感情の無い少年死ねない少女

ゆっくり白霊

文字の大きさ
8 / 42

誠の覚悟

しおりを挟む
そして私は夢を見る。
その夢の内容は、一人の少年が金髪の髪をした、少女を救っていた。
これだ、私がやりたいのはまさしくこれだ。
だがこの夢のとおりに実現するのは、不可能に近い。
現実はアニメや漫画のとおり上手くいくわけではない。
しかも相手は集団で群れるタイプだ。
私は運動が得意な訳ではないので、喧嘩とかそういうのはさけたい。
なら非力な私がどうやったら彼女を救える?
兄妹達は味方してくれると言ったが、正直巻き込みたくない。 
多分美香も、私を巻き込みたくないから避けたり、本当の事を言わないのだろう。
ならば、力で勝てないのなら。
「頭脳だな。」
そして朝起きてから学校の準備をする。
そして兄妹に頼みをして、朝食を取り、学校に向かう。
彼女を救う手段は思いついた、後は
「罠に掛かるのを待つだけだな。」
学校に着き自分の席で本を読む。
本は推理小説の本だ。
なかなかに楽しめる。
そして時間は進み昼休みに。
自分の席で昼飯を食べようとすると。
「美奈ちゃ~ん。」
「何?」
「先生に頼み事頼まれたからちょっと来て。」
美奈が複数の女子に囲まれて教室から連れ去られそうになる。
よし、後は作戦通りにやればと思い、美奈の顔を見ると。
辛そうな顔で口を動かしていた。
「た・す・け・て・」と。
「くっ………」
その言葉を聞いたときには私は動いていた。
「?どうしたの誠君?」
気がつくと私は女子と美奈の間に立っていた。
「いや、先生の手伝い私がやろうと思って。」
クラス中がこちらに注目している。
「いや、先生は美奈に頼んだから誠君が手伝わなくても大丈夫だよ。」
「いや、そいつ昨日階段で転んで怪我しただろなら私が手伝ったほうが良い。」
「くっ………」
いけるぞこれだが、これはこの場だけしか解決できない。
そう考えていると女子達は怒りだして。
「ああもう何でいちいち関わってくるのマジうざいんだけど。」
「私はそうした方が良いから言っているだけだ。」
「うるさいな!!先生はそいつに頼んだからそいつなの。」
「その理論はおかしい。何故お前らはそんなに美奈に固執する。」
「あんた知らないの?そいつ私達がいじめてんだよ。」
「そうかどうして?」
「そいつ前に私達がいじめてた奴を助けてさ、まじヒーロー気取りそれがうざくていじめてんの。」
「…そうか。」
そんな理由があったとは、だがこれで完璧だ。
「あんたも調子乗ってるといじめるよ。」
それは脅しの声だった。
だがそれを私は嘲笑う。
「何?ふざけてんの言っとくけど私の彼氏めっちゃゴツイから。」
「お前こそ何言ってんだお前らこれから学校しっかりと通えると思うか。」
そして私はボイスレコーダーを出しそして再生する。
「そいつ私達がいじめてんだよ。」や「まじヒーロー気取りそれがうざくていじめてんの。」などと聞こえる。
すると教室は冷たい雰囲気になり、女子達は青ざめる。
「ハイ問題ここでこれを先生に見せたらどうなるでしょう?」
「はっ、勘弁してよそんな事したら私達の人生終わるじゃん。そんな権利あんたにはないでしょ!!」
「そうだな、確かにそんな権利は無い。が、お前らにも人虐める権利は無いはずだ。」
私は冷酷にそれを告げる。
すると女子の軍団が私の周りに来て私からボイスレコーダーを奪いそれを踏み潰す。
「これで問題無い。ハハハザマァ見やがれ調子に乗った罰だよ。」
「お前らがな。」
「はっ?何言って?」
「お前ら職員室に来い。」
そう担任が告げる。
「え?何で先生が?」
「誠の姉と兄から聞いていてな。お前達が美奈をいじめていると。」
「はあっ!!そんなの信用するんですか。」
「そうです私達何もしてません。」
「なあ一ついいか。」
「何よ?」
「いつボイスレコーダーが一つって言った。」
そして私は鞄からもう一つボイスレコーダーを取り出す。
「は!?」
一同は驚いた様子だ。
「で…でも音声だけではしょ…証拠には。」
「それじゃあ渚に撮ってもらった映像見るか?」
「え?映像?」
「実はな最初から今も撮ってもらってる。」
「そ…そんな。」
「とりあえず職員室だお前達。後村雨家と美奈は放課後残ってくれ。」
そして担任は女子達を連れて行く。
その光景を見て一段落ついたかなそう思った。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

処理中です...