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第二章『王国を覆う影?ならば、この私が取り除かせていただきますわ』
復讐劇の幕は開けて
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壮大な疲弊感に見舞われたギークが部屋に戻ると、ちょうどレキシーが宮廷に使用人たちに連れられて馬車に乗せられ、自宅へと帰されるところだった。既に陽は沈んでおり、他に聞くことなどがなかったのでその処置は妥当であったといえるだろう。このままならば無事に一日が過ごせただろう。しかし、現実というものはそう上手くはいかないものであるらしい。
平穏な帰り道を終わらせる事件が起こったのだった。
レキシーを乗せた馬車の前に黒装束の男たちが姿を見せて、馬車の御者を矢で射殺し、御者が死んだことによって馬が止まったのを確認し、黒装束の男たちは剣を持って襲撃をかけた。不意の襲撃によって扉が開かれると、レキシーと共に乗っていた使用人の一人が引き摺り出されて殺された。だが、レキシーは襲ってきた黒装束の男の喉元に短剣を突き刺すことで難を逃れたのだった。
レキシーは慌てて馬車を降りて、もう一人の男を始末しようとしたものの、もう一人の男は予想よりも早く動いていた。馬車に乗っていた残りの使用人たちを手際よく皆殺しにした後でレキシーに向かって剣先を突き付けたのだ。その際にレキシーは膝に剣が直撃し、膝から血が流れ出たのを確認した。レキシーの意識が血に気を取られたほんの一瞬の間のことだった。男がレキシーに向かって大きく剣を振り上げたのだった。
剣が目の前に迫った時には殺される覚悟をしていたが、自身の前にギークが割って入っることによってその覚悟は徒労に終わった。
この時ギークは密かに馬車を追い掛けてきていたらしいが、いかせん人間の足と馬車とでは勝負にもならない。救出が遅れたのはそのような理由があったからだった。
それでも慌てて助けに入ったためか、それともユーリとの死闘で力を使い果たしたためか割って入る際に剣や鞭を使うのを忘れてしまい、ギークは肩に傷を負う羽目になってしまったのだ。
そのことが思わぬ逆転の機会となり、レキシーは構えていた短剣を黒装束の男の脇腹に向かって勢いよく突き刺したのだった。そればかりではない。黒装束の男が呆気に取られているうちに短剣を引き抜き、心臓に向かって突き立てていくのだった。
レキシーは短剣の血を黒装束で拭うとそれを鞘に収め、診察用の鞄の壁と戻していく。それからギークに向かって手を伸ばすのだった。
「大丈夫かい?」
「レキシーさんこそ」
レキシーは診察用の鞄を使って応急の処置を自身とギークに施した後でお互いに肩を預けながら自宅へと戻っていく。そこでシュポスとの死闘を終えて帰宅したカーラと合流したのだった。
「ということが、一連の流れさ。ここまでで何か質問はあるかい?」
レキシーが三杯目の茶を啜りながらカーラとヒューゴに向かって問い掛ける。
「いいえ、ありませんわ。それにしてもまさか、レキシーさんとギークさんが仰っていたネオドラビア教の「刺客」とやらがベクター殿下御本人であったとは本当に意外でしたわ」
「信じられない話だけどそうなんだよ」
「……やはり、ベクター殿下は一日でも早く始末しなければなりませんわ。あんな男をいつまでも生かしておいては世のため人のためになりませんもの」
カーラの瞳には憎悪の炎が浮かんでいた。これまでは敬称付きで呼んでいたベクターを「あの男」と呼び捨てにしていたからもカーラが激しい憤怒の感情に燃えていることが他の三人には読み取れた。
その後でレキシーとギークを部屋の中に連れ、二人に本格的な薬を塗り、包帯を巻いていく。言うなれば本格的な治療を施したのだった。
肩を負傷したギークはヒューゴが報酬と共にギルドへと運ぶことになり、その日の夜は明けた。
翌日診療所はレキシーが怪我をしたまま続けられることになった。しかし診療所の中は誰もが宮廷の中で起きた惨劇でいっぱいだった。患者たちの話の中で一際レキシーの興味を惹いたのは次の国王に関する話題だった。
「聞いたかよ、昨日陛下がお亡くなりになられた後で次の国王を決める遺言書が発見されたんだってよ」
「そりゃあ、本当かい?」
「あぁ、遺言書によれば次の国王はベクター様だそうだ」
その言葉を聞いてレキシーの手が止まった。レキシーは診察の相手に断りを入れてからその話題について問い掛けた。
「それは本当かい!?」
「あ、あぁ、間違いないぜ。城に務めているオレの女房から聞いた話なんだから」
「……そんなバカな」
