39 / 54
第39話:検証
しおりを挟む
ゴキブリ退治をして胴上げ。みんな騒いで疲れ切った後に、冷静になり考える。
「これってロボットなんですかね?」
梓ちゃんが不思議そうに聞いてくる。それに真夕ちゃんが答える。
「梓さん、索敵レーダーに映ったんですよね? 索敵レーダーに映るのは敵だけです」
そこに恭子ちゃんが口を挟む。
「この世界の魔物ってことはないのか?」
あたしは魔物を想像してみる。例えばスライムとかが沢山いるように、こんなゴキブリもどきも沢山いるのを想像して、背筋がぞわっとした。
そんなことを考えていたら、真夕ちゃんが否定をした。
「異世界知識では、索敵レーダーに映るのは敵のみとなっており、魔物は保護の対象になっています」
「魔物を保護? なんでや?」
「この世界の人達の生活に必要だからです。素材を採集したり、食材に使ったり、それらを行う仕事をしてお金を稼いだり」
あたしはゴキブリ型ロボットに視線を向ける。これが魔物だったら保護しなきゃいけないとか気持ち悪いが、倒せと言われても気持ち悪い。
あたしはその心境を吐露した。
「ねえ、今後もゴキブリが出てくるかもしれないってことだよね? その場合どうするの?」
全員が「はっ!」と気づいたように、あたしの方に視線を向けた。
「……検証……しておいて、これがロボットと認識しておいた方が戦いやすいでしょうか?」
「どうやって検証なさるんですか?」
「えっと、じゃあ花鈴さん。剣でゴキブリの脚でも斬ってみて下さい」
「ええ~! やだよ! 剣になんかぬめぬめとした液とかつきそうじゃん! それなら綾乃ちゃんか恭子ちゃんのマジックソードで斬る方がいいじゃん! 物理ではなく魔法だから変な液とかつかないでしょ?」
そう言い二人の方を見ると、二人ともたじろいでいる。
「「……いや、あの、その……」」
二人でハモリつつ、言い訳を考えているようだ。あたしは言い訳を考えつく前に、逃げ場を封鎖することにした。
「じゃあ二人でじゃんけんして、負けた方がゴキブリの脚を斬るのね」
すると二人は視線を合わせて火花を散らした。同志だったものが敵対した瞬間である。
「「じゃ~んけ~ん、ぽん!」」
負けたのは恭子ちゃんであった。絵面的には女子高校生が嫌がる女子小学生に、無理やりゴキブリを触らせようとしているように見えるのは、気のせいだろう。
「うりゃー!」
恭子ちゃんは、泣きながらマジックソードでゴキブリの脚を切り裂いた。斬ったところから緑色の液体がドロッと出てきて、恭子ちゃんは高速で後退った。
とりあえず液体が飛ばないことを確認した後、みんなで恐る恐る切断面を覗いてみる。外殻部分は確かに金属パーツでできている。
「ねえねえ、ロボットみたいだけど、この緑色の液体は何? 冷却オイルじゃないよね?」
「えっと……違いますね。どうやら私たちに対抗すべく兵器として試作されたのかもしれません」
「どういうことや?」
脳筋の佳那子ちゃんが質問をする。まあ脳筋じゃない私でも分からないけど……。
「つまり敵は私たちの『苦手な物』を調べて、ロボットを製造しているのかもしれないということですね」
「そんなことまで敵は分かっちゃうの?」
「いえ、これは推測ですよ」
「……あ、あの……敵のロボットが昆虫型って、もしかしてそのロボットのモデルの魔物が、実在するということでしょうか?」
「「「!?」」」
梓ちゃんが言葉にできないような、驚くべきことを言い出した。もしそれが本当ならば、ごきぶりの魔物がいると……。
それを悟った全員が青ざめた。空気を変えようと試みたのか、真夕ちゃんが口を開いた。
「と、とりあえず検証を続けましょう。今後のゴキブリ型ロボット対策として」
空気は変わらず、むしろ余計に気が重くなりつつ、みんなで検証を行った。
「ふぅ~」
やっとゴキブリ型ロボットの検証が終わった。攻撃力も防御力も大したことなく、機能が嫌がらせ特化ということが分かった。どうやらこれは、あたしたちメカ少女に対する試作機らしいという結論になった。
「みなさん、今後は怯えたり、恐怖したりしてみせないで下さいね。敵がどのようにこちらの状況を把握しているのかは分かりませんが、こちらが怯んだら、これを大量に製造されると、心に刻んでおいてください。そんな状況いやでしょ?」
「「「は……はい」」」
みんな声が力なく返事をする。今後これに出くわしても、悲鳴を上げても逃げてもいけない。もしもこれを破ってしまい逃げたりしたものなら、大量に生産されるであろう。頭の中に、気持ち悪い光景が浮かぶ。
そんな光景を、頭をブンブンと振り、かき消す。
「よし! とにかく進もう! いつまでもここに居ると、ビビっているように見られちゃうかもしれないしね」
「そ、そうですわね」
あたしと綾乃ちゃんに続いて他の人も無言で頷く。コメントすることすら、既に疲れている様子である。こんなことで平気なのか?
