裏と表

猫星 月兎

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友達と快感

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私はどうして殺してしまったのだろう、、いや殺さなきゃいけなかった。
でもそれは本当なのか殺す以外にも方法はいくらでもあった
なのに!私は自分に負けてしまった...あのときプライドが許さなかった。
もう一人の自分に負けたのだ。


遡ること3時間前
私、千華は友達の雀と、あるゲームの大会に参加した。
このゲームは大会にエントリーした時点で周りの全員が敵の完全なソロバトルで最後まで生き残った、たった一人が勝てるゲーム。
私は雀と二人で協力して最後まで生き残ろうって約束していた。
エントリーしてから数時間後
いよいよ始まる5分前。運営側から提示されたルールに目を通していると
周りの集まった人達がザワザワしはじめた。そこに書かれていた最重要事項
【一度エントリーしたら、抜けることはできない。もし大会を破棄及び放棄した場合ゲームアカウントと一切を無効とする。生き残った1人以外の参加者は装備している物、持っている武器など全て、没収し、生き残った1人は賞金+SSRの武器が贈呈され広場に名前が刻まれる。
もし二人残り一定の時間を過ぎた場合には、新たにステージが設けられ、どちらかが死ぬまで終わらない。2位の者には賞金が与えられる】
「なに、、これ、、」雀も最重要事項を読み終えたのか震えていた。
周りからも「こんなの聞いてない」や「嘘、、だろ、、?」なんて声が聞こえてきた。
大会開始5分前に届いたメールは私達にとって、残酷なものだった。
開始一分前になりアナウンスが会場に響いた。
『みなさーん!準備はいいですか?最重要事項にはしっかり目を通してもらえたかなー?
これから皆さんにはバトルを行ってもらいます!
死ぬのを恐れ、隠れるのか1位になるために戦うのか皆さんの本性はどうでしょうね、、
それではまもなく始まりまーす!』
そんな会場とは真反対の明るい声が会場に響いた。
混乱する会場。
でも時間はどんどん過ぎていく一分なんて、あっという間で
次々とバトル会場に転送されていき、私も雀も転送された。始まるところはバラバラだ。
フレンドになっている人とはチャットができるらしい。
雀からすぐにチャットが飛んできた『千華どこ?』私は周りを見てマップで自分の場所を確認する。自分の半径1メートル以内の敵は見える仕組みのようだ。
『私は森の中心。これから廃墟の町までいくよ』
『私は今マップの一番北の木の上にいる、、』
私の使う武器は遠距離専用の銃と短剣だ。護身用として腰に銃は持っている
雀の使う武器は槍と剣。あまり近距離の戦いは慣れていなかった。
『とりあえず雀はそこでかんばって』とだけ言い、移動を始めた、すると
廃墟の町に行く途中10人と遭遇し5人を倒し逃げ切った。
今回の参加者は168人。
前よりだいぶ参加者が増えていたことからこの前のバトルで人気が一気にでたのだろう。
私はこのゲームのこの大会は雀には内緒だけど2回目だった。前に出たときは後一歩のところで死んでしまった。だから雀を誘いまたこの場所に戻ってきたのだ。
だから、今回は雀には1人で行動してもらおう。
邪魔をされたくない、、いやどうしても勝ちたいんだ。
あのときの屈辱を私は絶対に忘れない。今回こそ必ず絶対あの人に勝つんだ。
きっと前回でていた人が何人もいる。
私は、森の崖側を通り町まで移動する。前と全く変わらない地形だから行きやすい。
町までつくと、辺りは遠くまで見渡せる建物がたくさんだ、その裏を通っていくと簡単に目的地
についた。でもそこには先客がいた...
「よう、やっぱり来たな"華"」「それは昔の名前だし、第一なんで貴方がここにいるの」
「挨拶だよそれにお前を殺す気はないぞ?最後の最後まで、、な?」そう言ってどこかに行った
あいつは前に私を最後に殺して1位になった瞬だ。
でも裏では自分の高価武器を渡して、敵の場所を知らさせて殺して回っていた。
その上最後私を真っ向からじゃなく、徐々にいたぶるように殺した最低なやつ。
だから今回こそ殺す。必ず。
そして私はいつもの場所から30人を殺し残りは86/168 
雀はあの場所から一歩も動かず見つかりもしてない。私は場所を移動し高い木の上から見張り
下を通った人は斬る。少しの間ゆっくりしていると、残りはたったの28人になっていた。
今回は前回参加した人が多いのか強い人が多いのか人の減りが早い
そんなことを思っていると、『助けて!なんか敵が集まってきた(;ω;)』とチャットが飛んでくる
『雀、そこ動かないで写真撮れる?』すぐに送られてきた写真をみると、
どうやら、瞬の落ち合う場所だったらしい。
一瞬見つかってゲームオーバーになれば...なんてことを思った自分が怖かった。
友達さえを捨てようとしたのだ。勝ちたいがためだけに。
とりあえず私はその場所に行くことにした。
北の端で結構時間がかかったため、一足遅かった。もう瞬はいなかった。とりあえずその周辺に
地雷を撒き雀と一緒に移動する。マップをみるともうすでに散った後らしい。
近くの木に登り見張っていると瞬はすぐに戻ってきた。
そしてニヤリと笑った後、自ら地雷に飛び込んだ。そして最後の一瞬私に向けて言った。
「良かったなぁ、これで1位だ。お前は俺と一緒なんだ」そう言って消えた。
残り人数は、、"2人" 私と雀だ。
あぁ、まんまと引っかけられたずっと手のひらで遊ばれていた。
強制的に私の本性を引きずり出したのだ。あいつは、全部わかっていた、最初から。

これじゃあ前と一緒だ。私の、2人目の私...

あのときみたく強制的に2人のステージに転送された。
雀は、困っていたけどすぐに「千華殺し合いなんてしないよね?」と不安げに聞いてくる。
私は大丈夫だよ、なんて言えない「さぁ、どうだろうでも、出るには殺し合うしかないよ?」
ダメだ制御しなきゃ、、でもワクワクしてる。雀だから。友達だから。より一層殺したい
「雀、今から一分以内に逃げて」「え、、」戸惑いながらも雀は逃げた。
「ふふ、、くはっ、、あはははwww」
あぁゾクゾクするこれから逃げてる雀を見つけ出して殺すんだ。
もう剣だけでいいや、私は剣を引きずりながらどうやって殺そうか考えていた。
雀はすぐに見つかり、震え泣いていた。
「みーつけたwあはは簡単に見つかっちゃったねw」「千華、、??」
怖い。その感情が色濃くでている。そして私は...
「私は、華だよ。ねぇ雀wどうやって殺されたい?」「何、、言ってるの?」
私は、怯えてる雀の喉元をスッと切った。そして色んなところを切っていく。
「やめて、、千華!」「あはw楽しい~ww」最後は胸に剣を刺した。

そして、終わった。私は1位になった。
なのに、、結局私はあいつと一緒で感情が、押さえられなくてこけにされていた。
結局私が最低だったんだ。
...もしかしたらあいつのほうが私より上かもしれない、とさえ思う。
もう私は雀に顔向けできない。
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