レキシーはその言葉を聞いて放心したような状態になっていた。城に招かれ、フィンを交えて話していた時に国王は次の国王はフィンにすると決めており、遺言書にも記してあると言っていたというのにどうして話と違うのだろうか。
気になったレキシーは詳細を問い掛けたのだが、その患者はそこまでは知らないとのことでそれ以上のことを聞き出すことはできなかった。
混乱したレキシーの代わって質問を投げ掛けたのは訪れた患者たちの応対をしていたカーラだった。
「ねぇ、それではフィン殿下はどうなりましたの?」
「フィン?あぁ、たまにあんたの元を訪れてたあの兄ちゃんな。気の毒にな……前の王様から死を賜ったらしくてな。それを拒否して今は牢屋に繋がれているよ」
憂鬱な表情を浮かべながらその患者は告げた。
患者の表情と言葉を使って聞いてそれを真実だと確信したカーラは思わず口元を大きく開いてしまう。慌てて両手で口元を押さえたかと思うと、そのまま患者に向かって丁寧に頭を下げて業務へと戻っていったのだった。
両者ともに煮え切れない思いを抱えて仕事を行なっていた時だ。兵隊たちがその姿を現して、診療所にいる人々に大きな声で告げた。
「全員聞けッ!明日に先王陛下の葬儀を行い、その翌日に宮廷にて即位式を行うッ!したがって翌日の翌々日は業務を停止し、揃って新しく国王となられるベクター殿下とマルグリッタ妃を祝福なさるようにッ!」
兵隊たちはそれだけ告げると、そのまま診療所を後にして隣の建物に先程と同じ言葉を同じ声量で叫んでいくのだった。
「聞いたかよ、前の王様の葬式の翌日に即位式だとよ」
「呆れてものも言えねぇ」
「あんなのがオレたちの次の王様だと思うと反吐が出るね」
患者たちが次々と愚痴を飛び交わせる中でカーラは意味深な笑みを浮かべていた。レキシーはそんなカーラを睨んでいた。カーラが余計な一言を喋らせないようにするためである。
カーラはその意図を知ってか黙って首を縦に動かした。
その後二人は身を粉にして働いており、復讐や駆除のことを考える余裕はなかった。再び考える余裕ができたのは昼の休憩時間にヒューゴが尋ねてきたことであった。二人はそのままヒューゴに連れ去られ、駆除人ギルドへと連れて行かれた。
駆除人ギルドではギルドマスターが二人を待ち構えており、二人を酒場のカウンター席へと座らせたのだった。
ギルドマスターはしばらく両者を見つめた後でゆっくりとした口調で言った。
「……カーラ。お前さんの依頼だがね。引き受けることにしたよ。お前さんの復讐を果たしてやりたいという思いは私も尊重してあげたいからねぇ」
「ありがとうございますわ」
「……その上で昨日ヒューゴが帰ってから一日計画を練っていたんだ。見てくれないか?」
ギルドマスターはバーカウンターの上に宮廷の図面を書き記した地図を広げたのだった。
「……マスター。この図面をどこで手に入れましたの?」
「少々危ない筋から……とだけ言っておこうかな。これ以上は詮索しないのが吉というものだ」
ギルドマスターはカーラを睨んだ。その瞳には青白い光が帯びており、何も言うなというギルドマスターからの警告が浮き彫りになっていた。
カーラはそれを理解して何も言わずにギルドマスターの言葉の続きを待った。
「それで、考えたんだがな、今回の計画の実行役としてカーラ、レキシー、ヒューゴ、それからギークの四名をあてようと思っている」
「……いい配役でしてよ。それで計画はどうなっておりますの?」
「……カーラとレキシーにはメイドとして城の中に潜入してもらおう。だが、今回はいつもみたいに服を奪わなくていい。一日あれば奪ってこれるからな」
「……なるほど、メイドに化けて標的の一人を始末しようということだね?」
「その通りだ。その上で城の裏口を開けておいてほしい。そこからヒューゴとギークの両名を引き入れる算段になっているからな」
「わかりましたわ。ただ、マスター、私マルグリッタはその場で殺さないかもしれませんわ?」
「どうしてだ?」
「……だって、あっさりと殺してしまったら楽しみがなくなるでしょう」
カーラ黒い笑みを浮かべて笑う。その姿はまさしく公爵家の面々が「人面獣心」と呼んでいるのがわかるかのような恐ろしい姿であり、その場にいる全員にカーラから悪女の片鱗を感じさせたのだった。
カーラは悪女のように悪い笑みを浮かべながら自身がマルグリッタを、レキシーがベクターを、ヒューゴとギークの両名がポールとルパートの両名のどちらかをどちらかが倒すという役割分担を説明していくのだった。
カーラはその後でレキシーに懇願してヒューゴとギークのために似顔絵を作らせ、二人に渡したのだった。
