政略結婚が恋愛結婚に変わる時。

美桜羅

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望んだ未来

9

二人は自分達の事を政略結婚だって言うけど、二人の話を聞いてると俺としては立派な恋愛結婚だと思う。

だって母さんは、結婚する時父さんの事が好きだったわけだし。

うん。

その後は、母さんよりむしろ父さんが母さんにのめり込んだ感じだ。

母さんにそっくりの妹にまで執着してるし。

…ま、母さんも父さんと同じくらい、父さんにそっくりの俺に執着してくるけど。

それに、父さんも同じ副社長である瀬川さんの話を聞く限り、父さんは会社でも母さんの事をかなり束縛しているようで。

何でも父さんが前の副社長の会社のお金を微量に自分に横流しした事を、めざとく(父さんによるとたまたま)、見つけてそれを社長に密告した時から父さんは社長のお気に入りらしく、そのおかげで母さんも父さんと同じエリート会社に入れたらしい。

…ま、そんな事なしにしても母さんは入社試験を余裕で突破出来る頭を持ってたらしいけど。

本当は、その時点ですでに総務部長となっていた父さんは、自分の秘書に付ける気だったらしいが、人事部長であった瀬川さんが勝手に
“可愛い子には旅をさせようぜー”
とか何とか意味の分から無い事を言って、受付嬢にしたらしい。

それを知った時の。

父さんの一言は。

『…一回死んでよ。』

だったらしい。

そんな事を言われながらも母さんを今の秘書に、受付嬢から暫く動かさなかったのは父さんの反応が度を超えて面白かったらしい。

いつもは仕事以外で瀬川さんの話をろくに聞かない父さんに、瀬川さんが冗談で少し息を切らした振りをしながらノックもせずに父さんの副社長室に入って
『…な、『悠河!大変だ、瑞紀ちゃんが…!』

そう言うと。

父さんは眉を寄せながら素早く手に持っていた書類を机の上に置き座っていた椅子から立ち。

ドアの前にいる瀬川さんを無理矢理押しのけて母さんの元まで向かって。

…父さんには珍しく同じ話で何回もだまされて。

瀬川さんは少し汗ばんで急いで母さんの元まで走って眉を寄せながら意味が分から無い、というような顔をしている母さんと話してる父さんを上から見ては。

“…マジで最高。”

そう思ったらしい。

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