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5 ナイトと一騎打ち
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「虎吉さま、これでそのオークを倒せます!」
ルナどのが某に何か術をかけたようだ。
そのせいか己の身体から光が発せられ大きな力を感じた。
先ほどよりも速く豚の魔物に突進した。
そして豚の魔物が反応するより早く、豚の魔物の手をひねりあげ、投げ飛ばした。
「【剣撃(ソードアタック)】!」
後ろでアイネどのが何かを唱えた。
「俺も手を貸そう。早く片付けるぞ」
ロベルトも様子が変わった。
何かをまとったかのように薄らと青い光が見える。
「武士よ、お前はそのオークを倒せ。俺は残りの奴らを相手しよう」
ロベルトが剣を正眼に構えた。
相手は5人いるがロベルトはひるむことなく無く敵に剣を向けた。
「このやろう!」
ならず者どもらが一斉にロベルトに攻撃した。
「むん!」
ロベルトが刃の側面で1匹の敵を吹き飛ばした。
右にいたもう1匹がロベルトと同じロングソードで斬りつけようとした。
ロベルトは一歩下がり、敵の刃を下に落とした。軽い力で落としたが敵の刃は地面に叩きつけられ敵の腕はしびれた。
ロベルトは刃の側面で敵の頭を叩いた。
敵は地面に大の字になった。
敵の中には少し覚えのある腕でロベルトの剣を防ごうとしたが、ロベルトの華麗にして強烈な一撃は防御不能だった。
一匹の妖怪が盾で身を守りながら刀で攻撃したが、ロベルトはその盾を真っ二つにしてしまった。
「命まではとらん。立ち去れ!」
ロベルトによってオーク以外のならず者達は逃げ出した。
残ったのは虎吉とオークの一対一だけになった。
「ちきしょう・・・」
オークは額から汗を流した。
「とりあえずは一発痛いのを入れてやる。それで帰してやる」
「くっ、もう容赦しねえ!」
オークが腰に差していた大きな金槌を抜くと振り回した。
周りの卓やら窓をお構いなしにぶち壊しながら、避ける某を攻撃し続けた。
先ほどまでは、隙だらけの動きなのになぜか躱せなかった動きが今は軽々と躱せた。
「くらえ!」
オークの片膝に蹴りを入れた。
オークが姿勢を崩すと顎に掌底を入れた。
「が・・・は・・・」
オークは倒れた。
その仰向けになったオークの顔面に拳を打ち下ろそうとした。
「すっすみませんでした・・・こ、こんな強いおかた・・・」
オークが謝りだした。
「その左手に何を握っている?」
謝っているオークの左手を見逃さなかった。左手を腰の後ろに回している。
オークの左手を思いっきり踏みつけ、オークが握っていた短刀を奪い取った。
「よし、そこまでだ!」
数名の兵が店の中に入ってきた。
「マネージャー、このオークで間違いないな?」
「イエス、早く連れて行ってくれ」
兵がマスターに確認すると、兵は豚の妖怪を縛り上げた。
「ちゃんと弁償してもらうからね。アンダスタンド?」
マスターがオークの額に何か書かれた紙を貼り付けた。オークは兵に連れて行かれた。
「少し邪魔は入ったが・・・始めよう」
ならず者どもらが消えるとロベルトが果たし合いの再会を申し出た。
「どこでやるんだ?」
「マスター、裏庭を借りるぞ」
「オーケー」
マスターが裏手の扉を開けた。外に出ると、決闘には丁度良い広さの裏庭があった。
「なるほど、ここで勝負か」
「虎吉さま、刀を出して下さい」
ルナどのが、太刀を出すように言ってきたので某は太刀を出した。
ルナどのが呪文を唱えた。
「【保護(プロテクション)】!」
ルナどのが某の太刀に何かした。
「しばらく刀の刃に効能魔術をかけました。これで思う存分戦っても斬れることはありません」
某は太刀を見たが何も変わってはいない気がした。
「それと・・・」
再びルナどのが呪文を唱えた。
「【解除(キャンセレーション)】!」
身体が普通に戻ったような気がした。
「ルナどの、これは一体?」
「早くしろ、武士!」
ロベルトが既に裏庭の真ん中に立っていた。
剣を下に向けて待ちきれないようだった。
「後で説明しますので、今は決闘をやりましょう」
「はい」
某も真ん中に立ってロベルトと対峙した。
「武士だか何だか知らんが誇り高きナイトの強さを見せてやる!」
ロベルトが胸の前で剣を十字に切って、切っ先を某に向けて構えた。
某も太刀を正眼に構えた。
ロベルトが突いてきた。
鋭い突きを紙一重で躱した。
今度はこちらから距離を詰めて相手の首めがけて太刀を振り下ろした。
「あまい!」
ロベルトは某の太刀を捌くと、素早く切り替えして、某の足を狙った。
某は間一髪避けた。
刃渡り2尺5寸(75センチ)ほどの分厚い剣を鮮やかに振り回す。ロベルトが正眼の構えから某の左に回り込もうとしている。
ザッ!
