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冒険編
オーランジュ王国の夏休み
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「なぁ、ジード。お前、夏休みに何か予定があるか?」
夏休みが間近に迫ったある常夏の日、ルイーダは生徒会室で何気なく自身の夫に尋ねた。
「あぁ、田舎に帰る予定だけれど、お前はどうするつもりなんだ?」
「決まっておろう!お前の田舎に共に帰り、両親に結婚の報告をするのだッ!」
ルイーダは両目を輝かせながら自身の予定を語っていく。
「ハァ、面倒臭い事になるんだろうな」
「何か言ったか?」
ルイーダは無邪気な様子で尋ねる。だが、その無邪気な顔の裏には無言の圧のようなものを感じたので、彼は惚ける事を決意した。
すると、彼女は満面の笑みをジードに向けていく。
「やれやれ」と一人呟いていると、副生徒会長として書類を纏めていた、コルネリアが顔を上げて、二人に「そういえば……」と、思い出したように尋ねた。
「二人は新婚旅行には行っていないのか?新婚の夫婦って新婚旅行には行くものだろ?」
「し、新婚旅行!?」
目を丸くするジードとは対照的に何もわかっていないらしいルイーダは首を傾げる。
「ん?ジード、新婚旅行とはなんだ?」
顔を真っ赤にして何も答えないジードの代わりに、コルネリアが答えた。
「新婚旅行というのは縁を結んだ新しい夫婦が祝福の旅行に出掛けるという行事なんだ。キミたちは新婚なんだろう?なら、夫婦揃ってこの夏の休暇を利用して、新婚旅行にでも行けばいい。大陸一周か?はたまた、アルメニア帝国旅行か?はたまたーー」
「わー、わー、待ってくれ!第一、そんな事を言ったって、オレもルイーダも学生だぞ……そもそも、ルイーダに至っては奨学金で通っている身だし、親にもこれ以上は余計な負担をかけられん」
「うーん。それは残念だ。私としてはこの後はガレリアの横にあるオーランジュ王国を勧めたかったんだが」
「オーランジュ王国?特産品のオレンジ以外は特段、目立つものなどないと聞いたが……」
「それがあるのだよッ!緑豊かな高原に、綺麗な山々。そして、なによりも親切な住民!去年の夏に両真に連れて行ってもらったのだが、時が止まったような場所でな。一生、あそこで過ごしたいと思ったよ」
コルネリアの意識は既に一年前に飛んでしまったらしい。両目を瞑りながら、楽しそうに夢想している姿に二人とも思わず苦笑いを溢してしまう。
その日、夕方に終わった学校の帰り、二人で街の喫茶店で、ルイーダは紅茶を、ジードはコーヒーをお供に談笑していると、目の前にキュルテン事件の時のカール髭の中年の刑事が現れて、二人に声を掛ける。
「どうも、どうも、お二人さん。お揃いでデートですかな?」
「そ、そんなんじゃあないですよ!帰りにお茶をしているだけです!」
顔を照れ臭さのために赤く染めるジードとは対照的に、エーリヒは呑気な調子で言った。
「この前、ブラウンさんの家の坊ちゃんとすれ違いましてねぇ、すれ違い様に『ルイーダを連れて来い。お姉ちゃんを殺したあいつを絶対に許さない』って睨み付けてきたんですよ」
「ハッハッ、それは大変でしたね」
苦笑しながらジードが答える。
ブラウンというのはかつて、エルリカ・キュルテンに脅される形で匿う事になった郊外のアパートに住む三人家族の事である。
一家で、あの魅力的な笑いに魅入られて以来、彼女の態度が良かった事もあり、三人の家族に人質と犯人という垣根を超えて愛されていという。
特にブラウン家の幼い息子などは最初に出会った時に石槍を突き付けられた事も忘れ、エルリカを実の姉のように慕っていたという。
そのせいで、ルイーダはブラウン家の一人息子に酷く憎まれているのだ。
ルイーダは複雑な笑いを浮かべながら、店で用意された紅茶を啜っていく。
ジードも一通り笑い、その後にエリーヒがなぜここにいるのかを尋ねる。
「いやだ、それはですね。少し事件がありまして、その聞き込みのためにここに伺ったんですよ。それで、たまたま、あなた達に出会いまして、声を掛けたという事なんです」
「成る程」
