政略結婚が恋愛結婚に変わる時。

美桜羅

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望んだ未来

10

母さんはただでさえ綺麗な顔をした上、愛想も良いから大変モテたらしく、実際取引先の若社長から電話番号を書いたメモを手渡される事も非常に多かったらしく。

…父さんは、気が気でなかった、みたいで。

多分。

父さんは、絶対認めないけど。

いや、でもいつもの様子からするに絶対、心配だったんだと思う。

『ね、コーヒーが飲みたいんだけど。』

『…肩がこった。』

『パソコンの起動が遅い、ちょっと来なよ。』

そんなどうでも良い事でいちいち母さんを呼び出していたらしいし。

で、そんな父さんに眉を下げながらも嬉しそうに父さんの元に走っていく母さんも母さんだ。

そんな情報を俺に与えてくれる瀬川さんを父さんは
『鬱陶しい、何勝手に家まで上がり込んでんの。』
とか言ってるけど、家までついてくる瀬川さんを無言で放置して何だかんだ家の奥にまであげていると言う事は、瀬川さんの事を多かれ少なかれ認めてると言う事だろう。

…そんな事を言うとまた、最大限に眉を寄せながら否定するんだろうけど。

我が父ながら本当にあまのじゃくだな。

母さんの事が大好きならそう言ってやれば良いのに。

言葉では冷たい事ばかり言って。

…でも、あれなのか?

母さんは、そんな事知哉さんが言い出したら変でしょう?、とか言うし。

父さんも、母さんが気づくかどうかは別として、一応態度では表しているし。

父さんも母さんもお互いにそれを不満に思ってないならそれで良いのか。

それが、二人の形なら。
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