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第三章『私がこの国に巣食う病原菌を排除してご覧にいれますわ!』
別れの言葉は届かなくて
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処刑の日、ミレリアはたっぷりと眠ってからようやく起き上がった。
独房の窓からは小さな光が差し込んでいる。それに窓からは鳥の鳴く声すら聞こえてくるではないか。ミレリアは今日が自身の処刑の日であるということも忘れ、清々しい気持ちになっていた。
後はこれでドレスさえ届けばいうことはないはずだ。
ミレリアがそんなことを考えていると、扉を開く音が聞こえ、大量のご馳走を並べたお盆を押した警備隊の隊員の姿が見えた。
「ほら、食事だぞ。この世で食う最後の食事だ。ありがたく食べろ」
お盆の上には牛肉を焼き、その上に味付けをしたいわゆるステーキが五枚ほど載っていた他に鳥肉の半身肉のソース煮、パン、サラダ、それにケーキや果物類を始めとした大量のデザート、それから白ワインが二杯に赤ワインが一杯載っていた。
「……ありがとう」
ミレリアは丁寧に頭を下げ、最後の食事に手を付けた。これらの料理は全て父の得意料理だった。ミレリアは初めこそこれらの量の料理を食べることができなかったが、徐々に慣れ始め、これらの量の料理を食べることができるようになった。
ミレリアはこれらの量の食事を難なく平らげ、最後には物足りなさそうにパンで皿を拭った。
監視である警備隊の隊員があの華奢の体のどこにこれが入ったのかと感心するほどであった。ミレリアは食事を終えると、見張りの隊員に向かってドレスのことを問い掛けた。
隊員が申し訳なさそうに否定の言葉を口に出そうとした時だ。扉を叩く音が聞こえた。ミレリアが入室を許可すると、緑色のドレスを両手に抱えたカーラの姿が見えた。
「カーラ」
「ミレリアさん、遅くなって申し訳ありません」
カーラは丁寧に頭を下げ、自身が両手に抱えていたドレスをミレリアに渡す。
そして、監視に気が付かれないようにミレリアの耳元で囁く。
「全て終わりましたわ。ドレスも仇討ちも」
その言葉を聞いてミレリアは両目から涙を流してカーラに感謝の言葉を述べ、そのまま勢いよく抱き着く。
自身の胸元で子供のように泣き叫ぶミレリアの頭をカーラは優しく撫でていた。
全ての感情を吐き出し、満足したミレリアは自らの手で考案した死装束に身を包む結論を出した。
それから着替えのために監視たちを追い出したことによって、二人となった。
カーラはドレスの着用を手伝っていたのだが、いざ二人きりとなればなかなか言葉も出ないのだろう。
しばらくの間沈黙が続く。当然だろう。この後には処刑が待っているのだから。カーラもこの後は何を喋ればいいのかわからないし、ミレリアもどう答えればいいのか困っているのだろう。このまま着替えの最中は永遠の沈黙が続くのかと思われたのだが、ミレリアが感謝の言葉を述べたことでようやくその沈黙は破られることになった。
「……本当にありがとうね。カーラ」
「いいえ、お礼を言われる筋合いなどございませんわ。あの男は生きていても周りに害を与える害虫……故に駆除させていただいただけのことですもの」
「謙遜なんてしなくていいのに」
「謙遜だなんてとんでもない。私はただ自分の仕事を成し遂げたばかりですわ」
「……結局、ドレスの準備も仇討ちもみんなあなたに任せちゃったね」
着替えを終えたミレリアはカーラに向かって申し訳なさそうに目を伏せながら言った。
「謝ってもらう必要なんてございませんわ。むしろ、こちらこそこのような機会に私のドレスなどを選んでくださり光栄ですわ」
カーラはミレリアの手を取り、その手の甲に口付けを落とす。その姿は側から見れば姫と騎士の前に見られたかもしれない。二人もそのように捉えた。
その証拠にカーラが再びミレリアの手を取り、頭を下げながら恭しい口調で即席のお遊びともいえることを思い付いたのは当然といえるかもしれない。
「プリンセス・ミレリア……私はあなたの忠実な騎士でございます。しかし私の力量不足によって結果的にあなた様を先に冥界へと旅立たせることになりますが、ご心配は致しませぬよう。……きっと、しばらくしたら私もそちらの方へと参りますので」
「……待っています。私の忠実な騎士カーラ」
ミレリアは涙を流しながらカーラの芝居に付き合った。ミレリアは突然のお遊びに困惑したものの、その後の台詞は自然に出てきていた。
カーラとミレリアはしばらくの間は見つめ合っていたが、やがて見張りの手によって引き離され、二人は別れざるを得なかった。
