ハプロック神話

アンジェロ岩井

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第4章「美しき羽の蝶」

テイク・オン・ミイーその③

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「そうか?敵を始末するのにいちいち敬語なんか使っちゃあいられないからな…それに優しく話しかければ友達が増えるなんて生っちょろいもんでもないと思うんだがね、違いますか?新人君?」
美中年は嫌味たっぷりに返した。
「てめえ~言いたいことはそれだけかよ、なら…」
フレーゲルは言葉を強めそれからその後に続く言葉に怒気を加えた。
「永遠にここでおねんねしてな!」
「お~怖いねーだけれど君はこのフリッツ・ミュラーにこれから先指一本触れることはできないんだ」
その言葉は嘘ではなかった。フレーゲルが攻撃を加えようとするとミュラーは姿を消してフレーゲルの背後に立った。そのままミュラーはフレーゲルを殺そうとリボルバーをフレーゲルの頭に突きつけていたがフレーゲルは何と…頭をその場に屈めたのだ。
「何ィ!貴様ッ!面倒くさいことをしやがって!」
そして次にミュラーの体には槍が突かれていた。
「何ィ!オレの体に槍がッ!ちくしょう!こんな馬鹿な!」
「このままお前がなんかする前に…槍を突っ込ませて貰うぜェェェェ」
フレーゲルは槍を構え直した。
「アウアウアウアウアウアウアウアウアウアウフヴィーダーゼン(さようなら)」
槍を受けたミュラーはその場に倒れた。
「…これでこいつも終わりだな…こうもダメージを受けたんじゃあもう立ち上がれんだろう…J・Kをこれ以上待たせても悪いしな…急ごうぜ」
イーサカがフレーゲルを誘ってその場を立ち去ろうとしたが頰を掠めた弾によってそれを中断した。
「…やれやれ、まだ生きていたのか?ミュラーさんよぉ~しつこい男というのは女からモテないって言うのを聞いたことがあるぜ」
ミュラーはイーサカの挑発を聞いても怯むことなく銃を発砲した。
「…黙れよ、てめえのせいでオレはこうなっちまったんだぜ…もう長くはないが…他の奴らのためにも…今ここで貴様らを始末して見せるぜ!」
ミュラーはそう叫ぶと姿を消した。
「野郎!また姿を消しやがった…」
「…恐らく奴は、瞬間移動したんだろうぜ…そしてオレたちを狙いやすい位置からブッ殺そうって考えてる訳さ」
イーサカが解説していると「その通り」とミュラーが正面に現れた。
「…やっとこの位置に来てくれたな…待っていたぜ、ミュラーさん…」
イーサカは現れたミュラーに思いっきりのラッシュを喰らわせた。
「ウラウラウラウラウラウラ~~」
ラッシュを思いっきり受けたミュラーはその場に倒れた。
「すげぇぇぇぇぇ~見直したぜぇイーサカァァァァでもどうやって分かったんだよぉ~教えてくれよ」
「…野郎はよくオレたちを仕留められる位置に来る…そしてオレは奴の能力を瞬間移動だと考えた時に次に何処に来るのかと考えた…そうオレたちを確実に仕留められると思われる目の前つまり心臓と頭が直接狙える真正面ってわけだぜ」
フレーゲルはイーサカの説明を目を輝かせて聞いていた。
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