堂々と胸を張っているが、実のところ内心、びくびくしつつ歩いていく。恐らく他の人もそうだろうと、チラッと横目で確認してしまう。
しばらく歩くが敵の気配はない。
日も暮れつつあるので、野営にすることにした。
「これってロボットなんですかね?」
梓ちゃんが不思議そうに聞いてくる。それに真夕ちゃんが答える。
「梓さん、索敵レーダーに映ったんですよね? 索敵レーダーに映るのは敵だけです」
そこに恭子ちゃんが口を挟む。
「この世界の魔物ってことはないのか?」
あたしは魔物を想像してみる。例えばスライムとかが沢山いるように、こんなゴキブリもどきも沢山いるのを想像して、背筋がぞわっとした。
そんなことを考えていたら、真夕ちゃんが否定をした。
「異世界知識では、索敵レーダーに映るのは敵のみとなっており、魔物は保護の対象になっています」
「魔物を保護? なんでや?」
「この世界の人達の生活に必要だからです。素材を採集したり、食材に使ったり、それらを行う仕事をしてお金を稼いだり」
あたしはゴキブリ型ロボットに視線を向ける。これが魔物だったら保護しなきゃいけないとか気持ち悪いが、倒せと言われても気持ち悪い。
あたしはその心境を吐露した。
「ねえ、今後もゴキブリが出てくるかもしれないってことだよね? その場合どうするの?」
全員が「はっ!」と気づいたように、あたしの方に視線を向けた。
「……検証……しておいて、これがロボットと認識しておいた方が戦いやすいでしょうか?」
「どうやって検証なさるんですか?」
「えっと、じゃあ花鈴さん。剣でゴキブリの脚でも斬ってみて下さい」
「ええ~! やだよ! 剣になんかぬめぬめとした液とかつきそうじゃん! それなら綾乃ちゃんか恭子ちゃんのマジックソードで斬る方がいいじゃん! 物理ではなく魔法だから変な液とかつかないでしょ?」
そう言い二人の方を見ると、二人ともたじろいでいる。
「「……いや、あの、その……」」
二人でハモリつつ、言い訳を考えているようだ。あたしは言い訳を考えつく前に、逃げ場を封鎖することにした。
「じゃあ二人でじゃんけんして、負けた方がゴキブリの脚を斬るのね」
すると二人は視線を合わせて火花を散らした。同志だったものが敵対した瞬間である。
「「じゃ~んけ~ん、ぽん!」」
負けたのは恭子ちゃんであった。絵面的には女子高校生が嫌がる女子小学生に、無理やりゴキブリを触らせようとしているように見えるのは、気のせいだろう。
「うりゃー!」
恭子ちゃんは、泣きながらマジックソードでゴキブリの脚を切り裂いた。斬ったところから緑色の液体がドロッと出てきて、恭子ちゃんは高速で後退った。
とりあえず液体が飛ばないことを確認した後、みんなで恐る恐る切断面を覗いてみる。外殻部分は確かに金属パーツでできている。
「ねえねえ、ロボットみたいだけど、この緑色の液体は何? 冷却オイルじゃないよね?」
「えっと……違いますね。どうやら私たちに対抗すべく兵器として試作されたのかもしれません」
「どういうことや?」
脳筋の佳那子ちゃんが質問をする。まあ脳筋じゃない私でも分からないけど……。
「つまり敵は私たちの『苦手な物』を調べて、ロボットを製造しているのかもしれないということですね」
「そんなことまで敵は分かっちゃうの?」
「いえ、これは推測ですよ」
「……あ、あの……敵のロボットが昆虫型って、もしかしてそのロボットのモデルの魔物が、実在するということでしょうか?」
「「「!?」」」
梓ちゃんが言葉にできないような、驚くべきことを言い出した。もしそれが本当ならば、ごきぶりの魔物がいると……。
それを悟った全員が青ざめた。空気を変えようと試みたのか、真夕ちゃんが口を開いた。
「と、とりあえず検証を続けましょう。今後のゴキブリ型ロボット対策として」
空気は変わらず、むしろ余計に気が重くなりつつ、みんなで検証を行った。
「ふぅ~」
やっとゴキブリ型ロボットの検証が終わった。攻撃力も防御力も大したことなく、機能が嫌がらせ特化ということが分かった。どうやらこれは、あたしたちメカ少女に対する試作機らしいという結論になった。
「みなさん、今後は怯えたり、恐怖したりしてみせないで下さいね。敵がどのようにこちらの状況を把握しているのかは分かりませんが、こちらが怯んだら、これを大量に製造されると、心に刻んでおいてください。そんな状況いやでしょ?」
「「「は……はい」」」
みんな声が力なく返事をする。今後これに出くわしても、悲鳴を上げても逃げてもいけない。もしもこれを破ってしまい逃げたりしたものなら、大量に生産されるであろう。頭の中に、気持ち悪い光景が浮かぶ。
そんな光景を、頭をブンブンと振り、かき消す。
「よし! とにかく進もう! いつまでもここに居ると、ビビっているように見られちゃうかもしれないしね」