カーラは今でもその日のことを忘れられない。しかし、その日はなぜか酒に酔いたかった。
食卓の上でスパイスの効いた肉の加工品をつまみに本単位でワインを開けていた。
そして、もう何本目かになるのかわからないものの、本能で伸ばした手をレキシーによって叩かれてしまう。
「およしよ!あんた、これで何杯目だい?」
「……さぁ、数えるのを忘れてしまってましたわ」
カーラはすっかりと赤くなった顔で答えた。
「ったく、ここまで赤くなっちゃ明日は無理だね。患者さんたちにはあんたがミレリアの死で心が病んで、寝込んでるから休んでおくと言っておくよ」
「ありがとうございます」
カーラはその言葉を最後に意識を失った。次にカーラが目を覚ましたのは自室のベッドの上であった。
窓からは青空が広がっていたことから翌日の夜から朝まで寝続けていたということになる。カーラは改めて申し訳のなさを感じながら辺りを見渡していると、ベッドの横にレキシーが作ったと思われるチキンスープが置いてあることに気がつく。
カーラは両手でチキンスープのお椀を触り、その温もりを確認してからゆっくりと啜る。
この時の味は不思議と温かな気持ちとなった。
「えっ?また依頼があるのかい?」
「うん、急ぐ依頼でね。けど、これはレキシーさんしかできないらしいから、是非とも依頼を受けて欲しいんだって、マスターが言ってたよ」
レキシーは突然診療所を訪れたギークに対してどこか不満気な態度で見つめていた。
ギークが昼休憩の時間や仕事を終えた時間帯に訪れるようになったことは評価するべきであるが、それでも急な依頼を持ってくるという点については評価ができなかった。
表稼業との折り合いもあるというのに、どうしてこうも急にやって来るのだろうか。
レキシーは不満そうな顔を浮かべていたが、結局は受けるしかないと腹を括り、ギルドマスターからの依頼を受諾した。
ギークが持ってきた前金を受け取り、家に帰るまでの道中で駆除についての話を聞いていく。
「今回の相手は城下町の外に巨大な屋敷を、そして地方に広大な土地を持っている大侯爵ジョー・ゴットフリートだからね。こいつがまた厄介で、自分でも敵が多いのを自覚しているからなのか、滅多に屋敷の外から出ようとしないんだ」
ジョー・ゴットフリートはクライン王国における有力貴族の一人で、その権威と権勢はかつて辺境の王とさえ称されたティーダー侯に匹敵すると言われている。
現在の当主であるジョーは傲慢なゴットフリート家の当主の中でもとりわけ傲慢かつ自分勝手という性格の人物であり、市井の人々からの評価は最悪と称してもよい。
何より悪質なのは使用人虐めである。近場に住む人々によれば老若男女問わずひどい怪我が目立つのだという。
「これで酷いのがさ、その虐めに耐えかねて自殺したという人までいるんだよ」
「なるほどね、お貴族サマって感じのやつか……生かしちゃおけないね」
レキシーはギークがこの後に例え依頼を取り消してくれと言ったとしても関係なく、ジョー・ゴットフリートという男を駆除するつもりになっていた。
もちろん準備などもある上に今日は相棒兼同居人が諸々の事情で寝込んでいるということもあり、準備等は翌日から取り掛かる予定である。
レキシーは鍵を回し、家に入り、同居人兼相棒の寝ている部屋へと向かっていく。
駆除のことを相談するために。
独房の窓からは小さな光が差し込んでいる。それに窓からは鳥の鳴く声すら聞こえてくるではないか。ミレリアは今日が自身の処刑の日であるということも忘れ、清々しい気持ちになっていた。
後はこれでドレスさえ届けばいうことはないはずだ。
ミレリアがそんなことを考えていると、扉を開く音が聞こえ、大量のご馳走を並べたお盆を押した警備隊の隊員の姿が見えた。
「ほら、食事だぞ。この世で食う最後の食事だ。ありがたく食べろ」
お盆の上には牛肉を焼き、その上に味付けをしたいわゆるステーキが五枚ほど載っていた他に鳥肉の半身肉のソース煮、パン、サラダ、それにケーキや果物類を始めとした大量のデザート、それから白ワインが二杯に赤ワインが一杯載っていた。
「……ありがとう」
ミレリアは丁寧に頭を下げ、最後の食事に手を付けた。これらの料理は全て父の得意料理だった。ミレリアは初めこそこれらの量の料理を食べることができなかったが、徐々に慣れ始め、これらの量の料理を食べることができるようになった。
ミレリアはこれらの量の食事を難なく平らげ、最後には物足りなさそうにパンで皿を拭った。