一気に間合いを詰めて右から切り上げた。
ガン!
ロベルトはその太刀を受け止めた。
太刀が折れそうなほどの衝撃を感じた。
ロベルトがそのまま某の胸を突こうとした。
間一髪避けた。
口から笑みがこぼれると共に背筋に冷や汗が流れる。
ロベルトの剣の一撃をまともに受け止めたら、体勢が崩れそうだ。
奴もそれを狙っているのだろう。
「ならば!」
太刀を納めた。
股をもう一度緩め直した。
「何故、太刀を納める?降伏か!?」
「降伏?武士に降伏なんて無い。好きに攻撃してみろ」
「くっなんという侮辱!許さん!」
ロベルトが剣を八相に構えた。
虎吉の左へと回り始める。
「むん!」
シャキン!
振り下ろした一撃を右に躱しながら鞘から瞬時に太刀を抜き、ロベルトの手首を抑えた。
ロベルトの動きが止まった。
「見えたか?先ほどの某の動きが・・・」
「くっ!」
ロベルトが太刀を払いのけようとした。
瞬時に太刀をロベルトの首に当てた。
「勝負ありだ」
「くっ・・・この依頼は騎士の強さを見せるために私がやる」
「はぁ!?お前今負けただろ。素直に認めろ!」
「譲ってくれ!」
「いやだ。譲る気はもうとう無い!」
決闘からお互い変な意地のぶつかり合いになってしまった。しかし、こちらも決闘で勝ったのに依頼を譲るのは納得出来ん。
「どちらかが先に依頼をコンプリートしたら良いんじゃないの?」
見ていたマスターが2人に提案した。
「別に依頼は冒険者ワンペアだけって決まりは無いからさ。冒険者達が集まって依頼をこなすこともあるし、今回はどちらかが先にコンプリートできたらそれで勝ちってことで良いんじゃ無い?」
マスターの提案を我らは承諾した。
「「よし!」」
* * *
虎吉達がシャドで依頼を引き受けていたとき、テイチの森の中で、40匹のリザードマン達がいた。
その中にひときわ大きなリザードマンがいた。
「どこも動いていないのか?」
「もちろんだ。帝国も、彼らの必死の忠誠に10ネン前の事件は解決済みの姿勢でいる。ノム国も、テイチで野党が暴れているという情報しか入って無く、冒険者か、帝国自らが解決するべきとの姿勢だ」
大きなリザードマンはフードを深々とかぶった数名の男達と話をしていた。
「それならば、俺たちは動くぜ」
「ただし、エルフ達と商売をしている商人がギルドに君たちの依頼を出したようだ。君たちを退治しようとする冒険者が来るかもしれない」
「ふん、来たらそいつらの頭を叩き潰してやる」
「君たちの働きに期待しよう」
話が終わると、フードの男達は立ち去り、大きなリザードマンは仲間の元にもどった。
「お、お頭先にやってますぜ!」
リザードマンの野党の頭が戻ると仲間達は酒に酔っ払っていた。
「しかし、お頭も大胆なことをしますねー。テイチの近くでこんなことしようなんて肝っ玉が座ってるぜ。しかしエルフどもらは反撃してこないんですか?」
「しねぇよ。なんせ・・・」
巨大なリザードマンは瓢箪に入った酒をがぶ飲みした。
「やつらは平和を愛してんだよ」
ルナどのが某に何か術をかけたようだ。
そのせいか己の身体から光が発せられ大きな力を感じた。
先ほどよりも速く豚の魔物に突進した。
そして豚の魔物が反応するより早く、豚の魔物の手をひねりあげ、投げ飛ばした。
「【剣撃(ソードアタック)】!」
後ろでアイネどのが何かを唱えた。
「俺も手を貸そう。早く片付けるぞ」
ロベルトも様子が変わった。
何かをまとったかのように薄らと青い光が見える。
「武士よ、お前はそのオークを倒せ。俺は残りの奴らを相手しよう」
ロベルトが剣を正眼に構えた。
相手は5人いるがロベルトはひるむことなく無く敵に剣を向けた。
「このやろう!」
ならず者どもらが一斉にロベルトに攻撃した。
「むん!」
