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ファンタジー
不適切な関係 治療師と新人ちゃんの
しおりを挟む■オネェ治療師とフレッシュ新人事務員ちゃんのお話。 タグ:要注意性別不問。上司部下。媚薬。
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「そうねぇ」
騎士団の一角にある、救護室の主。
身体付きは立派な男性ではあるが、女性とも見まごう長い緋色の髪を無造作に三つ編みをした、白衣の男が言った。白衣の下に着ている服装はユニセックス。仕草も女性的に柔らかい。
そのために外見だけで彼をどの性別と判断して良いのかわからないので、胡散臭い印象を与えてしまうが、腕前は王宮の治療師を進路に薦められたほど良い。
入り口はきっちりと施錠して。
二人は救護室のテーブルに向かい合って座っていた。
そのテーブルには新人ちゃんが持ってきた、巷で出回っている怪しいお薬が並べられている。
「特に、たいしたものはなさそうだから、ここでチェックしちゃいましょ」
「はい先生!」
騎士団員ではあるけれど、戦闘要員ではない事務方に入った新人ちゃんは、キラキラしたお目めでアタシに返事をする。彼女は田舎から出てきたようで、めっちゃ擦れていない素直な良い子でアタシのお気に入りだ。
机に並べられている、薬瓶たち。
毒にも耐性があるアタシが、回収して分析をするのはいつものことだった。
違法に路地裏で売られていた闇露天に騎士が偶然にも居合わせてしまい、主人は逃してしまったみたい。
逃げるために慌てたのか、商品は木箱に入れて雨ざらし。
そんな管理が雑な胡散臭い露天に売ってるものなんて、安価で適当な薬を薄めて売ってるものがほとんど。特Aレベルの専用室を使って厳戒態勢で調べなくても良いでしょ。っていう感じで救護室で薬の状態をとりあえず確認している。一応みたいな感じで補助は新人ちゃんでもいっか、勉強にもなるしでいてもらっている。
だから、少し油断していたのよね。
一応、窓は全開。
手袋をして、瓶を一つづ取り出して並べる。
色とりどりの瓶にはラベルがついているけれど、どうやら色ごとに効能が一緒のようだ。
毛生え薬、気付け薬、美容、頭がよくなる薬……………そして愛の妙薬。
胡散臭いレパートリーを見ながら、新人ちゃんは真面目に品目と個数を報告用紙に記入している。前髪が目に入りそうになっているのに気がつかないみたい。アタシは反射的にその前髪を手の甲を使ってよけてあげる。と、瓶に当たって床に落ちた。蓋が衝撃でずれた瓶から香りが広がる。
こんな粗悪な露天が売っているものだから、と油断したアタシは、対処がワンテンポ遅れる。
窓を全開にして風の流れもあったけど、瓶を拾おうと慌ててかがんだ彼女が風下にいて、思いっきりその香りを吸い込んでしまったのだ。「大丈夫です!」と言ってすぐに瓶の蓋をして、元の椅子に座ろうとした彼女はくらりと倒れそうになる。
アタシは反射的に彼女を支えようとして、香を嗅いだ。
ーーこの匂いは。
媚薬。
変に毒性があるものではかなくて一安心だけど、違った意味で困ったことになる香り。
まるで風邪にかかったように頬が上気して力が抜けてきた腕の中にいる彼女を見て。
「はぁ、困ったわ」
アタシは呟くしかなかった。
ピュアな新人ちゃんはアタシを完全に女性扱いしてるのはわかりきっていた。
距離が近いのは誰にでもだったけれど。
女性との距離ってあるじゃない? アタシにとっているのは困ったことにそれなのよ。
まぁアタシ男もいけるけど、恋愛対象は実は女性が多いのよねぇ。
セックスするの大好きで、まぁ試しにいろいろと実証を重ねた結果、女性とするのが好きでしっくりくると。まぁ男を好きになったら、それはそれで相手に合わせるけど。ケースバイケースね。
だから目の前の新人ちゃん、アタシにとっちゃ異性なのよ。
でもピュアな瞳で、女性だと何も疑ってない目で見られて、態度もそれだと。
今更あなたにとっても異性だとは言えない、ってなるわけで。
できるだけ、仕事モードで対応する。
仕事の時は、性別なんて関係ないもの。
ただの治療師と患者の関係で、そこのは全く下心なんてない。
のにさぁ。
何これ、カワイイ。
薬の影響で、トロンとなった眼で。
「私をちゃんと見て……くださいっ」
そう言って、腕の中でアタシに縋り付いてくる新人ちゃん。
愛の妙薬。
と言っても、どうやら理性を外させて、素直にさせる精神系の薬草が入っていたらしい。
お酒の強い版みたいね?
