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四人の遊園地
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かくして、アミューズメントパークに行くのは俺、親父、涼子、元樹くんの四人となったのだ。
親父は俺たち四人を駐車場へと連れて行き、そこに止めてある黒塗りの軽自動車の中へと入っていく。
親父が家と共に組んだローン十数年の車。
俺が幼い頃から乗っているからか、よく見れば、車のあちこちに小さな傷がある。
俺は車に乗ると、元樹くんと共に後部座席へと座る。
親父は運転席、涼子は助手席である。
ちなみに、涼子ご自慢のサンドイッチはバスケットは彼女の前方に鎮座している。あのバスケットの中に涼子のサンドイッチが入るのかと思うと、中々に食欲がそそられていく。
そんなこんなで、親父は俺たち全員が車に乗り込むのを確認すると、扉を閉めて、車を発進させる……筈だったが、何故か、親父はアクセルから足を離し、涼子に何か耳打ちをする。
親父の問い掛けに、涼子はなぜか、耳を赤く染めていた。
そして、涼子に尋ね終えると、俺たちに向かって言った。
「なぁ、お前ら音楽は何がいい?」
どうやら、旅を盛り上げる曲が何を言いたいのかを知りたいらしい。
正直に言って、なんでもいい。そう思っていると、元樹くんが口を開いて、
「ぼくはなんでもいいです」
と、俺の考えを代弁していく。すると、親父は俺に視線をやって、
「お前は何がいいんだ?」
「あ、お、おれ?」
「お前以外に誰がいるんだ?」
ごもっともな指摘である。だが、元樹くんと同じ事を言えば、確実に親父は困るだろう。
窮地に陥った親父は親父自身が好む曲を掛ける可能性が高い。
親父が好むのは昔ながらの歌謡曲。恐らく、涼子以外の誰もが困惑する様な古い曲を流すに違いない。
だから、俺は言った。
「あの、邦ロックの曲を掛けてくれよ、あの、90年代に流行った、なんとかの……」
「あぁ、あれか、お前が中学生の頃にハマってたバンドのやつだろ?」
「そうそう、今でもそのバンドは有名な筈だろ?」
親父は車の下の収納スペースからそのバンドのメンバーが映ったアルバムを取り出し、車の中にCDを入れていく。
車の中に軽快な音楽と高い熱量で奏でられる音楽が鳴り響いていく。
二人も満更ではない表情を浮かべている。
それから後はこの音楽が関わる、俺の中学時代の話が親父の口から語られ、二人は興味津々で聞いていく。
三人の話が盛り上がる中で、俺は思わず声を荒げてしまう。
すると、俺の反応が面白かったのか、全員がくすくすと笑っていく。
その後は自然と俺の思い出話になっていく。
俺の知らない事も親父は覚えているのだから、俺は思わず赤面してしまう。
と、いうか、三歳の頃の話など覚えていなくて当然だろう。
と、いうか、三歳の頃には巨大なクマのぬいぐるみが家にあったのだという。
いや、三歳の頃ばかりではない。今も、そのぬいぐるみは物置に置いてあるらしい。
目から鱗が落ちる思いである。今度、いや、家に帰れば、二階の物置になっている部屋を探してみたい。
親父は俺たち四人を駐車場へと連れて行き、そこに止めてある黒塗りの軽自動車の中へと入っていく。
親父が家と共に組んだローン十数年の車。
俺が幼い頃から乗っているからか、よく見れば、車のあちこちに小さな傷がある。
俺は車に乗ると、元樹くんと共に後部座席へと座る。
親父は運転席、涼子は助手席である。
ちなみに、涼子ご自慢のサンドイッチはバスケットは彼女の前方に鎮座している。あのバスケットの中に涼子のサンドイッチが入るのかと思うと、中々に食欲がそそられていく。
そんなこんなで、親父は俺たち全員が車に乗り込むのを確認すると、扉を閉めて、車を発進させる……筈だったが、何故か、親父はアクセルから足を離し、涼子に何か耳打ちをする。
親父の問い掛けに、涼子はなぜか、耳を赤く染めていた。
そして、涼子に尋ね終えると、俺たちに向かって言った。
「なぁ、お前ら音楽は何がいい?」
どうやら、旅を盛り上げる曲が何を言いたいのかを知りたいらしい。
正直に言って、なんでもいい。そう思っていると、元樹くんが口を開いて、
「ぼくはなんでもいいです」
と、俺の考えを代弁していく。すると、親父は俺に視線をやって、
「お前は何がいいんだ?」
「あ、お、おれ?」
「お前以外に誰がいるんだ?」
ごもっともな指摘である。だが、元樹くんと同じ事を言えば、確実に親父は困るだろう。
窮地に陥った親父は親父自身が好む曲を掛ける可能性が高い。
親父が好むのは昔ながらの歌謡曲。恐らく、涼子以外の誰もが困惑する様な古い曲を流すに違いない。
だから、俺は言った。
「あの、邦ロックの曲を掛けてくれよ、あの、90年代に流行った、なんとかの……」
「あぁ、あれか、お前が中学生の頃にハマってたバンドのやつだろ?」
「そうそう、今でもそのバンドは有名な筈だろ?」
親父は車の下の収納スペースからそのバンドのメンバーが映ったアルバムを取り出し、車の中にCDを入れていく。
車の中に軽快な音楽と高い熱量で奏でられる音楽が鳴り響いていく。
二人も満更ではない表情を浮かべている。
それから後はこの音楽が関わる、俺の中学時代の話が親父の口から語られ、二人は興味津々で聞いていく。
三人の話が盛り上がる中で、俺は思わず声を荒げてしまう。
すると、俺の反応が面白かったのか、全員がくすくすと笑っていく。
その後は自然と俺の思い出話になっていく。
俺の知らない事も親父は覚えているのだから、俺は思わず赤面してしまう。
と、いうか、三歳の頃の話など覚えていなくて当然だろう。
と、いうか、三歳の頃には巨大なクマのぬいぐるみが家にあったのだという。
いや、三歳の頃ばかりではない。今も、そのぬいぐるみは物置に置いてあるらしい。
目から鱗が落ちる思いである。今度、いや、家に帰れば、二階の物置になっている部屋を探してみたい。
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