ハプロック神話

アンジェロ岩井

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第5章 クローズイング・ユア

ジャクソニンのタフボーイーその③

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ひし形のガードゴーストは契約者を守護するためにその体を必死に回転させる。
「成る程ォ~同じ轍は二度と踏まないって事なのかい?」
イクバヤは挑発するためなのか顔の表情を暗くしながら尋ねる。
「その通りさ、さっき分かったからな…お前のガードゴーストから作り出されるツララを防御するには私のガードゴーストが回るのが最適だと判断したからな」
ロバートは当たり前だとばかりに腕を組む。
「回るっつてもよぉ~回転寿司見てぇに回るだけしか特徴がないのかい?お前のガードゴーストはよぉ~」
「いいや、お前の攻撃はもう分かった…お前には攻撃のパターンがある…それを読めることができればお前を倒すって事は可能なんだぜ」
「ならやってみろよ?」
イクバヤは煽るようにロバートに対して手招きをする真似をした。
「後悔するなよ、このクソガキがァァァァ~~」
ロバートはひし形のガードゴーストを従え、イクバヤに突撃する。
「パターンが読めるんなら…オレの攻撃を避けてみろよッ!」
イクバヤはアイス・レイジの拳をロバートとひし形のガードゴーストに向ける。
「ヨラァ!」
「読めたッ!やはりお前は私が拳を振り合うなッ!」
ロバートは眉を片方だけ上げて「ほらな!」という表現を浮かべた。
「何ィィィィィ~~おれの拳が交わされただと !」
イクバヤは天空に舞うハヤブサのように華麗に避けたロバートに対して思わず叫ぶ。
「もらったッ!」
ひし形のガードゴーストがイクバヤにぶつかりかけたが、イクバヤは寸前のところでひし形のガードゴーストから身を守った。
「ギリギリって所かよ…危ねぇな」
「ふん、だが貴様がポーカーやババ抜きで言う所の"詰み"に入ったのだけは忘れてもらっては困る」
ひし形のガードゴーストはイクバヤに更に体を使って突撃の態勢を取る。
「やってみろよ…お前のガードゴーストなんかオレのアイス・レイジでカチンコチンに凍らせてやっからよぉ~!」
「無駄だッ!死ねェェ~イクバヤ !」
ひし形のガードゴーストはイクバヤに向かって突撃を開始した。
「このまま、オレが倒れるようなマヌケに見えたか?違うね、オレはこうすんのがいいのよ !」
イクバヤはひし形のガードゴーストにラッシュを繰り出す。
「ヨラヨラヨラヨラヨラヨラヨラヨラヨラヨラヨラヨラヨラッ!ヨラァァァァァ~~」
ラッシュによってひし形のガードゴーストはガタガタと崩れそうな音を立てる。
「よしッ!」
イクバヤは思わず拳を上に上げて喜んだが、肝心のロバートはまるで意に介していないようだった。
「何でてめえそんなに余裕何スかァ~?」
「おいおい、貴様物覚えが悪いのか?私のガードゴースト…六面ステーションは受けた衝撃を吸収して相手に跳ね返す能力何だぜ」
イクバヤはその瞬間に自分の取り返しのつかない過ちに気がついてしまう。
「しっ…しまった !」
「もう遅い !放てッ!六面ステーションッ!」
次の瞬間にイクバヤを信じられない程の規模の衝撃が襲った。
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