政略結婚が恋愛結婚に変わる時。

美桜羅

文字の大きさ
121 / 125
望んだ未来

7

一つの動画と一枚の写真。

…何だこれ。

目の前に表示された画面を食い入るように見ながら。

…初めてだな、動画なんて送ってきたの。

そう思いながら、三角を横に倒したようなマークを押すと。

「…は。」

急に、画面が回って。

…おい。

おい。

何だ。

何だ。

どうなってる。

そう思って眉を寄せていると、急に画面に見慣れた顔が映り、その次の瞬間に聞き慣れている声がした。

『ちゃんと見えてるのかな?』

そう言いながら無邪気にカメラに向かって手を振る母と。

そんな母の少し距離が離れた後ろで眉を寄せながらため息をついて諭す父。

『カメラで撮ってんだから写ってるに『わかってます!』

そんな父さんに母さんはいつもほんのりと頬を赤くしながら対抗する。

そんな母さんの言葉に父さんは少し怒ったような顔をしながら。

『…分かってるなら何で言ったわけ。』

父さんの言葉に今度は母さんが眉を寄せる。

『そ、れは…』

父さんは今こそチャンス、とばかりに戸惑う母さんを口攻めする。

『へぇ、何、君。分かってる事をわざと分からない振りしたわけ。ふーん、相当暇なんだね。俺には理解出来ないけど、その行為は何か役に立つの。』

『いや、あの『ま、そんなわけないよね。暇つぶしにしたってもうちょっとマシなのがあるだろう、頭で考えなよ。』

『…』

父さんの方を振り返ってるから、母さんの表情は見えないものの、100%の確率で母さんは父さんを唇をかみしめながら睨んでるのか睨んで無いのかの目で…ま、本人は睨んでるつもりなんだろうけど、そんな表情をしているのだろう。

そんな事を考えながら。

…いつも見る母さんと父さんそのままじゃないか。

何もパリに行ってまでそんな事をしなくても。

そう思いながら、ふと笑う。
感想 28

あなたにおすすめの小説

氷の宰相補佐と押しつけられた厄災の花嫁

瑞原唯子
恋愛
王命により、アイザックはまだ十歳の少女を妻として娶ることになった。 彼女は生後まもなく始末されたはずの『厄災の姫』である。最近になって生存が判明したが、いまさら王家に迎え入れることも始末することもできない——悩んだ末、国王は序列一位のシェフィールド公爵家に押しつけたのだ。

【完結】お飾り妃〜寵愛は聖女様のモノ〜

恋愛
今日、私はお飾りの妃となります。 ※実際の慣習等とは異なる場合があり、あくまでこの世界観での要素もございますので御了承ください。

愚かな恋

はるきりょう
恋愛
そして、呪文のように繰り返すのだ。「里美。好きなんだ」と。 私の顔を見て、私のではない名前を呼ぶ。

【完結】あなたに抱きしめられたくてー。

彩華(あやはな)
恋愛
細い指が私の首を絞めた。泣く母の顔に、私は自分が生まれてきたことを後悔したー。 そして、母の言われるままに言われ孤児院にお世話になることになる。 やがて学園にいくことになるが、王子殿下にからまれるようになり・・・。 大きな秘密を抱えた私は、彼から逃げるのだった。 同時に母の事実も知ることになってゆく・・・。    *ヤバめの男あり。ヒーローの出現は遅め。  もやもや(いつもながら・・・)、ポロポロありになると思います。初めから重めです。

挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】 今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。 「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」 そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。 そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。 けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。 その真意を知った時、私は―。 ※暫く鬱展開が続きます ※他サイトでも投稿中

《完結》王太子妃、毒薬飲まされ人生変わりました。

ぜらちん黒糖
恋愛
【第一章】ヘレンはトムス王太子と結婚して王太子妃となった。だが毒入りワインを誰かに飲まされ意識不明になってしまう。  意識不明の中、幽体離脱をして幽霊となりメイドのマリーに憑依して犯人を探し始める。 【第二章】ローズの息子ゼオドアを軸に物語は進む。 【第三章】ローズの父を軸に話が進む。 【第四章】マラオとマリーの恋愛を軸に話が進んでいきます。 そして第五章よりもうひとりの主役が登場します。

【完結】恋を失くした伯爵令息に、赤い糸を結んで

白雨 音
恋愛
伯爵令嬢のシュゼットは、舞踏会で初恋の人リアムと再会する。 ずっと会いたかった人…心躍らせるも、抱える秘密により、名乗り出る事は出来無かった。 程なくして、彼に美しい婚約者がいる事を知り、諦めようとするが… 思わぬ事に、彼の婚約者の座が転がり込んで来た。 喜ぶシュゼットとは反対に、彼の心は元婚約者にあった___  ※視点:シュゼットのみ一人称(表記の無いものはシュゼット視点です)   異世界、架空の国(※魔法要素はありません)《完結しました》

【完結】彼を幸せにする十の方法

玉響なつめ
恋愛
貴族令嬢のフィリアには婚約者がいる。 フィリアが望んで結ばれた婚約、その相手であるキリアンはいつだって冷静だ。 婚約者としての義務は果たしてくれるし常に彼女を尊重してくれる。 しかし、フィリアが望まなければキリアンは動かない。 婚約したのだからいつかは心を開いてくれて、距離も縮まる――そう信じていたフィリアの心は、とある夜会での事件でぽっきり折れてしまった。 婚約を解消することは難しいが、少なくともこれ以上迷惑をかけずに夫婦としてどうあるべきか……フィリアは悩みながらも、キリアンが一番幸せになれる方法を探すために行動を起こすのだった。 ※小説家になろう・カクヨムにも掲載しています。