政略結婚が恋愛結婚に変わる時。

美桜羅

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揺れ動く心

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近づくに連れて、

瑞紀が小さいながらも抵抗してるのが
目を閉じて涙を流してるのが

分かる。

夢中でキスしてる男の肩を後ろからぐっと掴んで。

瑞紀から引き離す。

俺に驚く瑞紀の腕を掴んで、自分の背後に隠すと。

若い男は、突然の俺の行為に怒っているようで。

「…何ですか、貴方はぁ?」

…うわ。

最悪。

思わず顔をしかめる。

こいつ、泥酔してる。

その状態でも女にキスするとは。

俺は軽蔑の目を向けながら、
「ちょっと、君さ、何やってんの。」

俺はいつもより数段低い声で。

「…はぁ?俺は自分の婚約者に「あぁ、それ、無しにしたから。」

「…っえ?」

背後から瑞紀の驚いた声。

えっ、て。

何だ。

えっ、て。

こいつが気に入ってるのか。

ふざけるな。

そう思いながらも。

「お前になんの権限があって言ってんだよ!俺は副社長の「息子でしょ、知ってるよ。」

俺はそう言いながら男に一歩一歩近づく。

「…副社長の、“息子”でしょ。何勘違いしてんの、偉そうに。君が偉いんじゃなくて、お父さんが偉いだけ。そこ、きちんと覚えておく頭ぐらい用意してもらえなかったの?」

「…おい、てめぇ!「流石、人の嫁をかっさらって行こうとするだけあるよね。親子揃って常識がない。」

俺がそう言うと、男は俺が誰なのか分かったようで、
「てめ、会社にいられなくしてやる!」

「あぁ、出たね、そうやって自分でどうにも出来ないから親に頼る二世の特性。ま、良いよ、好きにしなよ。」

背後で流石にそれはまずいんじゃないかと瑞紀が心配して俺のスーツの裾を引っ張る。

その手をキュッと握りながら。

「…知哉さ「その分、会社にどれだけの損害が出るか、君は分からないだろうけどお父さんは分かるだろうからね。」

「…」

男の顔が、

「良いよ、クビにするなりなんでもすれば良い。その代わり、そうなったあかつきには、この会社の上がり株、全て買い取って潰してあげるよ、この会社。」

怒りで

「会社員への賠償金、有力株主への見舞金、退職手当金。さて、手元に残る借金はいくらになるかな。」

歪む。

その顔を笑って見つめながら。

「…そこら辺まできちんとお伝えになって、ご検討下さいね、副社長の“息子”さん。」

そう言うと。

男は、ちっ。、と盛大に舌打ちをかましてバルコニーから出て行った。



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