政略結婚が恋愛結婚に変わる時。

美桜羅

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すれ違う二人

12

丁度三十分後に、待ち合わせ場所に到着して入り口から入ると。

「っしゃいませー!!」

そんな大きなかけ声を無視しながら。

中を見回すと。

一点に目を止める。

…うわ、最悪。

目の前にはジョッキに手をかけてこちらとは反対方向の壁に向かって机に頬をつけてる女を見て。

もうお酒飲んでる。

そう思いながらも、そこへ近づいて行って。

一人で生ビールを飲んでいる広瀬に背後から声をかける。

「…教師が朝っぱらから出来上がってて良いの。」

そう言いながら、広瀬が座ってる横のカウンター席に座る。

「良いの!」

…面倒くさい。

てか、相当酔ってる。

俺が電話してからの三十分間で良くここまで。

そう思いつつ。

「…別にどうでも良いけど。本題に入りなよ。瑞紀が、何だって。」

俺がそう言うと、途端に広瀬は真剣な表情になって。

「…うん。私が話したかったのは瑞紀の両親の事なんだけど。」

瑞紀の、両親。

俺が思わず眉を寄せると。

広瀬は俺のその様子を見てため息をついて、おでこに手をやる。

「…やっぱり、何も聞いてないんだね。私から言うのもどうかと思うんだけど…でも、私が言わないと、あの子の口からは絶対に言わないと思うから…」

…その通りだ。

現に瑞紀は何も言わない。

「…それで。」

そう先を促すと。

広瀬は眉を寄せて息を呑んでから。



「瑞紀の、」

何となく。

「…両親は、」

分かってた。

「…っ」

でも。

「2年前に」

瑞紀が。

「事故で」

そんな思いをしてきたなんて。

「他界されたわ。」

信じたく無かった。
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