二人はその似顔絵を懐の中へと仕舞い込む。後は一日という時間をかけて毒を精製したり、城の図面を覚えたり、自身の記憶の中にある即位式の詳細、それから自身がどのようにしてマルグリッタに制裁を下していくかなどを説明すれば完璧だ。明日の駆除は上手くいくだろう。
カーラはそんな確信を持っていた。
平穏な帰り道を終わらせる事件が起こったのだった。
レキシーを乗せた馬車の前に黒装束の男たちが姿を見せて、馬車の御者を矢で射殺し、御者が死んだことによって馬が止まったのを確認し、黒装束の男たちは剣を持って襲撃をかけた。不意の襲撃によって扉が開かれると、レキシーと共に乗っていた使用人の一人が引き摺り出されて殺された。だが、レキシーは襲ってきた黒装束の男の喉元に短剣を突き刺すことで難を逃れたのだった。
レキシーは慌てて馬車を降りて、もう一人の男を始末しようとしたものの、もう一人の男は予想よりも早く動いていた。馬車に乗っていた残りの使用人たちを手際よく皆殺しにした後でレキシーに向かって剣先を突き付けたのだ。その際にレキシーは膝に剣が直撃し、膝から血が流れ出たのを確認した。レキシーの意識が血に気を取られたほんの一瞬の間のことだった。男がレキシーに向かって大きく剣を振り上げたのだった。
剣が目の前に迫った時には殺される覚悟をしていたが、自身の前にギークが割って入っることによってその覚悟は徒労に終わった。
この時ギークは密かに馬車を追い掛けてきていたらしいが、いかせん人間の足と馬車とでは勝負にもならない。救出が遅れたのはそのような理由があったからだった。
それでも慌てて助けに入ったためか、それともユーリとの死闘で力を使い果たしたためか割って入る際に剣や鞭を使うのを忘れてしまい、ギークは肩に傷を負う羽目になってしまったのだ。
そのことが思わぬ逆転の機会となり、レキシーは構えていた短剣を黒装束の男の脇腹に向かって勢いよく突き刺したのだった。そればかりではない。黒装束の男が呆気に取られているうちに短剣を引き抜き、心臓に向かって突き立てていくのだった。
レキシーは短剣の血を黒装束で拭うとそれを鞘に収め、診察用の鞄の壁と戻していく。それからギークに向かって手を伸ばすのだった。
「大丈夫かい?」
「レキシーさんこそ」
レキシーは診察用の鞄を使って応急の処置を自身とギークに施した後でお互いに肩を預けながら自宅へと戻っていく。そこでシュポスとの死闘を終えて帰宅したカーラと合流したのだった。
「ということが、一連の流れさ。ここまでで何か質問はあるかい?」
レキシーが三杯目の茶を啜りながらカーラとヒューゴに向かって問い掛ける。
「いいえ、ありませんわ。それにしてもまさか、レキシーさんとギークさんが仰っていたネオドラビア教の「刺客」とやらがベクター殿下御本人であったとは本当に意外でしたわ」
「信じられない話だけどそうなんだよ」
「……やはり、ベクター殿下は一日でも早く始末しなければなりませんわ。あんな男をいつまでも生かしておいては世のため人のためになりませんもの」
カーラの瞳には憎悪の炎が浮かんでいた。これまでは敬称付きで呼んでいたベクターを「あの男」と呼び捨てにしていたからもカーラが激しい憤怒の感情に燃えていることが他の三人には読み取れた。
その後でレキシーとギークを部屋の中に連れ、二人に本格的な薬を塗り、包帯を巻いていく。言うなれば本格的な治療を施したのだった。
肩を負傷したギークはヒューゴが報酬と共にギルドへと運ぶことになり、その日の夜は明けた。
翌日診療所はレキシーが怪我をしたまま続けられることになった。しかし診療所の中は誰もが宮廷の中で起きた惨劇でいっぱいだった。患者たちの話の中で一際レキシーの興味を惹いたのは次の国王に関する話題だった。
「聞いたかよ、昨日陛下がお亡くなりになられた後で次の国王を決める遺言書が発見されたんだってよ」
「そりゃあ、本当かい?」
「あぁ、遺言書によれば次の国王はベクター様だそうだ」
その言葉を聞いてレキシーの手が止まった。レキシーは診察の相手に断りを入れてからその話題について問い掛けた。
「それは本当かい!?」
「あ、あぁ、間違いないぜ。城に務めているオレの女房から聞いた話なんだから」
「……そんなバカな」
レキシーはその言葉を聞いて放心したような状態になっていた。城に招かれ、フィンを交えて話していた時に国王は次の国王はフィンにすると決めており、遺言書にも記してあると言っていたというのにどうして話と違うのだろうか。
気になったレキシーは詳細を問い掛けたのだが、その患者はそこまでは知らないとのことでそれ以上のことを聞き出すことはできなかった。
