70 / 125
すれ違う二人
12
丁度三十分後に、待ち合わせ場所に到着して入り口から入ると。
「っしゃいませー!!」
そんな大きなかけ声を無視しながら。
中を見回すと。
一点に目を止める。
…うわ、最悪。
目の前にはジョッキに手をかけてこちらとは反対方向の壁に向かって机に頬をつけてる女を見て。
もうお酒飲んでる。
そう思いながらも、そこへ近づいて行って。
一人で生ビールを飲んでいる広瀬に背後から声をかける。
「…教師が朝っぱらから出来上がってて良いの。」
そう言いながら、広瀬が座ってる横のカウンター席に座る。
「良いの!」
…面倒くさい。
てか、相当酔ってる。
俺が電話してからの三十分間で良くここまで。
そう思いつつ。
「…別にどうでも良いけど。本題に入りなよ。瑞紀が、何だって。」
俺がそう言うと、途端に広瀬は真剣な表情になって。
「…うん。私が話したかったのは瑞紀の両親の事なんだけど。」
瑞紀の、両親。
俺が思わず眉を寄せると。
広瀬は俺のその様子を見てため息をついて、おでこに手をやる。
「…やっぱり、何も聞いてないんだね。私から言うのもどうかと思うんだけど…でも、私が言わないと、あの子の口からは絶対に言わないと思うから…」
…その通りだ。
現に瑞紀は何も言わない。
「…それで。」
そう先を促すと。
広瀬は眉を寄せて息を呑んでから。
「瑞紀の、」
何となく。
「…両親は、」
分かってた。
「…っ」
でも。
「2年前に」
瑞紀が。
「事故で」
そんな思いをしてきたなんて。
「他界されたわ。」
信じたく無かった。
「っしゃいませー!!」
そんな大きなかけ声を無視しながら。
中を見回すと。
一点に目を止める。
…うわ、最悪。
目の前にはジョッキに手をかけてこちらとは反対方向の壁に向かって机に頬をつけてる女を見て。
もうお酒飲んでる。
そう思いながらも、そこへ近づいて行って。
一人で生ビールを飲んでいる広瀬に背後から声をかける。
「…教師が朝っぱらから出来上がってて良いの。」
そう言いながら、広瀬が座ってる横のカウンター席に座る。
「良いの!」
…面倒くさい。
てか、相当酔ってる。
俺が電話してからの三十分間で良くここまで。
そう思いつつ。
「…別にどうでも良いけど。本題に入りなよ。瑞紀が、何だって。」
俺がそう言うと、途端に広瀬は真剣な表情になって。
「…うん。私が話したかったのは瑞紀の両親の事なんだけど。」
瑞紀の、両親。
俺が思わず眉を寄せると。
広瀬は俺のその様子を見てため息をついて、おでこに手をやる。
「…やっぱり、何も聞いてないんだね。私から言うのもどうかと思うんだけど…でも、私が言わないと、あの子の口からは絶対に言わないと思うから…」
…その通りだ。
現に瑞紀は何も言わない。
「…それで。」
そう先を促すと。
広瀬は眉を寄せて息を呑んでから。
「瑞紀の、」
何となく。
「…両親は、」
分かってた。
「…っ」
でも。
「2年前に」
瑞紀が。
「事故で」
そんな思いをしてきたなんて。
「他界されたわ。」
信じたく無かった。
あなたにおすすめの小説
氷の宰相補佐と押しつけられた厄災の花嫁
瑞原唯子
恋愛
王命により、アイザックはまだ十歳の少女を妻として娶ることになった。
彼女は生後まもなく始末されたはずの『厄災の姫』である。最近になって生存が判明したが、いまさら王家に迎え入れることも始末することもできない——悩んだ末、国王は序列一位のシェフィールド公爵家に押しつけたのだ。
【完結】あなたに抱きしめられたくてー。
彩華(あやはな)
恋愛
細い指が私の首を絞めた。泣く母の顔に、私は自分が生まれてきたことを後悔したー。
そして、母の言われるままに言われ孤児院にお世話になることになる。
やがて学園にいくことになるが、王子殿下にからまれるようになり・・・。
大きな秘密を抱えた私は、彼から逃げるのだった。
同時に母の事実も知ることになってゆく・・・。
*ヤバめの男あり。ヒーローの出現は遅め。
もやもや(いつもながら・・・)、ポロポロありになると思います。初めから重めです。
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
《完結》王太子妃、毒薬飲まされ人生変わりました。
ぜらちん黒糖
恋愛
【第一章】ヘレンはトムス王太子と結婚して王太子妃となった。だが毒入りワインを誰かに飲まされ意識不明になってしまう。
意識不明の中、幽体離脱をして幽霊となりメイドのマリーに憑依して犯人を探し始める。
【第二章】ローズの息子ゼオドアを軸に物語は進む。
【第三章】ローズの父を軸に話が進む。
【第四章】マラオとマリーの恋愛を軸に話が進んでいきます。
そして第五章よりもうひとりの主役が登場します。
【完結】恋を失くした伯爵令息に、赤い糸を結んで
白雨 音
恋愛
伯爵令嬢のシュゼットは、舞踏会で初恋の人リアムと再会する。
ずっと会いたかった人…心躍らせるも、抱える秘密により、名乗り出る事は出来無かった。
程なくして、彼に美しい婚約者がいる事を知り、諦めようとするが…
思わぬ事に、彼の婚約者の座が転がり込んで来た。
喜ぶシュゼットとは反対に、彼の心は元婚約者にあった___
※視点:シュゼットのみ一人称(表記の無いものはシュゼット視点です)
異世界、架空の国(※魔法要素はありません)《完結しました》
【完結】彼を幸せにする十の方法
玉響なつめ
恋愛
貴族令嬢のフィリアには婚約者がいる。
フィリアが望んで結ばれた婚約、その相手であるキリアンはいつだって冷静だ。
婚約者としての義務は果たしてくれるし常に彼女を尊重してくれる。
しかし、フィリアが望まなければキリアンは動かない。
婚約したのだからいつかは心を開いてくれて、距離も縮まる――そう信じていたフィリアの心は、とある夜会での事件でぽっきり折れてしまった。
婚約を解消することは難しいが、少なくともこれ以上迷惑をかけずに夫婦としてどうあるべきか……フィリアは悩みながらも、キリアンが一番幸せになれる方法を探すために行動を起こすのだった。
※小説家になろう・カクヨムにも掲載しています。