ロベルトが刃の側面で1匹の敵を吹き飛ばした。
右にいたもう1匹がロベルトと同じロングソードで斬りつけようとした。
ロベルトは一歩下がり、敵の刃を下に落とした。軽い力で落としたが敵の刃は地面に叩きつけられ敵の腕はしびれた。
ロベルトは刃の側面で敵の頭を叩いた。
敵は地面に大の字になった。
敵の中には少し覚えのある腕でロベルトの剣を防ごうとしたが、ロベルトの華麗にして強烈な一撃は防御不能だった。
一匹の妖怪が盾で身を守りながら刀で攻撃したが、ロベルトはその盾を真っ二つにしてしまった。
「命まではとらん。立ち去れ!」
ロベルトによってオーク以外のならず者達は逃げ出した。
残ったのは虎吉とオークの一対一だけになった。
「ちきしょう・・・」
オークは額から汗を流した。
「とりあえずは一発痛いのを入れてやる。それで帰してやる」
「くっ、もう容赦しねえ!」
オークが腰に差していた大きな金槌を抜くと振り回した。
周りの卓やら窓をお構いなしにぶち壊しながら、避ける某を攻撃し続けた。
先ほどまでは、隙だらけの動きなのになぜか躱せなかった動きが今は軽々と躱せた。
「くらえ!」
オークの片膝に蹴りを入れた。
オークが姿勢を崩すと顎に掌底を入れた。
「が・・・は・・・」
オークは倒れた。
その仰向けになったオークの顔面に拳を打ち下ろそうとした。
「すっすみませんでした・・・こ、こんな強いおかた・・・」
オークが謝りだした。
「その左手に何を握っている?」
謝っているオークの左手を見逃さなかった。左手を腰の後ろに回している。
オークの左手を思いっきり踏みつけ、オークが握っていた短刀を奪い取った。
「よし、そこまでだ!」
数名の兵が店の中に入ってきた。
「マネージャー、このオークで間違いないな?」
「イエス、早く連れて行ってくれ」
兵がマスターに確認すると、兵は豚の妖怪を縛り上げた。
「ちゃんと弁償してもらうからね。アンダスタンド?」
マスターがオークの額に何か書かれた紙を貼り付けた。オークは兵に連れて行かれた。
「少し邪魔は入ったが・・・始めよう」
ならず者どもらが消えるとロベルトが果たし合いの再会を申し出た。
「どこでやるんだ?」
「マスター、裏庭を借りるぞ」
「オーケー」
マスターが裏手の扉を開けた。外に出ると、決闘には丁度良い広さの裏庭があった。
「なるほど、ここで勝負か」
「虎吉さま、刀を出して下さい」
ルナどのが、太刀を出すように言ってきたので某は太刀を出した。
ルナどのが呪文を唱えた。
「【保護(プロテクション)】!」
ルナどのが某の太刀に何かした。
「しばらく刀の刃に効能魔術をかけました。これで思う存分戦っても斬れることはありません」
某は太刀を見たが何も変わってはいない気がした。
「それと・・・」
再びルナどのが呪文を唱えた。
「【解除(キャンセレーション)】!」
身体が普通に戻ったような気がした。
「ルナどの、これは一体?」
「早くしろ、武士!」
ロベルトが既に裏庭の真ん中に立っていた。
剣を下に向けて待ちきれないようだった。
「後で説明しますので、今は決闘をやりましょう」
「はい」
某も真ん中に立ってロベルトと対峙した。
「武士だか何だか知らんが誇り高きナイトの強さを見せてやる!」
ロベルトが胸の前で剣を十字に切って、切っ先を某に向けて構えた。
某も太刀を正眼に構えた。
ロベルトが突いてきた。
鋭い突きを紙一重で躱した。
今度はこちらから距離を詰めて相手の首めがけて太刀を振り下ろした。
「あまい!」
ロベルトは某の太刀を捌くと、素早く切り替えして、某の足を狙った。
某は間一髪避けた。
刃渡り2尺5寸(75センチ)ほどの分厚い剣を鮮やかに振り回す。ロベルトが正眼の構えから某の左に回り込もうとしている。
ザッ!