と、ジードはありきたりな返事を返した後に咄嗟に溜息を吐き出す。
その事に気が付いた、エーリヒがジードの顔を覗き込みながら問い掛ける。
「どうしましたか?この世の終わりみたいな顔をして」
「いや、実はですね、折角の夏休みなので、妻を旅行に連れて行きたいと思っているんですが、生憎とお金がなくて、私としてはオーランジュ王国に行きたいと思っているんですが、それも叶いそうになくて……」
「成る程、それで落ち込んでいたんですか……」
エーリヒはそれを聞くと、ジードに同情的な目を向けながら、自身のカールされた髭を摩っていく。
恐らく、解決案を考えてくれているのだろう。
暫くの間、髭を摩る音が聞こえたが、やがて、その音が鳴り止んだかと思うと、スーツのポケットから二枚のチケットを二人に差し出す。
「あの、これは?」
「オーランジュ王国行きの汽車のチケットです。この街の外にある駅を使えば、そのまま機関車でオーランジュ王国まであっという間ですよ」
「え?いいんですか!?」
「構いませんよ。実は、今追っている事件が少々厄介なものでして、本当だったら、もう少しで夏季休暇を取って、オーランジュ王国にまで行く予定だったんですが、それがパァになりそうだったので、よかったらお二人にと思いまして……ご安心を、宿も向こうで取っておりますから、本当だったら家族と行く予定だったので、ちゃんと二部屋ありますよ」
「い、いいんですか!?」
「チケットが無駄になるよりはいいですよ。納得がいかないのなら、キュルテン事件のお礼という事にしておいてください」
ジードはエーリヒからチケットを受け取ったかと思うと、二人で顔を見合わせて笑い合う。
「では、後は若いお二人で楽しんでくださいね」
エーリヒはそのまま手を振って、店を去っていく。
「やっ、やったぜ!オーランジュ王国への切符だぞ!」
「よかったな。我々が夫婦となってから、初めての旅行だッ!楽しむとするか!」
二人して、勘定を済まして、喫茶店から自宅へと帰ろうとした時だ。
二人の耳に不穏な情報が入ってくる。
「あぁ、オーランジュ王国の方で」
「そんな事が起こるとは……」
「あぁ、全てはオーランジュ王国の国王のせいらしい」
喫茶店の客の噂話であるらしいが、コソコソと話している様子から、何処となく悪い噂である事だけは確かである。
夏休みが間近に迫ったある常夏の日、ルイーダは生徒会室で何気なく自身の夫に尋ねた。
「あぁ、田舎に帰る予定だけれど、お前はどうするつもりなんだ?」
「決まっておろう!お前の田舎に共に帰り、両親に結婚の報告をするのだッ!」
ルイーダは両目を輝かせながら自身の予定を語っていく。
「ハァ、面倒臭い事になるんだろうな」
「何か言ったか?」
ルイーダは無邪気な様子で尋ねる。だが、その無邪気な顔の裏には無言の圧のようなものを感じたので、彼は惚ける事を決意した。
すると、彼女は満面の笑みをジードに向けていく。
「やれやれ」と一人呟いていると、副生徒会長として書類を纏めていた、コルネリアが顔を上げて、二人に「そういえば……」と、思い出したように尋ねた。
「二人は新婚旅行には行っていないのか?新婚の夫婦って新婚旅行には行くものだろ?」
「し、新婚旅行!?」
目を丸くするジードとは対照的に何もわかっていないらしいルイーダは首を傾げる。
「ん?ジード、新婚旅行とはなんだ?」
顔を真っ赤にして何も答えないジードの代わりに、コルネリアが答えた。
「新婚旅行というのは縁を結んだ新しい夫婦が祝福の旅行に出掛けるという行事なんだ。キミたちは新婚なんだろう?なら、夫婦揃ってこの夏の休暇を利用して、新婚旅行にでも行けばいい。大陸一周か?はたまた、アルメニア帝国旅行か?はたまたーー」
「わー、わー、待ってくれ!第一、そんな事を言ったって、オレもルイーダも学生だぞ……そもそも、ルイーダに至っては奨学金で通っている身だし、親にもこれ以上は余計な負担をかけられん」
「うーん。それは残念だ。私としてはこの後はガレリアの横にあるオーランジュ王国を勧めたかったんだが」
「オーランジュ王国?特産品のオレンジ以外は特段、目立つものなどないと聞いたが……」
「それがあるのだよッ!緑豊かな高原に、綺麗な山々。そして、なによりも親切な住民!去年の夏に両真に連れて行ってもらったのだが、時が止まったような場所でな。一生、あそこで過ごしたいと思ったよ」
コルネリアの意識は既に一年前に飛んでしまったらしい。両目を瞑りながら、楽しそうに夢想している姿に二人とも思わず苦笑いを溢してしまう。
その日、夕方に終わった学校の帰り、二人で街の喫茶店で、ルイーダは紅茶を、ジードはコーヒーをお供に談笑していると、目の前にキュルテン事件の時のカール髭の中年の刑事が現れて、二人に声を掛ける。
「どうも、どうも、お二人さん。お揃いでデートですかな?」
「そ、そんなんじゃあないですよ!帰りにお茶をしているだけです!」
顔を照れ臭さのために赤く染めるジードとは対照的に、エーリヒは呑気な調子で言った。
「この前、ブラウンさんの家の坊ちゃんとすれ違いましてねぇ、すれ違い様に『ルイーダを連れて来い。お姉ちゃんを殺したあいつを絶対に許さない』って睨み付けてきたんですよ」
「ハッハッ、それは大変でしたね」
苦笑しながらジードが答える。
ブラウンというのはかつて、エルリカ・キュルテンに脅される形で匿う事になった郊外のアパートに住む三人家族の事である。
一家で、あの魅力的な笑いに魅入られて以来、彼女の態度が良かった事もあり、三人の家族に人質と犯人という垣根を超えて愛されていという。
特にブラウン家の幼い息子などは最初に出会った時に石槍を突き付けられた事も忘れ、エルリカを実の姉のように慕っていたという。
そのせいで、ルイーダはブラウン家の一人息子に酷く憎まれているのだ。
ルイーダは複雑な笑いを浮かべながら、店で用意された紅茶を啜っていく。
ジードも一通り笑い、その後にエリーヒがなぜここにいるのかを尋ねる。
「いやだ、それはですね。少し事件がありまして、その聞き込みのためにここに伺ったんですよ。それで、たまたま、あなた達に出会いまして、声を掛けたという事なんです」
「成る程」
と、ジードはありきたりな返事を返した後に咄嗟に溜息を吐き出す。
その事に気が付いた、エーリヒがジードの顔を覗き込みながら問い掛ける。
「どうしましたか?この世の終わりみたいな顔をして」
「いや、実はですね、折角の夏休みなので、妻を旅行に連れて行きたいと思っているんですが、生憎とお金がなくて、私としてはオーランジュ王国に行きたいと思っているんですが、それも叶いそうになくて……」
「成る程、それで落ち込んでいたんですか……」
エーリヒはそれを聞くと、ジードに同情的な目を向けながら、自身のカールされた髭を摩っていく。
恐らく、解決案を考えてくれているのだろう。
暫くの間、髭を摩る音が聞こえたが、やがて、その音が鳴り止んだかと思うと、スーツのポケットから二枚のチケットを二人に差し出す。
「あの、これは?」
「オーランジュ王国行きの汽車のチケットです。この街の外にある駅を使えば、そのまま機関車でオーランジュ王国まであっという間ですよ」
「え?いいんですか!?」
「構いませんよ。実は、今追っている事件が少々厄介なものでして、本当だったら、もう少しで夏季休暇を取って、オーランジュ王国にまで行く予定だったんですが、それがパァになりそうだったので、よかったらお二人にと思いまして……ご安心を、宿も向こうで取っておりますから、本当だったら家族と行く予定だったので、ちゃんと二部屋ありますよ」
「い、いいんですか!?」
「チケットが無駄になるよりはいいですよ。納得がいかないのなら、キュルテン事件のお礼という事にしておいてください」
ジードはエーリヒからチケットを受け取ったかと思うと、二人で顔を見合わせて笑い合う。
「では、後は若いお二人で楽しんでくださいね」
エーリヒはそのまま手を振って、店を去っていく。
「やっ、やったぜ!オーランジュ王国への切符だぞ!」
「よかったな。我々が夫婦となってから、初めての旅行だッ!楽しむとするか!」
二人して、勘定を済まして、喫茶店から自宅へと帰ろうとした時だ。
二人の耳に不穏な情報が入ってくる。
「あぁ、オーランジュ王国の方で」
「そんな事が起こるとは……」
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