」
「その夢は、優太君にとって不快でしたか?」
鹿賀さんの話が本当なら、あれは夢ではないのだろうが、俺に合わせて言葉を選んでくれたのがわかる。その気遣いが、胸にじんわり沁みて、俺の口を素直に開かせた。
「不快じゃないです、全然」
「よかった」
むしろ気持ちよかった。思い出して、変な気分になりそうになる。
でも、起きて確認したら、下着も無事だったんだ。いや、そうか。つまり。
「その、事後処理、的なことも、鹿賀さんが……?」
「ええ、もちろん。その時に、あまり溜めないよう次から僕が手伝うということで約束したんですが。それも覚えていないということですよね」
「…………大変申し訳ございませんでした」
膝につきそうなほど頭を下げる。というかもう顔を上げたくない。死にたい。
「いえいえ、謝らないでください。それでは、今日急に触れられてびっくりしましたよね。こちらこそ申し訳ありませんでした」
睡眠薬の影響か、目が覚めてからも強く眠気が残ったり、意識がぼんやりして記憶が曖昧になったりすることが今までもあった。鹿賀さんのせいではないし、謝られるのは違う。顔を上げて、横に振った。
「ひとつだけ、確認したいのですが」
「は、はい」
「その夢は、優太君にとって不快でしたか?」
鹿賀さんの話が本当なら、あれは夢ではないのだろうが、俺に合わせて言葉を選んでくれたのがわかる。その気遣いが、胸にじんわり沁みて、俺の口を素直に開かせた。
「不快じゃないです、全然」
「よかった」
むしろ気持ちよかった。思い出して、変な気分になりそうになる。
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