一気に間合いを詰めて右から切り上げた。
ガン!
ロベルトはその太刀を受け止めた。
太刀が折れそうなほどの衝撃を感じた。
ロベルトがそのまま某の胸を突こうとした。
間一髪避けた。
口から笑みがこぼれると共に背筋に冷や汗が流れる。
ロベルトの剣の一撃をまともに受け止めたら、体勢が崩れそうだ。
奴もそれを狙っているのだろう。
「ならば!」
太刀を納めた。
股をもう一度緩め直した。
「何故、太刀を納める?降伏か!?」
「降伏?武士に降伏なんて無い。好きに攻撃してみろ」
「くっなんという侮辱!許さん!」
ロベルトが剣を八相に構えた。
虎吉の左へと回り始める。
「むん!」
シャキン!
振り下ろした一撃を右に躱しながら鞘から瞬時に太刀を抜き、ロベルトの手首を抑えた。
ロベルトの動きが止まった。
「見えたか?先ほどの某の動きが・・・」
「くっ!」
ロベルトが太刀を払いのけようとした。
瞬時に太刀をロベルトの首に当てた。
「勝負ありだ」
「くっ・・・この依頼は騎士の強さを見せるために私がやる」
「はぁ!?お前今負けただろ。素直に認めろ!」
「譲ってくれ!」
「いやだ。譲る気はもうとう無い!」
決闘からお互い変な意地のぶつかり合いになってしまった。しかし、こちらも決闘で勝ったのに依頼を譲るのは納得出来ん。
「どちらかが先に依頼をコンプリートしたら良いんじゃないの?」
見ていたマスターが2人に提案した。
「別に依頼は冒険者ワンペアだけって決まりは無いからさ。冒険者達が集まって依頼をこなすこともあるし、今回はどちらかが先にコンプリートできたらそれで勝ちってことで良いんじゃ無い?」
マスターの提案を我らは承諾した。
「「よし!」」
* * *
虎吉達がシャドで依頼を引き受けていたとき、テイチの森の中で、40匹のリザードマン達がいた。
その中にひときわ大きなリザードマンがいた。
「どこも動いていないのか?」
「もちろんだ。帝国も、彼らの必死の忠誠に10ネン前の事件は解決済みの姿勢でいる。ノム国も、テイチで野党が暴れているという情報しか入って無く、冒険者か、帝国自らが解決するべきとの姿勢だ」
大きなリザードマンはフードを深々とかぶった数名の男達と話をしていた。
「それならば、俺たちは動くぜ」
「ただし、エルフ達と商売をしている商人がギルドに君たちの依頼を出したようだ。君たちを退治しようとする冒険者が来るかもしれない」
「ふん、来たらそいつらの頭を叩き潰してやる」
「君たちの働きに期待しよう」
話が終わると、フードの男達は立ち去り、大きなリザードマンは仲間の元にもどった。
「お、お頭先にやってますぜ!」
リザードマンの野党の頭が戻ると仲間達は酒に酔っ払っていた。
「しかし、お頭も大胆なことをしますねー。テイチの近くでこんなことしようなんて肝っ玉が座ってるぜ。しかしエルフどもらは反撃してこないんですか?」
「しねぇよ。なんせ・・・」
巨大なリザードマンは瓢箪に入った酒をがぶ飲みした。
「やつらは平和を愛してんだよ」
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