感情の無い少年死ねない少女

ゆっくり白霊

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ヒーローは救われない

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誠が倒れた。
「おい!!誠しっかりしろ。」
僕は呼び掛けるが、返事は無い。
「お兄ちゃんいったい?」
「とりあえず部屋に運びましょう。」
そして僕らは誠を部屋に運ぶ。
体重は軽かった。
誠、一体どうなっているんだ?
誠は魘されている。
「誠、」
「聞いてみるあの人に。」
「「あの人?」」
「叔母さんよ。」
そして誠のタブレットから叔母さんに電話を掛ける。
するとすぐ出る。
「もしもし誠?」
「お久しぶりです。連です。」
「久しぶり、誠に何かあった?」
「実は…」
そして僕は叔母さんにすべてを話す。
すると叔母さんはやはりと言う。
「どういうことですか?」
「実は私も昔誠に両親の事を話したのよ、するとあの子急にブツブツ言い出して倒れるのよ。」
「そうなんですか。」
誠のあの症状は昔からか、なかなか難しいな。
「あの子は昔たくさんの人を救ったけれど本人は全然救われていなかったのね。」
「そうですね。」
そうだ僕達は誠が自分自身の事で困っている事は一度も見たことが無かった。
辛い事があっても一人で抱えているやつだった。
そんな誠が「助けて」と言っているのだ。
「助けてやらないとな。」
「そうね、私があの子に出来なかった事を貴方達がして頂戴。」
「わかりました。」
そして僕は電話をきる。
「お兄ちゃん、誠お兄ちゃんは?」
「僕等がなんとかするしかないな。」
「そうね昔たくさんお世話になったからね。」
そして僕は誠の方を見る、すると顔は辛そうな顔では無く、いつもの顔だった。
「寝ても真顔かよ。」
と呟いた。
ーー私は誠の感情を取り戻す方法を考えた。
「うーん…」
何も思い浮かばない。
そもそも失った物の重大差が私にはわからない。
元々私は孤児院で育った。
だから両親からの愛情を知らない。
「私には難題だな。」
そう考えていると、一つ案が思いついた。
「私が彼と付き合えばいいんだ。」
そう、そうすれば彼と一緒にいれるし、一緒に過ごしていれば何か感情を取り戻すヒントが得られるかもしれない。
それに私は彼の事がとても好きだ。
彼の事を愛してるし、彼を私が独占したい。
私のものにしたい。
でもどうやって私の愛を伝えよう。
やっぱりここは、
「ラブレターかな。」
ベタだがこれしかないと思っている。
「フフフ。」
書いてみると楽しい。
そして赤ペンで名前を書こうとすると。
「インクがきれた。」
本当にタイミングを考えてほしい。
まあ…私の血で代用すればいいか。
そして私は手を少し切る。
そこで出てきた血で文字を書く。
私の愛は狂っているのだろうか?
違う狂っているのでは無く、彼が狂わせたのだ。
「フフフ愛してるよ誠。」
そして私の怪我は塞がる。
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