性的興奮は起こってないみたい。と冷静に仕事の目で見るようにしていたらこの台詞。
その仕事モードの視線は、透明で何も見ていないようで見透かされているような観察眼だと言われている。
「はいはい、ちゃんと見てるわよ」
彼女は酔っ払っているの!
正気じゃないの!
薬物の中毒の患者ぁぁぁぁ!!
と、仕事モードで理性をふり縛ってんの、アタシ。
だって、そうでもしないと。
そこに救護用のベッドもあるんだもの。
仕事じゃ無ければ連れ込んでるわよ! でもこれは事故、しかも私の凡ミス。
解毒剤を下手にのませるのもと思い。もうちょっと時間を置いて、様子をみようとした結果。
飲ませていないのに香りだけでこの効果、これはちゃんと調査したほうがいいわよね。
「やっっぱり、私って魅力ないですかねぇ」
からみ酒のようだ。
「何を言ってるの、あなたは充分カワイイわよ?」
アタシの理性を失わせそうになるぐらい。とは言えない。相手は正気じゃないんだから。しかも治療師としてこの施設内のメンタルケアで相談事も聞いているアタシは知っていた。
目の前の新人ちゃんが、「誰に」魅力的に見てほしいかって。
切れ長の瞳に、いわゆる精悍な顔の黒髪短髪。
寡黙鉄仮面の隊長だ。
まあ、側から見たら、真面目で凛々しくはあるけど。
中身は金髪碧眼のゆるふわ部下を「天使ちゃん」とか言って崇拝してる。
夢見る乙女もびっくりの男よ!
仕事柄知った情報で、アナタには望みはないとは言えないけど。ともかくアタシとはまっったくタイプが違う男が好きってことは、アタシの事なんか対象外だってことだし、まぁその前にこの子私のこと女性だって思ってるんだけど。
この状態のだる絡み。
男の視点を持つ姉の様な存在に、聞きたくても聞けない本音を相談してるみたいなもんだろう。
それが手を出しちゃいけないと理性を支えていた。
アタシはパートナーさえいなければ、気軽にセックスしたって良いじゃない派だ。だから普段ならチャンスは逃さない。少しでも、この子がアタシに異性として好意を持ってたら、あっさりとベッドに連れ込んでいた。
でもパートナーや好きな人がいる人間には手を出さないのがアタシのポリシーだ。
「カワイイって、うそだぁ」
ポコポコとだだっ子のようにアタシの胸を叩く。
はいはい、と宥めながらとりあえずソファに誘導して座らせようとしたらバランスをくずす、いけない! と思ってアタシが下になるようにソファにもつれ込みながら倒れると、新人ちゃんはアタシの上に跨るように座ってきた。
いわゆる、騎乗位ってヤツ。
「ちょ、ちょっと! 落ち着いて!ねッ」
焦るアタシの顔を掴むと新人ちゃんは顔を覗き込んでくる。
キスの距離、そして下半身は……。ちょうどいい具合に当たるから。
この体制はマジでヤバイ。
薬の影響はこっちはないと言えど、反応してしまうのは、男のサガだ。
アタシは彼女から目を逸らす。
「やっぱり魅力ないんだぁ! ……どうせ、私なんっか……」
時間が経ったら少しは薬の効果が切れると思いきや、効きやすい体質みたいね。
これは解毒剤が必要だけど、ベースは何かしら、症状からすると……解決方法が最悪なのじゃなきゃいいけど。サイアクってのは、体液交換系の解毒系だ。
こう上に乗られてちゃ抜け出すのも苦労だわ。
どかそうとしたら、ムチッとした太ももをガッツリと掴みそうになって、手が止まる。
怪しい露天商、なんでこれだけガチなヤツなのよ。
他のもこんなにヤバイブツなのかちゃんと検証しないと。
「あーどうせ私なんかって言う言葉は禁止! はいはい、あなたはカワイイわよ」
アタシはチュッチュと、ひたい、頬、瞼。我に返った時に、友情だと言い張れる場所に触れるだけのキスをする。
茶化してやるのは、ブレーキだった。
これ以上なんかあったらアタシのポリシーが崩れそうになっている。
「やっぱり、誤魔化してるぅ……こんな胸がちっちゃいから、女って見て貰えないんだぁ」
自らの胸を交差させて両手で寄せてあげるように掴む。