「そ、そうですわね」
あたしと綾乃ちゃんに続いて他の人も無言で頷く。コメントすることすら、既に疲れている様子である。こんなことで平気なのか?
堂々と胸を張っているが、実のところ内心、びくびくしつつ歩いていく。恐らく他の人もそうだろうと、チラッと横目で確認してしまう。
しばらく歩くが敵の気配はない。
日も暮れつつあるので、野営にすることにした。
0
あなたにおすすめの小説
1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!
マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。
今後ともよろしくお願いいたします!
トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕!
タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。
男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】
そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】
アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です!
コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】
マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。
見てください。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者
哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。
何も成し遂げることなく35年……
ついに前世の年齢を超えた。
※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。
※この小説は他サイトにも投稿しています。
幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜
霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……?
生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。
これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。
(小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
異世界亜人熟女ハーレム製作者
†真・筋坊主 しんなるきんちゃん†
ファンタジー
異世界転生して亜人の熟女ハーレムを作る話です
【注意】この作品は全てフィクションであり実在、歴史上の人物、場所、概念とは異なります。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
コンバット
サクラ近衛将監
ファンタジー
藤堂 忍は、10歳の頃に難病に指定されているALS(amyotrophic lateral sclerosis:筋萎縮性側索硬化症)を発症した。
ALSは発症してから平均3年半で死に至るが、遅いケースでは10年以上にわたり闘病する場合もある。
忍は、不屈の闘志で最後まで運命に抗った。
担当医師の見立てでは、精々5年以内という余命期間を大幅に延長し、12年間の壮絶な闘病生活の果てについに力尽きて亡くなった。
その陰で家族の献身的な助力があったことは間違いないが、何よりも忍自身の生きようとする意志の力が大いに働いていたのである。
その超人的な精神の強靭さゆえに忍の生き様は、天上界の神々の心も揺り動かしていた。
かくして天上界でも類稀な神々の総意に依り、忍の魂は異なる世界への転生という形で蘇ることが許されたのである。
この物語は、地球世界に生を受けながらも、その生を満喫できないまま死に至った一人の若い女性の魂が、神々の助力により異世界で新たな生を受け、神々の加護を受けつつ新たな人生を歩む姿を描いたものである。
しかしながら、神々の意向とは裏腹に、転生した魂は、新たな闘いの場に身を投じることになった。
この物語は「カクヨム様」にも同時投稿します。
一応不定期なのですが、土曜の午後8時に投稿するよう努力いたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる