政略結婚が恋愛結婚に変わる時。

美桜羅

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近づく距離

16

何だこれ。

全部夢か。

やめろ。

ばっと急いで自分の左手を見ると。

そこには確かにシルバーの真新しいリングが光っていて。

俺にあった出来事に現実味を持たせる。



考えろ。

どうすればいい。

どこに行けば瑞紀に会える。

こんな事なら、もっと前からいろいろ聞いておけば良かった。

携帯電話だって、解約されてて。

昨日、決まりきったアナウンスを何度聞いたか。

とりあえず瑞紀に会って話を聞かなければ。

何か理由があるはずだ。

勘違いしてるに決まってる。

じゃなきゃ。

瑞紀が俺を。

そうだ。

学校だ。

学校にまずは行こう。

会社にはまだ間に合う。

いざとなれば休めば良い。

そのくらいの奉仕活動はいつもしてる。

むしろ、いつも休まなすぎの俺に会社としては喜んで受け入れてくれる。

俺は、急いで車の鍵だけを手に持って玄関の外に飛び出した。

学校の受付まで、車で急いで走って。

急いでやって来た俺は顔を出した人に向かって、
「広瀬先生お願いします!」

事務の人に絶対、この人いつも急いでる、とか思われてるんだろうな、と思いつつ。

眉を寄せながら待っていると。

パタパタパタパタ

向こうの方から足音が近づいてきて。

ぱっとその足音の方に振り返ると。

広瀬が走ってきていた。

広瀬がまだ遠いにも関わらず、俺は大きな声で早口に
「…瑞紀は、どこ!」

そう聞くと。

広瀬は混乱したように目を見開きながら立ち止まる。

靴を脱いで、そんな広瀬に近づきながら。

「来てるんでしょ、早く出しなよ!すぐ済むから!」

広瀬はそんな俺を目を見開いて見つめて。

それから眉を寄せて下を向く。

「…私だって、探してるのよ。」
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