隙だらけの彼女はベストを着ていない。
ブラウスの薄さでより彼女の胸の形がわかる。
大きさは彼女の手よりちょっとはみ出るぐらい。
「ちっちゃいからって、魅力がないとは言えないわよ、大きさじゃなくて形とか、色とか……色々好みはあるんだから」
「おっきいのが好きなんだー!」
「酔っ払い」
「じゃあ、センセェはナニが好きなんですか」
「アタシは、かん……太腿派だから」
大事なのは感度といいかけて、今感じていることを口走ってしまうのはアタシも余裕がない。
そうアタシの両足は上に乗った彼女の太腿に挟まれている。
非戦闘員である事務方の彼女の太腿は、若いだけにハリがあって柔らかい。うち太ももの際どいところが撫でたくてたまらない。顔を埋めて舌を這わしたい。
そうだから、この騎乗態勢はヤバいのよ。
意識すると、本当にどかそうとして、ズボンの中でアタシの硬くなった部分と、彼女はアタシに股がって大股になってるせいで、捲れ上がったタイトスカートの中の下着で守られた大事な部分が当たる。チラリと見える下着は綿の色気ゼロのお子様。スカートに下着のラインが出るって事も気づいてないピュア。
「んんっ!」
ビクビクっと彼女が震える。
「へ、は……私っ??」
恐れていたことに、性的なスイッチが入ってしまったらしい。
処女だから、そちらの方は感じ取りにくかったのだろうか。
「センセェ……たっ、たってる?? わたし、魅力ありますか、気持ち良い? ですかセンセェ?」
アタシがこんなになるんだものあるわよ。
流石にこんなに大きくして、触れられたら誤魔化せないほど丸わかり。認めるしかない。
「じゃあ、みて……確認してもらえますか?」
「見るって」
ブラウスのボタンをもたもたと外していく。現れたのは透け防止のタンクトップ、それを下から上にめくる。そこから現れたのは、シンプルなブラだった。止めなきゃと思っていても、見入ってしまう。
「ほんと、悪い子ねぇ。アタシがこんなに我慢してあげてるのに」
「我慢、しないで……」
そのとろんとした目の発情した必死さに。
「ええ、たっぷりと診てあげる」
本当に困った、媚薬だわね。
正気に戻った新人ちゃんが、薬の力で女性には興味のないアタシを無理やり犯してしまったと勘違いしているのは後日の話。
アタシには全く薬は効いてなくて、正気も正気だったんだけれども。
向こうはそうは思ってなかったらしくって。
責任取らせてくださいと、まるで死刑執行前の罪人のように、しょぼんとしている彼女に。
「じゃあ責任とって、アタシ達付き合ってみようか?」
と提案したのは彼女のメンタルを考えてのこと。
こういう子って、付き合ってもいない人間と、体の関係もったって思うと思い悩みそうだし。
更にあわよくば、アタシのこと異性として意識して欲しい、同性としてではなく。という下心が満載だった。
実は。
本当はアタシのこと男性として好きで、でも女性だと思っているアタシにはそんな事言えなくて。
アタシとは逆のタイプの男の事好きって言っちゃったとか。
男と男のセックスは、あやふやな知識で後ろでするものと勘違いした彼女が「後ろでして欲しい」って、後背位だと勘違いして意味もわからず言ってくれたり。
純粋すぎて世間知らずの新人ちゃんを心配した幼馴染が、カレシとして紹介されたアタシの事を「初めはドロッドロに甘やかして相手が堕ちると手のひら返して搾取してくる商売男タイプ!」って言って、騙されてるって警戒されたりと。
ピュアすぎて、新鮮で。
なんていじらしいのかしら……可愛い、可愛すぎるっ!
翻弄される日々を送るのも悪くないわね。
職場でも太ももを触るくらいならセーフでしょ、噂でも聞こえてくるあのバカ団長はアウトだけど。
あとそうそう、怪しいお薬達は次こそ厳戒態勢で挑んだんだけど、マジな効果がでたのはあれ一本だったのはどういうことだったのかしら。
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