政略結婚が恋愛結婚に変わる時。

美桜羅

文字の大きさ
116 / 125
望んだ未来

2

一人で机に向かってカリカリと今日の夕方までに提出しなければならない書類を書いていると。

シャッ

隣の部屋との境目にあるカーテンが開かれて。

その音にゆっくりと顔を上げて見慣れた顔を確認して眉を寄せると。

その女は、そんな俺の表情を気にしていないくらい焦ったように。

はたまた呆れたように。

「先生!また、桜ちゃんが!」



俺は座ってた椅子から立ち上がり、
「行きます。」
と言ってから。

座っていた椅子の背もたれにかけてあった白衣を見にまとい。

小児科第二診察室、と書かれてる部屋から出た。






「…やだ!絶対、やだぁ!」

聞き慣れた甲高い声は、静かな廊下に響き渡ってる。

どんだけ大声を出してるんだ。

俺は少し眉を寄せながら。

目的地である部屋のドアをガラリと開ける。

すると騒がしかった部屋の中は一旦静かになって。

俺が病室の奥へと入って行くと。

ベットに座る女の子と、それを囲むようにして立っている三人の女看護師。

それらが一斉に俺を見る。

俺はそんな事を気にも止めずベットに座っている、体が小さくてどこか弱々しい雰囲気を纏っている女の子を見ると。

その女の子も相変わらず俺を見ていて。

「…悠河先生…」
と言った。
感想 28

あなたにおすすめの小説

氷の宰相補佐と押しつけられた厄災の花嫁

瑞原唯子
恋愛
王命により、アイザックはまだ十歳の少女を妻として娶ることになった。 彼女は生後まもなく始末されたはずの『厄災の姫』である。最近になって生存が判明したが、いまさら王家に迎え入れることも始末することもできない——悩んだ末、国王は序列一位のシェフィールド公爵家に押しつけたのだ。

【完結】お飾り妃〜寵愛は聖女様のモノ〜

恋愛
今日、私はお飾りの妃となります。 ※実際の慣習等とは異なる場合があり、あくまでこの世界観での要素もございますので御了承ください。

愚かな恋

はるきりょう
恋愛
そして、呪文のように繰り返すのだ。「里美。好きなんだ」と。 私の顔を見て、私のではない名前を呼ぶ。

【完結】あなたに抱きしめられたくてー。

彩華(あやはな)
恋愛
細い指が私の首を絞めた。泣く母の顔に、私は自分が生まれてきたことを後悔したー。 そして、母の言われるままに言われ孤児院にお世話になることになる。 やがて学園にいくことになるが、王子殿下にからまれるようになり・・・。 大きな秘密を抱えた私は、彼から逃げるのだった。 同時に母の事実も知ることになってゆく・・・。    *ヤバめの男あり。ヒーローの出現は遅め。  もやもや(いつもながら・・・)、ポロポロありになると思います。初めから重めです。

挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】 今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。 「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」 そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。 そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。 けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。 その真意を知った時、私は―。 ※暫く鬱展開が続きます ※他サイトでも投稿中

《完結》王太子妃、毒薬飲まされ人生変わりました。

ぜらちん黒糖
恋愛
【第一章】ヘレンはトムス王太子と結婚して王太子妃となった。だが毒入りワインを誰かに飲まされ意識不明になってしまう。  意識不明の中、幽体離脱をして幽霊となりメイドのマリーに憑依して犯人を探し始める。 【第二章】ローズの息子ゼオドアを軸に物語は進む。 【第三章】ローズの父を軸に話が進む。 【第四章】マラオとマリーの恋愛を軸に話が進んでいきます。 そして第五章よりもうひとりの主役が登場します。

【完結】恋を失くした伯爵令息に、赤い糸を結んで

白雨 音
恋愛
伯爵令嬢のシュゼットは、舞踏会で初恋の人リアムと再会する。 ずっと会いたかった人…心躍らせるも、抱える秘密により、名乗り出る事は出来無かった。 程なくして、彼に美しい婚約者がいる事を知り、諦めようとするが… 思わぬ事に、彼の婚約者の座が転がり込んで来た。 喜ぶシュゼットとは反対に、彼の心は元婚約者にあった___  ※視点:シュゼットのみ一人称(表記の無いものはシュゼット視点です)   異世界、架空の国(※魔法要素はありません)《完結しました》

【完結】彼を幸せにする十の方法

玉響なつめ
恋愛
貴族令嬢のフィリアには婚約者がいる。 フィリアが望んで結ばれた婚約、その相手であるキリアンはいつだって冷静だ。 婚約者としての義務は果たしてくれるし常に彼女を尊重してくれる。 しかし、フィリアが望まなければキリアンは動かない。 婚約したのだからいつかは心を開いてくれて、距離も縮まる――そう信じていたフィリアの心は、とある夜会での事件でぽっきり折れてしまった。 婚約を解消することは難しいが、少なくともこれ以上迷惑をかけずに夫婦としてどうあるべきか……フィリアは悩みながらも、キリアンが一番幸せになれる方法を探すために行動を起こすのだった。 ※小説家になろう・カクヨムにも掲載しています。