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望んだ未来
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俺は、俯く桜に目を向けながら。
「…それで、今ここに先生がいるわけだ。」
桜に。
「だから、俺は医者になった。」
ゆっくりと。
「母さんみたいな人を助けるために。」
声をかけながら。
「父さんみたいな人の、希望になれるように。」
「桜のお母さんとお父さん、桜の事心配してたよ。」
そう言うと、桜はハッとした様に顔を上げる。
「桜が手術を受けなかったらどうしようって。桜が目の前からいなくなったらどうしよう、って。桜のお母さん、泣いてたよ。」
その言葉に、桜の目も潤む。
「桜。確かに、また、治らないかもしれない。そう思うと怖いね。辛いね。手術、嫌になるね。」
桜は、俺の言葉にこくん、と頷く。
「でもさ。手術受けなかったら、桜の病気は確実に治らないんだよ。」
ダメだ。
「…うん。」
君がいなくなったら。
「それだったら、少しでも努力して万が一の可能性にかけてみるのも、良いんじゃないかな。」
たくさんの人が。
「…」
父さん以上の悲しみを味わうんだろう?
「桜のお母さんも、お父さんも。桜が手術受けるって言ったら、きっと喜ぶよ。」
俺がそう言うと。
桜は、俯いた顔を少し赤くしながら。
「…先生は?」
予想しなかった言葉に思わず聞き返す。
「…は。」
「先生は、喜ぶ?」
なぜ。
俺。
そう思いながらも。
「…もちろん。」
そう言うと。
桜は少しぎこちなく笑いながら。
「…頑張る。」
と言った。
「…それで、今ここに先生がいるわけだ。」
桜に。
「だから、俺は医者になった。」
ゆっくりと。
「母さんみたいな人を助けるために。」
声をかけながら。
「父さんみたいな人の、希望になれるように。」
「桜のお母さんとお父さん、桜の事心配してたよ。」
そう言うと、桜はハッとした様に顔を上げる。
「桜が手術を受けなかったらどうしようって。桜が目の前からいなくなったらどうしよう、って。桜のお母さん、泣いてたよ。」
その言葉に、桜の目も潤む。
「桜。確かに、また、治らないかもしれない。そう思うと怖いね。辛いね。手術、嫌になるね。」
桜は、俺の言葉にこくん、と頷く。
「でもさ。手術受けなかったら、桜の病気は確実に治らないんだよ。」
ダメだ。
「…うん。」
君がいなくなったら。
「それだったら、少しでも努力して万が一の可能性にかけてみるのも、良いんじゃないかな。」
たくさんの人が。
「…」
父さん以上の悲しみを味わうんだろう?
「桜のお母さんも、お父さんも。桜が手術受けるって言ったら、きっと喜ぶよ。」
俺がそう言うと。
桜は、俯いた顔を少し赤くしながら。
「…先生は?」
予想しなかった言葉に思わず聞き返す。
「…は。」
「先生は、喜ぶ?」
なぜ。
俺。
そう思いながらも。
「…もちろん。」
そう言うと。
桜は少しぎこちなく笑いながら。
「…頑張る。」
と言った。
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