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高岩一家対ウツボーン。明らかな尺稼ぎ展開に義喜怒る!
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父親を溺死寸前の目に遭わされて、怒りに燃える菜穂子を端に、彼はひどく冷静に答えていた。
(いや、まだこんな展開が続くのかよ?魔王軍の幹部はセザルドで最後だったんじゃあないのか?変なテコ入れをしやがって、何を考えてるんだよ。あいつはッ!)
義喜は水を捨てながら、こんな下手なテコ入れ展開を考案した作者に向かって怒りの感情を湧き上がらせていく。
義喜は船の中へと入った水を桶に溜め、そのまま不満と共に海の中へとぶち撒けていく。
船の端では完全にノックアウトした父親を他所に、菜穂子と緑色の肌をした人形のような怪物が死闘を繰り広げているではないか。
菜穂子の剣に対し、怪物は牙を用いて戦っている。また、狭い船上での戦いという事もあり、菜穂子は本来の力を発揮できていないように見える。
(不味いな……菜穂子の方が不利だ。このままだと負けるぞ)
義喜は顎をさすりながら、状況を打開するための作戦を考えていく。
だが、頭の中には自分の意思とは無関係に曲が流れ込んでくるではないか。
(あぁ、聞こえてくるぜ。オレの魂の音が……オレのソウルが……命燃やすぜッ!)
抑えるのも面倒くさくなってしまったので、義喜は折角なので、頭の中に流れてきた曲に歌詞を付けて、歌い始めていく。
「魂のソウルッ!刻むぞ、オレの人生のビートッ!お前とオレとは地獄の兄弟~!!」
菜穂子は突然、始まった兄のリサイタルを聞いて、思わず両眉を寄せたが、彼女以上の拒否反応を見せたのは闘っていた筈の人魚である。
人魚は悲鳴を上げ、両耳を塞ぐ。
「えっ、オレの歌ってそんなに下手なの!?」
義喜は衝撃を受けたらしく、口をポカンと開けていた。
だが、その隙を菜穂子は逃がさない。逆袈裟掛けに人魚を斬り付け、彼女の体の左半分から血を吹き流させる事に成功させたのである。
彼女は悲鳴を上げて、船の下へと落ちていくではないか。
水の中には真紅が混じり、見る者に彼女の末路を想像させた。
同時にそれまでの暗雲が払われ、高岩とその家族が乗る車を優しい光が包み込む。
どうやら、彼女が先程まで自分たちを襲っていた嵐を操っていたらしい。
義喜は彼女が倒れたのを確認し、溜息を吐いてから言った。
「あいつは海の中に沈んだんだろうな」
「多分そうだと思うよ。フゥ、これでようやく一息ーー」
菜穂子が途中で言葉を切った事を感じ、義喜が彼女に何があったのかを尋ねると、彼女は無言で側にあった岩を指差す。
岩といっても、その広さは小島ほどもあり、嵐に疲れた三人が腰を掛けるのにはちょうどいい場所と言えた。
「あそこで休憩にしない?」
菜穂子の提案に一瞥もなく同意する義喜。
二人は船の中に置いてあったオールを下ろし、岩の小島へと向かっていく。
それこそが、罠であるとも気が付かずに。
(いや、まだこんな展開が続くのかよ?魔王軍の幹部はセザルドで最後だったんじゃあないのか?変なテコ入れをしやがって、何を考えてるんだよ。あいつはッ!)
義喜は水を捨てながら、こんな下手なテコ入れ展開を考案した作者に向かって怒りの感情を湧き上がらせていく。
義喜は船の中へと入った水を桶に溜め、そのまま不満と共に海の中へとぶち撒けていく。
船の端では完全にノックアウトした父親を他所に、菜穂子と緑色の肌をした人形のような怪物が死闘を繰り広げているではないか。
菜穂子の剣に対し、怪物は牙を用いて戦っている。また、狭い船上での戦いという事もあり、菜穂子は本来の力を発揮できていないように見える。
(不味いな……菜穂子の方が不利だ。このままだと負けるぞ)
義喜は顎をさすりながら、状況を打開するための作戦を考えていく。
だが、頭の中には自分の意思とは無関係に曲が流れ込んでくるではないか。
(あぁ、聞こえてくるぜ。オレの魂の音が……オレのソウルが……命燃やすぜッ!)
抑えるのも面倒くさくなってしまったので、義喜は折角なので、頭の中に流れてきた曲に歌詞を付けて、歌い始めていく。
「魂のソウルッ!刻むぞ、オレの人生のビートッ!お前とオレとは地獄の兄弟~!!」
菜穂子は突然、始まった兄のリサイタルを聞いて、思わず両眉を寄せたが、彼女以上の拒否反応を見せたのは闘っていた筈の人魚である。
人魚は悲鳴を上げ、両耳を塞ぐ。
「えっ、オレの歌ってそんなに下手なの!?」
義喜は衝撃を受けたらしく、口をポカンと開けていた。
だが、その隙を菜穂子は逃がさない。逆袈裟掛けに人魚を斬り付け、彼女の体の左半分から血を吹き流させる事に成功させたのである。
彼女は悲鳴を上げて、船の下へと落ちていくではないか。
水の中には真紅が混じり、見る者に彼女の末路を想像させた。
同時にそれまでの暗雲が払われ、高岩とその家族が乗る車を優しい光が包み込む。
どうやら、彼女が先程まで自分たちを襲っていた嵐を操っていたらしい。
義喜は彼女が倒れたのを確認し、溜息を吐いてから言った。
「あいつは海の中に沈んだんだろうな」
「多分そうだと思うよ。フゥ、これでようやく一息ーー」
菜穂子が途中で言葉を切った事を感じ、義喜が彼女に何があったのかを尋ねると、彼女は無言で側にあった岩を指差す。
岩といっても、その広さは小島ほどもあり、嵐に疲れた三人が腰を掛けるのにはちょうどいい場所と言えた。
「あそこで休憩にしない?」
菜穂子の提案に一瞥もなく同意する義喜。
二人は船の中に置いてあったオールを下ろし、岩の小島へと向かっていく。
それこそが、罠であるとも気が付かずに。
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