監視である警備隊の隊員があの華奢の体のどこにこれが入ったのかと感心するほどであった。ミレリアは食事を終えると、見張りの隊員に向かってドレスのことを問い掛けた。
隊員が申し訳なさそうに否定の言葉を口に出そうとした時だ。扉を叩く音が聞こえた。ミレリアが入室を許可すると、緑色のドレスを両手に抱えたカーラの姿が見えた。
「カーラ」
「ミレリアさん、遅くなって申し訳ありません」
カーラは丁寧に頭を下げ、自身が両手に抱えていたドレスをミレリアに渡す。
そして、監視に気が付かれないようにミレリアの耳元で囁く。
「全て終わりましたわ。ドレスも仇討ちも」
その言葉を聞いてミレリアは両目から涙を流してカーラに感謝の言葉を述べ、そのまま勢いよく抱き着く。
自身の胸元で子供のように泣き叫ぶミレリアの頭をカーラは優しく撫でていた。
全ての感情を吐き出し、満足したミレリアは自らの手で考案した死装束に身を包む結論を出した。
それから着替えのために監視たちを追い出したことによって、二人となった。
カーラはドレスの着用を手伝っていたのだが、いざ二人きりとなればなかなか言葉も出ないのだろう。
しばらくの間沈黙が続く。当然だろう。この後には処刑が待っているのだから。カーラもこの後は何を喋ればいいのかわからないし、ミレリアもどう答えればいいのか困っているのだろう。このまま着替えの最中は永遠の沈黙が続くのかと思われたのだが、ミレリアが感謝の言葉を述べたことでようやくその沈黙は破られることになった。
「……本当にありがとうね。カーラ」
「いいえ、お礼を言われる筋合いなどございませんわ。あの男は生きていても周りに害を与える害虫……故に駆除させていただいただけのことですもの」
「謙遜なんてしなくていいのに」
「謙遜だなんてとんでもない。私はただ自分の仕事を成し遂げたばかりですわ」
「……結局、ドレスの準備も仇討ちもみんなあなたに任せちゃったね」
着替えを終えたミレリアはカーラに向かって申し訳なさそうに目を伏せながら言った。
「謝ってもらう必要なんてございませんわ。むしろ、こちらこそこのような機会に私のドレスなどを選んでくださり光栄ですわ」
カーラはミレリアの手を取り、その手の甲に口付けを落とす。その姿は側から見れば姫と騎士の前に見られたかもしれない。二人もそのように捉えた。
その証拠にカーラが再びミレリアの手を取り、頭を下げながら恭しい口調で即席のお遊びともいえることを思い付いたのは当然といえるかもしれない。
「プリンセス・ミレリア……私はあなたの忠実な騎士でございます。しかし私の力量不足によって結果的にあなた様を先に冥界へと旅立たせることになりますが、ご心配は致しませぬよう。……きっと、しばらくしたら私もそちらの方へと参りますので」
「……待っています。私の忠実な騎士カーラ」
ミレリアは涙を流しながらカーラの芝居に付き合った。ミレリアは突然のお遊びに困惑したものの、その後の台詞は自然に出てきていた。
カーラとミレリアはしばらくの間は見つめ合っていたが、やがて見張りの手によって引き離され、二人は別れざるを得なかった。
カーラは今でもその日のことを忘れられない。しかし、その日はなぜか酒に酔いたかった。
食卓の上でスパイスの効いた肉の加工品をつまみに本単位でワインを開けていた。
そして、もう何本目かになるのかわからないものの、本能で伸ばした手をレキシーによって叩かれてしまう。
「およしよ!あんた、これで何杯目だい?」
「……さぁ、数えるのを忘れてしまってましたわ」
カーラはすっかりと赤くなった顔で答えた。
「ったく、ここまで赤くなっちゃ明日は無理だね。患者さんたちにはあんたがミレリアの死で心が病んで、寝込んでるから休んでおくと言っておくよ」
「ありがとうございます」
カーラはその言葉を最後に意識を失った。次にカーラが目を覚ましたのは自室のベッドの上であった。
窓からは青空が広がっていたことから翌日の夜から朝まで寝続けていたということになる。カーラは改めて申し訳のなさを感じながら辺りを見渡していると、ベッドの横にレキシーが作ったと思われるチキンスープが置いてあることに気がつく。
カーラは両手でチキンスープのお椀を触り、その温もりを確認してからゆっくりと啜る。
この時の味は不思議と温かな気持ちとなった。
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もちろん準備などもある上に今日は相棒兼同居人が諸々の事情で寝込んでいるということもあり、準備等は翌日から取り掛かる予定である。
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