混乱したレキシーの代わって質問を投げ掛けたのは訪れた患者たちの応対をしていたカーラだった。
「ねぇ、それではフィン殿下はどうなりましたの?」
「フィン?あぁ、たまにあんたの元を訪れてたあの兄ちゃんな。気の毒にな……前の王様から死を賜ったらしくてな。それを拒否して今は牢屋に繋がれているよ」
憂鬱な表情を浮かべながらその患者は告げた。
患者の表情と言葉を使って聞いてそれを真実だと確信したカーラは思わず口元を大きく開いてしまう。慌てて両手で口元を押さえたかと思うと、そのまま患者に向かって丁寧に頭を下げて業務へと戻っていったのだった。
両者ともに煮え切れない思いを抱えて仕事を行なっていた時だ。兵隊たちがその姿を現して、診療所にいる人々に大きな声で告げた。
「全員聞けッ!明日に先王陛下の葬儀を行い、その翌日に宮廷にて即位式を行うッ!したがって翌日の翌々日は業務を停止し、揃って新しく国王となられるベクター殿下とマルグリッタ妃を祝福なさるようにッ!」
兵隊たちはそれだけ告げると、そのまま診療所を後にして隣の建物に先程と同じ言葉を同じ声量で叫んでいくのだった。
「聞いたかよ、前の王様の葬式の翌日に即位式だとよ」
「呆れてものも言えねぇ」
「あんなのがオレたちの次の王様だと思うと反吐が出るね」
患者たちが次々と愚痴を飛び交わせる中でカーラは意味深な笑みを浮かべていた。レキシーはそんなカーラを睨んでいた。カーラが余計な一言を喋らせないようにするためである。
カーラはその意図を知ってか黙って首を縦に動かした。
その後二人は身を粉にして働いており、復讐や駆除のことを考える余裕はなかった。再び考える余裕ができたのは昼の休憩時間にヒューゴが尋ねてきたことであった。二人はそのままヒューゴに連れ去られ、駆除人ギルドへと連れて行かれた。
駆除人ギルドではギルドマスターが二人を待ち構えており、二人を酒場のカウンター席へと座らせたのだった。
ギルドマスターはしばらく両者を見つめた後でゆっくりとした口調で言った。
「……カーラ。お前さんの依頼だがね。引き受けることにしたよ。お前さんの復讐を果たしてやりたいという思いは私も尊重してあげたいからねぇ」
「ありがとうございますわ」
「……その上で昨日ヒューゴが帰ってから一日計画を練っていたんだ。見てくれないか?」
ギルドマスターはバーカウンターの上に宮廷の図面を書き記した地図を広げたのだった。
「……マスター。この図面をどこで手に入れましたの?」
「少々危ない筋から……とだけ言っておこうかな。これ以上は詮索しないのが吉というものだ」
ギルドマスターはカーラを睨んだ。その瞳には青白い光が帯びており、何も言うなというギルドマスターからの警告が浮き彫りになっていた。
カーラはそれを理解して何も言わずにギルドマスターの言葉の続きを待った。
「それで、考えたんだがな、今回の計画の実行役としてカーラ、レキシー、ヒューゴ、それからギークの四名をあてようと思っている」
「……いい配役でしてよ。それで計画はどうなっておりますの?」
「……カーラとレキシーにはメイドとして城の中に潜入してもらおう。だが、今回はいつもみたいに服を奪わなくていい。一日あれば奪ってこれるからな」
「……なるほど、メイドに化けて標的の一人を始末しようということだね?」
「その通りだ。その上で城の裏口を開けておいてほしい。そこからヒューゴとギークの両名を引き入れる算段になっているからな」
「わかりましたわ。ただ、マスター、私マルグリッタはその場で殺さないかもしれませんわ?」
「どうしてだ?」
「……だって、あっさりと殺してしまったら楽しみがなくなるでしょう」
カーラ黒い笑みを浮かべて笑う。その姿はまさしく公爵家の面々が「人面獣心」と呼んでいるのがわかるかのような恐ろしい姿であり、その場にいる全員にカーラから悪女の片鱗を感じさせたのだった。
カーラは悪女のように悪い笑みを浮かべながら自身がマルグリッタを、レキシーがベクターを、ヒューゴとギークの両名がポールとルパートの両名のどちらかをどちらかが倒すという役割分担を説明していくのだった。
カーラはその後でレキシーに懇願してヒューゴとギークのために似顔絵を作らせ、二人に渡したのだった。
二人はその似顔絵を懐の中へと仕舞い込む。後は一日という時間をかけて毒を精製したり、城の図面を覚えたり、自身の記憶の中にある即位式の詳細、それから自身がどのようにしてマルグリッタに制裁を下していくかなどを説明すれば完璧だ。明日の駆除は上手くいくだろう。
カーラはそんな確信を持っていた。
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