政略結婚が恋愛結婚に変わる時。

美桜羅

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近づく距離

11

朝。

いつものように起きると。

隣に、あるはずのぬくもりがなくて。



は?

何だこれ。

夢か?

いや、まさか。

そんなはず。

そんな事を考えながら急いでリビングに向かうと。

瑞紀が朝食を作りながら、笑って こちらを見て。

「…おはようございます。」

その笑顔に思わず安堵のため息が漏れる。

…夢かと思った。

ふざけるな。

あれが現実じゃなくて夢だったら、どうしてくれる。

そう思いながら、頭に手をやると。

「…」

…そうだった。

左手に。

いつもと違う感触がするから何かと思った。

…老化か?

そう思いながら、コーヒーを入れようと、フライパンを傾けてる瑞紀の横に立って、ふと瑞紀を見下ろすと。



見えた光景に、思わず眉を寄せてため息をつく。

「…瑞紀。」

俺がそう言うと。

瑞紀は少し顔を赤くしながら、ゆっくりと俺を見上げて。

「はい。」

そう笑う瑞紀に。

俺は淹れたばかりのコーヒーが入っているカップを口に持って行きながら。

「…ごめんね。」

瑞紀は俺の言葉に、笑いながら首を傾げる。

そんな瑞紀に対して。

「…キスマーク、昨日、考えもしないで見える所にたくさん付けた。」

そう言うと。

瑞紀は、笑って。

「知哉さんに、付けられたものだから良いんです。」







そう言う瑞紀を黙って見下ろしていると。

「…ね。」

そう笑う瑞紀に。

俺は一生敵わないのかもしれない。
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